【個人で働く】
働いていた会社で一人前のスキルを身につけたから退職して独立する。はたまた、準備はまだだけれど絶対的にやりたいことを見つけたからフリーランスになる。そんな風に、組織から抜け出て一人で仕事を立ち上げるという働き方も、どんどん広がってきています。どんなタイミングで一人立ちを選ぶかは人それぞれ。だけど、なんとなく「フリーランスなんて私には無理無理」とか「一人で働いているけど、法人にするなんてまだまだ」なんて思っている人も、個人事業主や法人設立といった会社に所属する以外の働き方についてじっくり知ってみると、より現実的だったりお得だったりする意外な道が切り拓けるかも!
<どういう形態で働く?>
会社に属さず一人で働く場合にも、いくつか形態を選べます。どんな目的で一人で仕事をしていくのか、その後の展望や売り上げの見込みなどを考えて選びましょう! 個人事業主か法人設立かの大きな分かれ目は、節税対策……?
■個人事業主
もっとも手軽に始められるのが「個人事業主」。税務署に「開業届」を提出するだけで開始できます。逆に、個人事業主を辞めるときにも「廃業届」を提出するだけ。ハードルの低さが魅力のひとつです。払うべき税金は所得税、住民税、消費税、そして個人事業税。法人税に比べて、経費として扱える範囲が狭いため、できる節税対策に限りがありますが、「まずは一人で仕事を始めてみたい!」「退職したけどすぐにでも仕事をしたい!」という方にはおすすめ。ちなみに個人で働き、法人を設立していない人のことを主にフリーランスと呼んだりします。
■確定申告
個人事業主が1年に一度、必ずやらなければならないのが「確定申告」。そのなかでも「青色申告」と呼ばれるものは、その1年の所得金額を複式簿記という形式で計算し、提出するもの。少し手間はかかりますが、その分、税金の控除などが受けられます。「白色申告」と呼ばれる、もう少し簡易的な提出書類で済ませられるものもありますが、こちらは控除が受けられないなどの条件があります。
■法人設立(合同会社)
一人で仕事を始める場合、個人事業主として働くよりも会社を立ち上げた方が節税対策ができます。理由は、法人課税となり、経費に計上できる項目の範囲が広がるから。社員が一人だけでも法人は問題なく立ち上げられるのですが、その登記にかかるお金を安く抑えられるのが「合同会社」。株式会社の設立費用のだいたい半額くらいで設立が可能です。必要書類を揃えて法務局に提出しましょう。たとえ一人だったとしても、法人を設立することで個人事業主と比較すると社会的な信用が高くなるため、仕事を発注してくれる会社も多くなります。合同会社の場合、株式を発行できない点で資金調達のハードルが高い点は注意が必要です!
■法人設立(株式会社)
同じく、節税対策やその後の拡大を視野に入れて法人を立ち上げる場合、最も一般的なのが「株式会社」。登記の手間やお金はかかりますが、社会的な信用度は最も高いと言えます。合同会社も同じなのですが、法人は立ち上げるのも、廃業するのにもお金がかかるもの。ある程度売り上げの見込みが立った状態で始めるのがおすすめです。
<どこで働く?>
一人で働くとしても、やはりどこで働くのかはとても大事。集中することに重きを置くか、いろいろな人たちとの出会いや会話を刺激にして仕事を広げていくかなど、選ぶ基準も様々です。場所によっては、一人で仕事をしていくうえで嬉しいサポートも!
■自宅勤務
個人事業主でも、法人を設立するとしても、手っ取り早いのが住んでいる自宅で働くこと。オンとオフを切り替えるのが得意な方であれば、そのまま家で仕事をするのがもっともハードルが低いと言えるでしょう。家はリラックスするための空間! と思って家具などを選んできた方にとっては、仕事用のデスクや座りやすい椅子などを新たに用意した方が良いかもしれません。
■シェアオフィス
他の会社や個人と一緒に一つの物件を借りることを「シェアオフィス」と言います。イメージとしては、一軒の家を複数人で借り、共同で賃貸料を支払うシェアハウスを想像していただくとわかりやすいでしょうか。シェアオフィスを契約していれば、その日の仕事内容や気分で自宅とシェアオフィスを使い分けるという働き方も可能ですね。自宅との大きな違いは、仕事の話し相手が同じ空間にいること。場合によってはシェアオフィスのパートナーから仕事の発注を受けるなんてチャンスもあります。
■コワーキングスペース
シェアオフィスのように月額利用料を支払って利用できたり、「ドロップイン」と言って1日単位・1時間単位で長期契約をしていない人も立ち寄り利用できる場合もあるのが「コワーキングスペース」。ドロップインは、出張先などでの仕事場として利用するのにも便利ですね。法人設立の場合、コワーキングスペースの住所を法人立ち上げ時の登記に使用できたり、オプション契約をすれば受付対応を専門のスタッフに代行してもらえたり、一人で働く場合の手助けをしてもらえる場合も多いです。シェアオフィスに比べて、さらに多くの人が出入りするため、他の人とのコミュニケーションを取り、新しい仕事を得る機会として活用している人も多いようです。
いかがでしたか? 今回取り上げたキーワードは、なるべくシンプルにお伝えしましたが、どれも一つひとつを調べるだけでもたくさん情報が出てきます。少しでも気になった言葉、制度などがあれば、ご自身に当てはめて考えながら、ぜひさらに詳しく調べてみてください。
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