4月6日(月)
昼過ぎから、She isのインタビュー撮影。
実はいま、She isのとあるプロジェクトでさまざまな女性へのインタビュー動画を撮影している。本来ならそれぞれの方に合った場所まで出向いて撮影をするはずだったのだけど、コロナウイルスの影響で全てを電話会議形式のリモート撮影に切り替えた。そもそも、この撮影では「演出されて切り取られたものではない、自分の言葉を発する人」を撮りたかったので、この状況下で安心して話せる空間という意味でも必然の流れだったような気がする。
それぞれの言葉で、まさに「今」感じている事をお話ししてもらう。コロナウイルスによる影響も、このタイミングだからもちろんある。個人的な思いが言葉になって、画面を通して伝わり、それを記録する。その繰り返しで見えてきたもの。それは、個々の思いが世界を作っていて、私たちは世界の一部なんだということ。
(ちょっとだけ、話がずれるのだけど)芝居は大きく分けて「アクション」と「リアクション」で作られる。アクションを起こしている人だけがスポットを浴び、カメラを向けられるわけではない。それに、どうリアクションするのかがストーリーを鮮やかにしていく。ふと、そんなことを思い出した。
今起こっていることに、どうリアクションしていくか。
それぞれの言葉を持った女性たちが「今」にリアクションし、次のアクションに繋いでいく……そんな未来を感じる撮影だった。
4月7日(火)
本日も、リモートインタビュー撮影。
ウイルスとの戦い、そして日本政府の対応のニュースなどで一人でいると鬱々としそうになるが、このインタビュー企画でそれぞれの言葉を聞いていると勇気付けられることが多い。「今の日本をどう感じ、どう生きていくか」という問いは平常時には少し大きくて漠然としたものに聞こえたかもしれないけれど、奇しくもこのタイミングで、会えない今だからこそ、皆が何を考えているのかを映像で残すことの意味を感じる。最終的に使える時間は短いので、She isの野村さん、竹中さんとも何か別の形でも残せないかなあ、という話になる。そのくらい皆さんに素敵なお話を聞けたので、出来上がったものを早くお見せしたい反面、編集する側の責任も大きく感じる。
皆さんのお話を聞きながら、変わりゆく世の中を見ながら、私なりに考えたこと。
私はこのコロナウイルスによって、まずは自分に出来ることを見極め、行動することの重要さを思い知らされた。どこか他人事だったり、恥ずかしいと思ったり、何かしらの理由でしてこなかった事柄がふと頭をよぎり、ちょっと反省。
そんな折、コロナウイルスによって大きな打撃を受けているミニシアターへの支援プロジェクト「#SaveTheCinema」が立ち上がり、監督仲間から声がかかった。日本は諸外国のような映画や音楽、演劇などの文化への補償がなく、放っておけば映画館は閉館してしまう。私はこの活動に賛同し、枝優花監督はじめ有志で集まった若手監督たちと一緒にHP制作のお手伝いをすることにした。
声をあげなければ無かったことにされてしまうなら、「今」あげなくては。
それは映画館だけの問題ではなく、日本の文化を守るためでもあり、この世界で生きている自分のためでもあった。大事なことなので、きちんと書き留めておくことにした。
「違う場所の同じ日の日記」
この日々においてひとりひとりが何を感じ、どんな行動を起こしたのかという個人史の記録。それはきっと、未来の誰かを助けることになります。
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