2020年4月7日(辛酸なめ子)/違う場所の同じ日の日記

デパ地下が再開した日には感謝をこめて、爆買いしたい

テキスト:辛酸なめ子
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4/7 デパ地下への思い

緊急事態宣言が発令される日の昼過ぎ、私は食材を買いにデパートに行きました。三越にしばらく行き納めだと思うと、胸に迫るものがあります。今日まで開店してくださったデパートの方々への感謝の思いとともに、明日からどうしようという不安が……。

というのは、私の肉体の60パーセントはデパ地下の食材でできている、といっても過言ではないからです。明日から、三越、伊勢丹、松屋、松坂屋、高島屋、銀座SIXなど、ほとんどのデパートが閉まってしまうことを知って、意識が遠のきかけました。心を落ち着けるため、しばらく椅子に座りました。当初はデパ地下は開いていると報じられましたが、結局全館クローズになるデパートがほとんどのようです。明日からいったい何を食べて行けば……。友人何人かにLINEで、餓死するかも、と送ったら、同じく六本木ヒルズと東京ミッドタウンのクローズに困っている女友達がいて、慰め合いました。

でも、毎日のように仕事の合間にデパ地下や商業施設をブラブラして、目に付いたおいしそうなものを買って、手土産のスイーツを物色して、プチ飽食を満喫しながら、ずっとこんな日々が続くわけはないと心のどこかで思っていました。買いたい放題の日はいつか終わりが来るのではないか、と……。そして思っていたより早くその時は訪れました。

初心に戻って、久しぶりに自炊でもするかと、とりあえず小松菜を買いました。デパ地下が再開した日には感謝をこめて、爆買いしたいです。

三越としばらくの別れを惜しみました。

「違う場所の同じ日の日記」
この日々においてひとりひとりが何を感じ、どんな行動を起こしたのかという個人史の記録。それはきっと、未来の誰かを助けることになります。
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PROFILE

辛酸なめ子
辛酸なめ子

漫画家・コラムニスト。東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)『おしゃ修行』(双葉社)『魂活道場』(学研)など。

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