She isでは、特集テーマをもとにGirlfriendsに選曲してもらったプレイリストをSpotifyで配信中です。11月の特集テーマ「モテってなんだ?」で「抜け目ないスリップドレス」を一緒につくった、音楽好きとしても知られるモデルの武居詩織さんが選曲。
歌詞からモテとはどういうものなのかを考えさせられる曲や、好意を持っている男性から不意に送られてきた思い出の一曲、モテについて考えさせられる映画『(500日の)サマー』のヒロインがカラオケで歌う一曲など、今回の特集を通じてモテについてたっぷり考えてくれた武居さんが選びぬいた10曲をどうぞ。
01:The Cardigans “Carnival”
スウェディッシュポップブームの草分け的存在、The Cardigansの代表作。可愛らしいボーカルのポップソングで、まさにモテといえばというような印象が個人的にあって選びました。音楽に詳しくない人でもカフェなどで耳にすることが多く、きっと今までさりげなく様々な人達の恋を彩ってきた曲なのでは……。
02:Nancy Sinatra “Sugar Town”
フランク・シナトラの娘、ナンシー・シナトラの代表作。彼女はアイドル的人気を得た、1960年代のモテる女という印象。そしてモテについて考えさせられる映画『(500日)のサマー』でヒロインのサマーがカラオケで可愛らしく歌いあげるのがこの曲。あざとい……可愛い……男だったらイチコロでしょう。サマーはわざとやっているかのようなドキッとすることを完全にわざとではなく自然にやっているところが、モテ、小悪魔というものを体現していると思います。名作中の印象的な一曲。
03:河合奈保子 “けんかをやめて”
竹内まりや楽曲提供の80年代アイドルソング。初めて聴いた時は歌詞に衝撃を受けました。
<ごめんなさいね 私のせいよ 二人の心 もて遊んで ちょっぴり楽しんでたの 思わせぶりな態度で>
まさにモテ。そして、それでも「けんかをやめて」と言えてしまう、自分に矛先が向かない程に夢中にさせてしまうその才能こそがモテだと思います。
04:Tracey Thorn “Femme Fatale”
原曲はThe Velvet Undergroundなのですが、トレイシー・ソーンが歌うことで柔らかさが加わった一曲。タイトルの通りですが“魔性の女”ともいうべき歌。そこに存在するだけでなぜか目をひかれてしまう。なんとなく本能的に気になってしまう魔性の存在。気がついたらもう虜になって抜け出せなくなってしまう迷路のような存在。モテとは魅力の塊なのだと思います。
05:Andy Shauf “The Magician”
『The Party』というアルバムの一曲。アルバムを通してパーティーでの様子が描かれているのですが、様々な人間模様が見えて面白く、曲もいいですが、アルバムとしての完成度が非常に高い名作です。是非アルバムを通して聴いてほしいです。<Just a shaking hand without a concrete plan>という歌詞がモテについて表しているのではないかなと思いました。そう、具体的に何か考えたりせず、ただ手を握るだけ。モテとは果たして幸せなのか? 時に虚しくもあるのでは、と考えさせられる時に。
06:Puma Blue “Want Me”
最近注目のサウスロンドンシーンの新鋭Puma Blue。とにかくこのセクシーさ……。来日公演も観に行ったのですが、小柄で若い彼が奏でるメロウな音楽に陶酔しました。とろけるような夜のお供に。モテとは雰囲気を一瞬で作り上げて自らのフィールドにしてしまうような人のことなのではないかなと思います。
07:Georgie Fame “This Guy's In Love With You”
好意をもっている男性から何のメッセージもなく不意に送られてきた印象的な一曲。それをさらりとできてしまう彼に脱帽しました。ただ曲を送ってきただけでこんなにもドキドキさせられることがあるとは。直接的な歌詞ながら、「考えすぎだよ」と言えてしまう逃げ道もあるそのさりげない送り方。“送っただけ”なのか、はたまた“贈られた”のか、気づけば真相を考えさせられてしまうところにモテの要素を感じた思い出の曲です。
08:Temporex “Nice Boys”
サンディエゴで活動するまだ10代の青年Temporex。恋愛の交錯していく様をメロウでキラキラとしたメロディーで軽やかに聴ける一曲。モテているからといってタイミングがうまくいくとは限らないし、付き合えるとも限らない。一夜の夢の中で身を任せる日も永遠に続くとは限らないのです。
09:Team Me “Weathervanes and Chemicals”
もう解散してしまったノルウェーのバンドの曲。キラキラした曲調ながら鋭い切り口の歌詞があったりとギャップが面白いバンドです。日本語訳では<今若い騎士はどうやら隅に落ち着き 彼の率いてきた恋人達の一団は出発して行った>という歌詞があるのですが、モテとはこういうことだと思います。モテは一過性の夢のようなものだけれど、どうしても夢のようなものに憧れてしまうこともある。そこにあり続けるか、隅に落ち着くのかはその人次第なのだと思います。
10:岡村靖幸 “カルアミルク”
散々モテてきたし、今もモテているけれど、でもやっぱりどこか満たされないような気持ちを持っているという人も多いのではないでしょうか。結局のところモテ=幸せではないような気がしてしまう。真実のモテとは……。この曲は、心の中にある大切なものを一つ選ぶとしたら何かを考えさせられる。プライドは崩さずに、男性目線で愛を伝える歌詞、いいですよね。モテについてのエンドロールに流したい一曲として選びました。