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2020年4月9日(小谷実由)/違う場所の同じ日の日記

この2020年の春は幻のように思うのかもしれない

テキスト:小谷実由
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4月9日

家の中で過ごすことに慣れてきた。しかし、楽が故に部屋着やパジャマでずっと過ごして、顔を洗うのも忘れちゃっていた、なんて日にも飽きてしまった。当たり前にやっていたことが当たり前にできなくなってしまった今は、新しい当たり前を作るしかない。そこで新設した当たり前は、朝食を食べ終わったらしっかり顔を洗い、髪を整え、着る服を決め、化粧をすることだ。家の中というのは服を選ぶということに関してとても融通が効くから最高だ。寒かったら着込めばいいし、気に入らなければ何度でも着替えればいい。その日本当に自分が着たいものを着ることが出来る。もちろん1日1着だけなんて決まり事もない。服が決まれば化粧をする。ゆっくりどの口紅にするかあれこれ試しながら決めて、アイラインだって何回失敗したって気が済むまで描き直せる。そして完全体になった私は気が済むまで本を読み、眠たくなったら昼寝をする。この先思い返したら、この2020年の春は幻のように思うのかもしれない。外は晴れ。

「違う場所の同じ日の日記」
この日々においてひとりひとりが何を感じ、どんな行動を起こしたのかという個人史の記録。それはきっと、未来の誰かを助けることになります。
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PROFILE

小谷実由
小谷実由

ファッション誌やカタログ・広告を中心に、モデル業や執筆業で活躍。一方で、様々な作家やクリエイターたちとの企画にも取り組む。昭和と純喫茶をこよなく愛する。愛称はおみゆ。

2020年4月9日(小谷実由)/違う場所の同じ日の日記

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