無理に自分を変えるのではなく、不安定な自分のまま、女性が女性のまま、社会の中で自己実現ができる。
「She is特別賞」として、市川渚さん、長田杏奈さん、She is野村・竹中の4人が選出したのは、NOLUCさんによる「カスタムハーブティースタンド」。
「気分にあわせてブレンドしたお茶を楽しめるティースタンド」というアイデアは、一見すると目新しいものではないようにも思えますが、「これまではお茶によって自分で自分をメンテナンスしていたけど、ありのままで、女性が働きやすい、暮らしやすい街づくりをするためにティースタンドをつくりたい」という大きなビジョンを掲げた意思が新鮮でした。
「『場』をつくるという提案が個人的に嬉しかった」とケビンさんも語ります。チャレンジャー自身が普段仕事をともにしているモデルたちがよくハーブティーを飲んでいることや、働きながら心が弱ってしまった大切な友人へなにか働きかけたいという思いから、このハーブティースタンドを考えついたという、パーソナルな思いが詰まっているのも素敵です。
NOLUCさんは受賞をうけて以下のようなコメントを寄せてくれました。
女性の心と体に訪れる日々の変化は、社会のシステムの中では「エラー」でしかなく、「これだから女性は」と言われる要因になってきました。女性が自立し社会で活躍するためには、「男性化」し、フラットな自分を装う必要があるのか? そのことがずっと疑問でした。
この度は「She is 特別賞」にご選出いただき、とても嬉しく光栄に思っております。今回、アワードのテーマに際して、「女性たちが『毎日』大丈夫だと思える社会」になったらいいなと考え、本アイデアを企画しました。
無理に自分を変えるのではなく、不安定な自分のまま、女性が女性のまま、社会の中で自己実現ができる、そんな仕組み作りの一端を、このハーブティースタンドが担えることを目指しています。クラウドファンディングの成功と、その先の実店舗オープンに向けて、より一層精進して参ります。この度は誠にありがとうございました。(NOLUC)
ティースタンドにくわえて、たとえばカウンセリングや薬局のような要素をプラスして、お店の人と対話ができたり、気軽に癒やしを得られる場として機能するとより良いものに発展していきそうだという声が審査会でも多数あがりました。
審査員の市川渚さんと長田杏奈さんも、「カスタムハーブティースタンド」に込められた思いにとても共感したのだそう。
まずは周囲の方の実体験をもとにしたという、強いメッセージに心を打たれてしまいました。そして、そのメッセージをどう行動につなげるか、どうやって具体的にカタチにしていくか、という推進力も同時に感じさせられるアイデアでした。まだまだ気が早いですが、お店ができたら、個人的にも足を運びたい。ハーブティースタンドが女性をそっと励ます、心の拠り所になってくれますように。そんな期待の意味も込めて選ばせていただきました。
女性と健康を軸に考えられたさまざまなアイデアたちを見ていると、じつは日々のなにげない気づきのなかに、より生きやすくなるためのヒントが隠されているのかもしれないと、その視点のあり方を考えさせられます。(市川渚)
「日々変化する不安定な自分のまま、社会のなかで生きていける仕組み作り」というコンセプトが、時代のニーズにマッチしているし、うるっときてしまうほど共感できました。一時の忙しさならコーヒーキュッと飲んで乗り切れるけど、本当に忙しくて弱っている時にはカフェイン受け付けなくなってくるの、すごくわかるんです。
物の提案が多いなか、場の提案というのも目立っていて新鮮。審査会で「もっとこういう風にしたら素敵」「こんなのはどうだろう?」と話が盛り上がり、可能性と膨らみがあるアイデアであることがよく現れていました。プロダクトイメージや工程などの実務的な青写真にもリアリティがあって、本気度の強さが伺えました。実現するところを見てみたいし、行ってみたい。よい先例となって、アイデアの種を持つSheたちの励みになってほしいなと思います。応援します!(長田杏奈)
最後に、市川渚さんと長田杏奈さんが、このアワードを振り返り、選考の感想を寄せてくれました。
テーマが「体を整え、心が励まされる日々を」だったこともあり、全体を通して「過去の自分や、誰かの辛さや不調を和らげよう」とする思いやりの空気に包まれたアワード。ままならない心身をなだめすかしながら暮らすものとして、たくさんの希望をいただきました。よき世界のために知恵を絞る参加者の皆さんの姿やアイデアに触れるのは、とても頼もしかった。
普段はイメージやフィーリング多めの世界で生きているので、ビジネスに通じた『WonderFLY』の方々が「実現のためにどのくらい具体的に動いているのか」に重きを置いて見ている点が、とても勉強になりました。アイデアを思いついてあたためた先の、とりあえずできることから、小さな一歩でもとにかく動くこと。私もこれからは、その姿勢を大事にしてみます。(長田杏奈)
個人的に最終審査に残ったアイデアを拝見していて面白いなと思ったことが、「技術やプロダクトが先行しているもの」と「想いやコンセプトが先行しているもの」、この2つに綺麗に分かれていたことです。また、今回はテーマ的に女性の方がアイデアを描きやすい部分があったかと思いますが、男性チャレンジャーも多かったと伺い、皆さん、きっと唸りながら女性のことをいろいろと考えてくださっていたんだなと想像して、何だか嬉しくなってしまったわたしでした。ユニークなアイデアを寄せてくださった、皆さんありがとうございました。(市川渚)
今回芽吹いたアイデアたちのクラウドファンディングは4月16日からスタート。プライズウィナーに選ばれたのはどれも、日々をより心地よく過ごせるようにという願いのこもった優しく新鮮な目線から生まれたアイデアたち。もしもいずれかのアイデアに共鳴したならば、チャレンジャーたちがまさに叶えようとしている夢の社会の実現に、一役買ってみてはいかがでしょう。そういうふうにして、大丈夫だと思える日々を増やしていきましょう。
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