『オーシャンズ8』の女性たち。8人8様の個性とキャラをおさらい

『オーシャンズ8』の女性たち。8人8様の個性とキャラをおさらい

登場人物の気になる過去や、俳優同士の関係、多彩な顔

テキスト:後藤美波
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(メイン画像:『オーシャンズ8』 ©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC)

8人の女性たちが集結し、世界最大のファッションの祭典『メットガラ』に潜入。1億5000万ドルの宝石を盗み出す一大計画に打って出る──。2018年の夏に話題を呼んだ映画『オーシャンズ8』が、7月10日に日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で放送されます。

ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモンといった豪華なハリウッド俳優が集結した犯罪ドリームチームが、大胆不敵な強盗計画を遂行するスティーブン・ソダーバーグ監督の『オーシャンズ』シリーズ。そのリブート作品として、ソダーバーグがプロデュース、『ハンガー・ゲーム』のゲイリー・ロスが監督を務めた『オーシャンズ8』は、全員女性の「新生オーシャンズ」による犯行劇が描かれます。

メトロポリタン美術館や5番街にあるカルティエのブティック「カルティエ・マンション」、『VOGUE』編集部といったニューヨークに実在する場所が舞台となり、世界のトップデザイナーたちの協力で提供されたゴージャスな衣装が次々と映し出される眼福な世界観。そのなかで、個々の特技を生かして計画を実現させていく8人の女性たちの姿は本作最大の魅力でしょう。各人物同士の関係性や、会話の掛け合い、演じている俳優たちのキャラクターとの共通点や違いも見どころのひとつ。本稿では「新生オーシャンズ」の8人に光を当て、そのキャラクターや俳優たちのバックグラウンドとともに作品を紹介します。

サンドラ・ブロックとケイト・ブランシェット。司令塔と右腕が結ぶ信頼関係

今回の盗みのターゲットは、人気女優が『メットガラ』の舞台で身につけるカルティエのネックレス。この計画を考案した張本人であり、チームを率いる司令塔となるのは、ジョージ・クルーニーが過去のシリーズで演じたダニー・オーシャンの妹であるデビー・オーシャン。映画は彼女が5年を超える刑期を終えて仮出所するところから始まります。

デビーは服役中にシミュレーションを繰り返し、穴のない完璧な強盗計画を練り上げます。出所した彼女が高級デパートや高級ホテルの職員を騙して、次々と欲しいものを手に入れてみせる詐欺の腕は見事。『メットガラ』のシーンでは流暢なドイツ語でカメオ出演のハイディ・クルムと会話する場面もありました。頭脳明晰で冷静沈着ながら、のちに自分を嵌めた男への復讐心を抱えていたこともわかります。

ともに計画を実行する7人の女性たちをまとめあげるこの役を演じたのは、サンドラ・ブロック。コミカルなクライムアクションというところでは、メリッサ・マッカーシーとバディを組んだポール・フェイグ監督の『デンジャラス・バディ』が思い出されますが、同作では『オーシャンズ8』のクールな詐欺師とは対照的に、生真面目なFBI捜査官を演じていました。

デビーが出所後にまず声をかけるのが、ケイト・ブランシェット演じるルー・ミラーです。ルーはデビーのかつての仲間で、色々と悪さをしてきた間柄のようですが、現在は水で薄めた偽酒の販売で日銭を稼ぐ毎日。デビーの大胆すぎる計画に呆れながらも再び彼女と組むことを決め、他のメンバーたちをスカウトしていきます。

本作では、各キャラクターの過去やパーソナルな部分はあまり掘り下げられてはいないものの、デビーとルーについては回想シーンも盛り込まれ、2人の会話の端々に、長い年月で育まれた特別な繋がりを感じます。シンプルでダークな色の装いが多いデビーと、スカジャンやジャンプスーツなどロックテイストのあるスタイルのルー。ファッションの違いにも2人の個性が現れています。デビーとルーの深い信頼関係がどのように築かれたのか多くは語られていない分、想像が掻き立てられ、この2人の組み合わせをもっと観たいというファンもたくさん生み出しました。

『キャロル』につづく、ケイト・ブランシェット&サラ・ポールソンの嬉しい共演

ケイト・ブランシェットとの組み合わせで注目したいもう1人の俳優が、盗品ディーラーのタミー役を演じたサラ・ポールソンです。

盗品売買のエキスパートであるタミーは、かつてブラックマーケットで商売をしていましたが、現在は郊外の一軒家で二児の母としてまっとうに暮らし、完全にではないものの、裏稼業からはほとんど足を洗っています。彼女は昔の仲間であるデビーの誘いで計画に加わり、盗んだ宝石を現金化する役割を担います。『VOGUE』誌の編集部に潜り込み、『メットガラ』のスタッフの座を得るなど高いコミュニケーション能力も武器の頼りになる存在です。

『オーシャンズ8』の8人は撮影時にグループチャットでやりとりしていたほど仲が良かったようですが、その様子は映画のプロモーション時にも窺うことができました。時にはポールソンとケイト・ブランシェットの掛け合いが暴走し、インタビュイーが涙を流して笑い転げる一幕や、2人が脱線するあまり、サンドラ・ブロックが軌道修正しようとする場面も。

ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』などへの出演で高い評価を得たサラ・ポールソンは、映画『キャロル』でブランシェットと共演。主人公キャロルが信頼する幼なじみを演じました。また1970年代に反フェミニズム運動を率いた実在の保守活動家フィリス・シュラフリーを主題にした、今春放送のブランシェットの主演ドラマ『Mrs. America』にも出演しています。今年5月には同作のプロモーションとして2人でInstagram Liveを行ない、『キャロル』撮影時を振り返るなど、ファンを喜ばせました。

プロフェッショナルな実行犯を演じたミンディ・カリング、オークワフィナの持つ多彩な顔

デビーが自身の計画に誘う昔なじみはルーとタミーだけではありません。寸分の狂いも見逃さない天才ジュエリー職人のアミータも、かつてデビーと不法なビジネスを行った仲。結婚しろと口うるさい母親のプレッシャーに不満を抱いているアミータは、天性の手先の器用さを武器に計画に加わります。

演じるミンディ・カリングは、俳優、脚本家、プロデューサー、監督などさまざまなフィールドで活躍しているクリエイター。オフブロードウェイの舞台やアメリカ版『ザ・オフィス』などの出演で注目を集め、2012年からは自身が主演・製作総指揮を務めたコメディシリーズ『The Mindy Project』が放送。昨年にはエマ・トンプソンと共演し、自身が脚本、プロデュースも務めた映画『レイトナイト 私の素敵なボス』が公開されるなど、コメディエンヌとしても、コメディライターとしても多方面で才能を発揮しています。またカリングが手掛けたNetflixドラマ『私の“初めて”日記』は自身と同じインド系アメリカ人の少女を主人公に据えたコメディティーンドラマ。今年4月に配信が始まったばかりですが、すでにシーズン2の製作が決定しています。

一級品の腕を持つスリ師・コンスタンスを演じたオークワフィナもさまざまなフィールドで活動する人物です。コンスタンスは、都会の雑踏でスリを働いて生活しているキャラクターで、ニューヨーク・クイーンズの路上でデビーとルーにスカウトされ、宝石強盗の実行犯として重要な役割を担います。デビーにメトロカードの料金をせびったり、アミータに出会い系アプリの使い方を教えたり、コンスタンスと他のメンバーとの掛け合いは笑えるシーンばかりです。

オークワフィナはもともとラッパーとしてインターネットの動画などで注目を集めたアーティストで、『オーシャンズ8』の脚本家オリビア・ミルチの映画監督デビュー作『エンド・オブ・ハイスクール』にも出演しています。コンスタンスがデビーとルーと出会う場所は、実際にオークワフィナが育った町の近くで、彼女はこの役に特別な愛着を抱いていたそう。本作公開の数か月後に封切られた『クレイジー・リッチ!』で主人公の友人を演じた彼女は、この2作によって一気にスターの仲間入りを果たすことになりました。昨年に全米で公開された主演映画『フェアウェル』でも高い評価を獲得し、『第77回ゴールデングローブ賞』コメディ/ミュージカル部門の主演女優賞に輝いています。これはアジア系アメリカ人女優初の快挙でした。

スーパースター、リアーナがクールな天才ハッカーに

コンスタンスと同じくルーがスカウトしてくるのが、一匹狼のナインボール。世界最難関級であるメトロポリタン美術館の厳重なセキュリティシステムを破ってみせる天才ハッカーです。この役を演じたのは、言わずと知れた世界的スーパースター、リアーナ。ナインボールは、リアーナと同じくバルバドス出身という設定になっているそうです。

天才ハッカーのリアーナがケイト・ブランシェットにスカウトされてやってくる、という展開だけで『オーシャンズ8』を見る理由として十分と言いたくなるような豪華さですが、タミー役のサラ・ポールソンは、「リアーナがセットにいるだけで、パパラッチの視線が彼女に集中する」と過去のインタビューで明かしていました。またリアーナと『メットガラ』といえば、法王ルックや「オムレツドレス」などそのファッションで話題をさらうだけでなく、2018年にはホストも務めています。そのリアーナが、超優秀なハッカーとして『メットガラ』の舞台裏で淡々と計画を遂行していく姿はとにかくクール。窮地を救う妹のキャラクターも気になる存在です。

落ち目のデザイナーと人気女優。ヘレナ・ボナム=カーターとアン・ハサウェイの共演

デビーとルーに最初にスカウトされてチームに加わるのが、アイルランドなまりのファッションデザイナー、ローズ・ワイル。『メットガラ』の会場で人気女優ダフネの首からネックレスを奪うには、彼女にネックレスをつけさせることのできる人間が必要です。そこで、デビーとルーは、借金を抱える落ち目のデザイナー、ローズに目をつけるのです。

ローズはかつて一世を風靡したものの、現在キャリアは崖っぷち。ショーもうまくいかず自身喪失に陥っていたところで2人に声をかけられます。演じるのは、映画『ハリー・ポッター』シリーズや『英国王のスピーチ』などの出演で知られるヘレナ・ボナム=カーター。私生活のパートナーでもあったティム・バートン監督作をはじめ個性的な役柄も見事にこなす彼女は、本作で熟練のデザイナーであり、神経質で不安定な面もあるローズのつかみどころのない変わり者のキャラクターを魅力的な人物に仕上げました。劇中でローズがデザインしたダフネのドレスは、実際はヴァレンティノがデザインしたもの。ヘレナ・ボナム=カーターは本作の出演に際して役柄に説得力を持たせるため、裁縫や衣装を人に正しく着せる方法などを学んだそう。

そしてオーシャンズの最後のひとり、人気女優ダフネを演じたのはアン・ハサウェイです。ダフネは注目を集めるのが好きで、話ぶりや動作が大げさなキャラクター。頭角を現す後輩女優に嫉妬したり、ダニーやルーの策略に乗せられたりと、わがままで少し「おバカ」なセレブのイメージそのままの人物かと思いきや、実はそれだけではない「意外と頭が良い人なのかも」と思わせる展開が待っています。

出演オファー時、監督に「君にはディーバ役を用意した」と言われたというアン・ハサウェイは、誰もが知ってるセレブながら、強盗計画に巻き込まれそうな抜けたところがあるダフネを、自分へのパブリックイメージをパロディしたかのようなコミカルな演技で体現しました。女優とファッションデザイナーという役でタッグを組んだアン・ハサウェイとヘレナ・ボナム=カーターは、過去に『アリス・イン・ワンダーランド』『レ・ミゼラブル』でも共演しました。

映画の前半で、「何のために宝石を奪うのか?」と聞くルーに、デビーが「得意だから」と答えるシーンがあります。ばらばらの背景を持つ8人の女性が、それぞれの得意なことを活かしてプロフェッショナルに仕事を遂行していく──『オーシャンズ8』はそんな様子を見ているだけで胸がスカッとする痛快なエンタメ作であるとともに、こんなにかっこよくて、解放された自由な女性たちが活躍する物語を自分は求めていたのだと気付かされるような作品でもありました。エンディングでは計画を遂行したあと、分け前を手にした8人がそれぞれの道を進む様子が映し出されますが、デビーとルーの過去やダニーの死など、気にある点も残されており、過去の三部作のように続いていくことを期待せずにいられません。

INFORMATION

作品情報
『オーシャンズ8』

2020年7月10日(金)21:00~22:54に日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で放送
監督・脚本:ゲイリー・ロス
出演:
サンドラ・ブロック
ケイト・ブランシェット
アン・ハサウェイ
ミンディ・カリング
サラ・ポールソン
オークワフィナ
リアーナ
ヘレナ・ボナム=カーター
ジェームズ・コーデン
リチャード・アーミティッジ
https://kinro.ntv.co.jp/lineup/20200710

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