4月10日
娘との新しい関係を築く、その一歩を踏み出す日。
双子が生まれる前も、後も、私はノンストップで仕事を続けていた。新生児の時には双子が眠った隙を見て、女優やモデルのインタビュー原稿や歌詞の対訳を書きながら、鏡を見るたびに自分のボロボロな姿にため息をつく。
自他共に認めるワーカホリックな性格は子供を産んでも変えられず、保育園に入るために慣れない会社に入って体重がガクンと落ちた。それでも立ち止まることを知らない私はただひたすらに、目の前の障害を越えていくために、息をつくことも忘れて走り続けた。もっと早く、もっと高く、ただ前を見てがむしゃらに邁進する。しかし通っていた保育園が休園となったことで、一気にスピードダウンし、双子と過ごす時間がぐんと増える。
私のことを24時間求め続ける甘えん坊な息子、その一方で娘はマイペースでつかみ所がなく、うまくコミュニケーションを取れずにやきもきしていた。私自身、複雑な家庭環境の中での救いは、お母さんの存在だったのもあり、自分の娘にも私からの愛を疑うことなく、素直に受け取ってほしい。もちろんこの状況で仕事がゼロになったわけではないので、時間のやりくりも大きな課題として自分に課せられてはいるが、双子と過ごすこの1ヶ月の目標として娘との新しい関係を築くことを決めた。
私が母を憧れの目で見つめていたように、娘のキラキラとした瞳に映る私の姿が愛に溢れたものでありますように。
「違う場所の同じ日の日記」
この日々においてひとりひとりが何を感じ、どんな行動を起こしたのかという個人史の記録。それはきっと、未来の誰かを助けることになります。
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