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2020年4月4日、6日、7日、8日、9日、10日(遠藤麻衣)/違う場所の同じ日の日記

連日、オンラインで人と話してばかりな気もする

テキスト:遠藤麻衣
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4月4日(土)

悠さんの展覧会のオープニングに行くために久しぶりに外に出た。外がとても明るくて、散っている桜の花びらが綺麗だった。目と体が喜んでる感じがする。その前で写真を撮って、せっかく撮ったし、インスタにあげたいなと思うんだけど、何度か投稿しようとして結局やめた。オープニングは、飲食なし、入場制限、除菌スプレーとマスクをつけておごそかだった。

4月6日(月)

先週オンラインでの確定申告に失敗したので、役所に行くことにした。地下鉄の駅に向かう地下道で、アイドルらしき人のチェキが1枚、壁に立てかけてあった。2020年3月7日って書いてある。もう1ヶ月も前のものだ。たぶん、気付きやすいように拾った人がそこに置いたんだと思う。もしかしたらすごく大事なものかもしれない。池袋駅を通ると、人がとても少なかった。役所は、人がたくさんいた。緊急事態宣言が発表されたら役所も閉まるのかな。消毒スプレーを使ったり、待合室では人と距離をとるように心がけたりしてると、過剰に気にしすぎな気がしてくる。このところ、外に出る用事があるときには、これは不要不急か? ということをいちいち気にしてしまう。やることの優先順位をつけるのが難しい。はやくみんなでカラオケに行きたい。人が少ないから街頭ディスプレーの広告がいつも以上に明瞭で、聞こえすぎてちょっと恥ずかしい。パチンコがドアを開けて営業している。帰り道の薬局で珍しく生理用ナプキンが特売されてた。
いよいよ明日には緊急事態宣言が出されるらしい。

4月7日(火)

緊急事態宣言が出されるとのことで、悩んだ結果矯正歯科の予約をリスケすることにした。バスで途中まで向かっていたんだけど、歯医者さんにとってもリスクがある気がしてきて、電話をした。よくよく考えると、当日でキャンセルする方が迷惑なのでは? と思ったけど、もう電話をしてしまったあとだし、とりあえず1ヶ月先延ばしにしよう。
今日はスーパームーン。夜19:30頃空を見上げて月を見た。4月のはピンクムーンという名前らしいけど、実際は全然白くてピンクじゃない。その後、関西にいるモチキくんとみほこちゃんとオンラインでミーティングをした。どんなカメラでミーティングしたら楽しいかという話になり、モチキくんがAmazonのテンガメンズルーペのリンクを貼ってくれた。レビューを見ていると、購入者の精子らしきものが生きて動いている映像がいくつも貼られていた。中には、ショックで立ち直れないというレビューもあり、その方に画像はなかった。黒い背景に、丸いレンズの形の映像が写っていて、その白い丸の中で小さなつぶつぶがたくさん動いている。スーパームーンだねと3人で話した。

4月8日(水)

火曜に買っておいた丸ペンとインクを使ってマンガのようなコマ絵を試し描きする。紙にガリと傷を付けながら描く。描き終わった紙を手で触ると、ひっかき傷ででこぼこしていて、銅版画の板みたいというか、硬質な手触りが面白い。一発で作品に仕上げるつもりで描き始めたけど、失敗。かなり意気消沈。一人仕事だし、あまりスケジュールを決めずに今後空き時間に描こうと路線変更する。韓国の古い時代のヘアスタイルや衣服が描きたくて、ネットで調べていたら、韓流の歴史系ドラマがいくつか出てきてだんだん調べ物の筋がそれてゆく。

4月9日(木)

百瀬さんと一緒に映像作品を作っていて、初めてオンラインで一緒に編集をした。しかも今日は百瀬さんの誕生日。パソコン越しにハッピーバースデーをお祝いした。百瀬さんの毛先がピンク色になってて素敵だった。ZOOMの画面共有を使って、百瀬さんのパソコンで起動しているPremiereを一緒に見ながら、いらない部分をカットしてゆく。私の方でもカーソルを動かして編集操作ができるので、百瀬さんのパソコンをハッキングしたウィルスに自分がなったような気持ちになる。憑依した幽霊ぽくもある。3時間ほどぶっ通しで編集作業をしたのでとても疲れた。

4月10日(金)

ウィーンに住んでいる美佳ちゃんとミーティング。連日、オンラインで人と話してばかりな気もする。今日は、3月までウィーンで企画していたグループ展の報告会を録画するためのミーティングだ。昨日の百瀬さんもそうだけど、美佳ちゃんも基本的に家に引きこもって仕事をしているので、ウィーンはもう3週間ほど外出禁止だけどいつもと生活が変わらない、と言っていて元気そうだった。大学の授業もオンラインで始まったそう。家だとどこまでメイクしようか悩むという話をした。昨日の百瀬さんともメイクの話をした。百瀬さんは家でオンライン仕事が増えると、あまりにもオンオフの切り替えがなさすぎるので、あえてメイクをするように心がけてると言っていた。
今日、飼ってるうずらが抱卵していたことに気がついた。先代のうずらは自分の卵に見向きもしなかったけど、今のうずらは、あごを使ってお腹に卵を引き寄せて、頑張って温めようとしている。飼いうずらの中にも野生味が残っている個体がいることを実感。かと思いきや、突然自分の卵のカラを割って食べもする。カルシウム不足なのか。プラセンタのような感じで栄養価が高いのかな。自分の卵のことどういう風に感じてるんだろう。先週訪問したアキコさん家の猫や亀のことをたまに思い出す。

「違う場所の同じ日の日記」
この日々においてひとりひとりが何を感じ、どんな行動を起こしたのかという個人史の記録。それはきっと、未来の誰かを助けることになります。
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PROFILE

遠藤麻衣
遠藤麻衣

俳優、美術家。1984年8月5日、兵庫県生まれ。「日本のフェミニスト」というイメージを用いた作品制作に近年取り組んでいる。自分の身体を用いて演じるメディアは演劇、レクチャーパフォーマンス、ミュージックビデオ、絵本など。自身の結婚をモチーフに、現実とフィクションを織り交ぜた結婚式作品「アイ・アム・ノット・フェミニスト!」(2017)では、婚姻契約という形式をとり、婚姻制度を遊びに転化することを試みた。現在、ウィーン美術アカデミーに留学中(~8.2018)。

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