片思い、男性不信、マンネリ……。小谷実由さんと秦レンナさんが参加者の恋愛相談にお答え
11月12日はShe isで連載「小谷実由のお悩み相談室」を開始したモデルの小谷実由さんと、恋愛にまつわるZINEをつくられている文筆家の秦レンナさんのトークイベント『恋愛保健室』。男性参加者も何人かいて、ちょっとドキドキしながら参加者から募集した恋愛相談に答えていきます。
「自分が好きになった人からなかなか好かれません。逆に恋愛対象として見ることができない人から告白をされて、どうするのがいいのか悩んでいます」という質問を聞いた小谷さんからは「好きになってくれた人を、無理に好きにならなくていい。好きになるってなかなかないことだから、自分が好きになった人を大事に、片思いを楽しみましょう!」と力強いエールが送られます。秦さんも「両思いって奇跡」と同じ意見。
恋愛に前向きになれないのは、片思いだけではありません。浮気や男性不信のせいで恋愛に臆病になっている女性から「誠実な男性を見極めたい」という相談もありました。失恋をきっかけにZINEをつくった秦さんは「これまでいろんなつらい経験もしてきたので、今度からは新しく恋人ができたら親友が面接してくれることに。信用できる友人がいるのは心強いですし、恋愛は自分と恋人の1対1の関係だけで考えるのではなく、親しい人の意見を取り入れて考えてもいいと思います」とアドバイス。
ちなみに、友人からは「赤レンジャータイプの男に恋をするな」と忠告を受けているそう。「常に自分が主役の赤レンジャーではなくて、自分は目立たなくても他人のことをきちんと考えられる緑や青レンジャータイプがおすすめ」とのこと。長く一緒にいるのであれば、大切な人を傷つけたりしない誠実なヒーローがいいかもしれません。
「幸せな時間を過ごすには?」「ケンカしたときの対処法」など、カップルの悩みも続々と。小谷さんは「カップルって、片思いより難しい。言わなくてもわかって、と期待してしまうけれど、言わなきゃわからないことがたくさんあると思います」と言います。
「恋人と過ごすなかで大切にされてきたことはありますか?」という質問には、「一日に一度はかならず一緒にご飯を食べること。同じ時間を共有して、喜びや悲しみ、いろいろな気持ちを重ねて思い出を共有できると、二人の関係はもっと特別になると思います」(小谷実由)「私は自分からケンカをしてしまう人。でも、相手の言葉は自分の発したテンションで返ってくるので、言葉の選び方や言い方には気をつけています。自分が緩やかに言えば、相手も緩やかになります。ケンカしても相手への尊敬の気持ちは忘れないようにしています」(秦レンナ)。どんなときも互いを思いあうこと、基本のようで忘れてしまいがちかもしれません。
カップルにはおなじみの「マンネリ」にも、二人は「会話」が大事だと話します。「プレゼントをがんばったり、サプライズをしたり、そういうことも嬉しいけれど、二人でゆっくり話すことはとても大事だと思います。なんでもなく、ダラダラとどうでもいい話をする時間のほうが、イベントごとで盛り上げることよりも大切なのかも」と秦さん。
最後、読書好きの秦さんから「恋愛」をテーマにおすすめの本を紹介してくださいました。「唐沢寿明さんの『ふたり』(幻冬舎文庫、初版発行1996年)は、山口智子さんとの出会いから結婚までが正直に語られたミリオンセラー。出会った当時、コンプレックスだらけで自信のなかった山口さんを、唐沢さんは『君の笑顔がいちばん』と励まし続けます。仕事が忙しくなりなかなか会えない間も、自分の時間を楽しもうと山口さんはフラメンコを始めます。ある日、それまでの練習の成果を披露した彼女に『きれいになったな』と唐沢さんは言うんです。あらためて、その豊満な体や長い手足、細い足首がちらちらと見える色っぽさに見とれ、何より今、彼女の顔は自信に満ちあふれ、輝いていました。出会って8年も経つのに、恋をし続ける素敵な二人の話です」。
秦さんの話を聞き、モデレーターの野村は永六輔さんが残した「二人っきり、まずはふたりになること。きれいな言葉を使いあうこと、きれいなことに感動すること、ふたりで声をそろえて感動してください」(出典:全国こども電話相談室)」という言葉を紹介。思い出の共有は、思い合う二人だからこそできること。それこそが恋愛の醍醐味かもしれませんね。
「ほどよく知らない人」の言葉は、ときに大切なひと言になり変わる
イベント中は終日、Girlfriendsたちによる「お悩み相談ベッド」も登場。11日はタトゥーブランド「opnner」のKaho Iwayaさんが来場者のお悩みに合わせてタトゥーシールを選んではってくれました。数あるタトゥーにまつわる伝説の中でタトゥーが「お守り」として愛されているということを知り、インスピレーションを受けた彼女。手首にそっとしのばせたタトゥーはまるでお守りのようです。
白石ユリさんによる手相・タロット占いは朝から予約でいっぱい。薄いレースのカーテンで仕切られたベッドの中で、女性同士の密やかな相談が繰り広げられていました。夕方には伊波英里さんやチーム未完成さんが駆けつけ、活気ある放課後の保健室になりました。
12日には、つめをぬるひとによる爪塗りが。1本から塗ってくれて、何を塗ってもらうか訪れた人がそれぞれの思いをたくしていました。ふとした瞬間、目に飛び込んでくるやさしいイラストは心を強くしてくれますね。
『恋愛保健室』のイベント後は秦さんもベッドに登場し、恋愛にまつわる個別相談にのってくれました。お悩みに合わせて本を紹介してもらえて、そっとのぞくと、『ティファニーで朝食を』や『神谷美恵子日記』が。
棚には、飯田エリカさんや池野詩織さん、伊波英里さん、UMMMI.さん、エヒラナナエさん、opnnerさん、梶山ひろみさん、小林真梨子さん、シャイボーイさん、つめをぬるひと、秦レンナさん、はらだ有彩さん、haru.さんなどGirlfriendsたちのZINEや作品も。手にとるのは、ずっと欲しかった作品がお目当ての方から、ふらりと訪れたお子さん連れのご家族までさまざま。この場での出会いを愛おしむように、大切に持ち帰ってくださいました。
「お悩み相談しませんか?」。そう問うと、大人たちは首をかしげて「悩みなんてあるかな〜」と陽気にとぼけます。でも、ベッドに座ると口が開き出す。きっと、ほどよく知らない人だからこそ、話せることがあるのかもしれません。そしてほどよく知らない人の言葉は、ときに大切なひと言になり変わるものです。
わたしにも悩みがあったんだ、そう気づいたときの心が軽くなる心地。懐かしい風ときらめく光が差し込んだ保健室は、そうした気持ちを呼び起こす力を持っているようでした。大人だって、誰かに自分の悩みを話してもいい。自分にとっての「保健室」を見つけることで、私たちの毎日はもっと生きやすくなるのかもしれません。
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