She isでは、特集テーマをもとにGirlfriendsに選曲してもらったプレイリストをSpotifyで配信中です。3・4月の特集テーマ「夢の時間」では、シンガーソングライター・青羊さんが「夢」をテーマに選曲してくれました。小谷実由さんがPVに出演し、池野恋さんと寺本愛さんがジャケットを描き下ろした彼女のソロプロジェクトの楽曲“めたもるセブン”を聴いたことのあるShe is読者も多いかもしれません。
5月22日に新曲をリリースするということで、PVの撮影で台湾に行ってきたばかりだという青羊さん。旅の途中で見たことがない景色に触れると、まるで夢の中の世界にいるように感じることもあるはず。日常のなかの非日常を音楽で掬い出す彼女が、旅の最中で選んでくれた夢の10曲をどうぞ。
01:ブライアン・イーノ “by this river”
4月に台北でPVを撮影してきた。撮影最終日、夢ごこちで街を歩いていた時、PVの佐々木誠監督とブライアン・イーノの話になり、この曲をSpotifyで聴いた。だからきっと、この曲を聴く度に、少し暑い台北の昼間を思い出すことになるのだろうな。駐車場の屋上から眺めるマジックアワーの街並み、読めない漢字のメニューや看板、初めての食べ物、スクーターの縦列など、未知の景色がまだまだあることを知った台北の撮影だった。
02:EGO-WRAPPIN' “水中の光”
夢の中にいるのは、水中で漂っている感覚に似ていると思う。EGO-WRAPPIN'の中納良恵さんがピアノを弾きながら歌う動画(“水中の光”LIVE)を発見した時、夢中になって再生した。白い花かんむりの衣装も素敵。
EGO-WRAPPIN' “水中の光”LIVE
03:Spangle Call Lilli Line “dreamer”
いくつになっても夢は持ち続けられる、ということを周りの人が証明してくれることが最近続いた。もうできないなんて決め付けてしまうのはもったいない。この曲を歌っているSpangle Call Lilli Lineのことは昨年に知ったばかり。今年の『森、道、市場2019』に彼女らも出るし、私の“けもの”も出ることが決まっている。同じ場所で演奏できるという夢が、もう少しで叶う。
04:羊文学 “夏のよう”
<夢の香りと入道雲をうつす窓>と歌う。この曲を聴くと、グッと心をつねられた気分になるし、泣きそうになる。なんでなんだろう? 自分にもあったような、なかったような青の時代を思わせる。今も私は青の時代にいるのかもしれない。今年の夏は入道雲をずっと見ていたい。
05:bearstape “だきしめたら”
私の夢のひとつ。bearstapeと対バンすること。2コーラス目で<行方知らずのあなたを ここにいるのに探しているの>と歌う女性の声にキュンとなる。少し懐かしいサウンドが心地よくって何度も聴いてしまう。
06:The Association “Never My Love”
年末に『アンダー・ザ・シルバーレイク』という映画を渋谷アップリンクで観た。 この映画のテーマソングのような曲。なんだかとっても甘ったるい。ソフトロックな“Never My Love”に加えて、『E.T.』や『スター・ウォーズ』のようなシンフォニックな曲たちもすごく良くって、上映中はずっと音楽に高揚していた。
07:ものんくる “何度でも繰り返し夢見る”
<何度でも繰り返し同じ夢を見てたい>のフレーズにグッとくる。吉田沙良さんのボーカルに角田隆太さんのボーカルが重なっているところが一番切ない。スローなラブソングだけれど、他のラブソングと一緒にしてほしくない。この曲だけじゃなくて、ものんくるの最近の曲は、歌詞、サウンド共に光っている。
08:MISO “Take me”
韓国のアーティストMISOのデビュー曲。MISOは韓国語で「笑顔」の意味だそうで、お味噌ではない。PVの動画は偶然発見。ビルやネオンのような現実の景色に、実際には不可能な景色が混じっていて何度見ても飽きない。雲や水面が顔の形をしていたり、女性が空を飛んでいたりする。サウンドはスローなエレクトロダンスミュージック。曲と映像を一緒に見ることをお勧めします。
MISO “Take Me(Official Video)”
09:東郷清丸 “美しいできごと”
夢の中って美しくキラキラしている、と想像する。「南の島にたどり着いたら、島の人が『美しいできごと』を歌いながら歓迎してくれた」というお伽噺がありそうだなと妄想する。東郷清丸さんの声は温泉みたいに心地よいし、コーラスのふんわり感が夢のような気分にさせてくれる。
10:ルル・ゲンズブール “La Noyée”
セルジュ・ゲンズブールばかりを聴いていた頃に知った曲。ネットで検索してみると、“La Noyée”はジェーン・バーキンとの別離の時に作った曲だそうで<さよなら、二十歳の私と 溺れる あなたの四十の命>という歌詞がある。このバージョンはセルジュの息子、ルル・ゲンズブールが歌っている。数日前、台北から東京へ帰ってくる途中でこの曲を聴いたら、帰り道がまだ夢の続きのように感じられた。