(メイン画像:Joe Seer / Shutterstock.com)
パンデミック下、マスクをつけた『プラダを着た悪魔』のアンディがSNSに
今年6月、アン・ハサウェイは1800万人を超える自身のInstagramフォロワーに向けてマスクをつけることの重要性を訴えました。写真に写っているのは『プラダを着た悪魔』でハサウェイが演じたアンディがマスクをつけている姿。Twitterで出回っていたコラージュを引用して投稿したのです。
『プラダを着た悪魔』の劇中、突如ファッショナブルに変身を遂げたアンディの姿に驚いた先輩アシスタントのエミリーが「それってシ……(Are you wearing the C—)」と言いかけ、アンディが「シャネルのブーツ? そうよ」と自信満々に答えるワンシーンがあります。この投稿ではそのシーンになぞらえて、「Are you wearing the C—」「The CDC recommended face covering because we're still in the middle of the global COVID-19 pandemic? Yeah, I am.(私たちはまだ世界的パンデミックの最中にいるから米国疾病予防管理センター・CDCが推奨するフェイスマスクをつけているのかって? そうよ)」というキャプションが添えられています。ハサウェイ自らがこの投稿を拡散したことは、映画のファンたちを喜ばせました。
ファッション誌の編集部が舞台。鬼編集長に振り回される新人アシスタントのサクセスストーリー
2006年に公開された『プラダを着た悪魔』は、公開から10年以上経ったいまもアン・ハサウェイの代表作のひとつとして記憶され、こうして現在もたびたびミームとして拡散されたり、オマージュを捧げられるなど長く人々に愛されている作品です。10月16日には日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」の視聴者リクエスト企画第3弾として地上波放送されますが、女性から最もリクエストが寄せられたのがこの作品だったそう。
『プラダを着た悪魔』は、「何百万人の女子が憧れる」世界的な女性ファッション誌『ランウェイ』の編集部を舞台に、新人アシスタントとして入社したアンディの成長を描く作品。ジャーナリスト志望でファッションには疎いアンディが、「悪魔」のような伝説的編集長ミランダ(メリル・ストリープ)の無理難題に振り回され、恋人や友達との時間もとれずに心が折れそうになりながらも、次第にファッションの世界に惹きこまれ、仕事をこなしていくコミカルなサクセスストーリーです。
原作は『VOGUE』編集部でアシスタントを務めていた経歴を持つローレン・ワイズバーガーの同名小説。100万ドル以上とも言われる豪華絢爛なハイファッションブランドの洋服を使った衣装や、メリル・ストリープの鬼編集長っぷり、「なぜ私のコーヒーがないの? 彼女死んだの?」「先約があるの? 『ダサいスカート大会』に出席?」「以上!(That's all)」といった容赦ないセリフも人気の理由のひとつ。ミランダに気に入られようと必死なのに、どこかうまくいかない先輩アシスタント・エミリーを演じたイギリス出身のエミリー・ブラントは本作でハリウッドに進出し、大きな注目を集めました。また『セックス・アンド・ザ・シティ』の衣装で知られるパトリシア・フィールドは本作で『アカデミー賞』衣装デザイン賞にノミネートされています。
映画『プラダを着た悪魔』予告編
アン・ハサウェイにとって本作は、それまでのキャリアで最高の商業的成功を収めた作品でした。その後、ジョナサン・デミ監督の『レイチェルの結婚』(2008年)では元薬物中毒者の女性を演じ、『アカデミー賞』主演女優賞にノミネート。クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト ライジング』(2012年)ではキャットウーマン役で注目を浴び、トム・フーパー監督『レ・ミゼラブル』(2012年)で『アカデミー賞』主演女優賞を受賞しました。
その後も多数の話題作に出演し、名実ともにハリウッドを代表する俳優の一人となっている彼女ですが、ここまで順風満帆のキャリアだったわけではありません。常に大衆の好奇の目にさらされるセレブリティにとって、アンチの存在やメディアからのバッシングは避けようとしても避けられないものかもしれませんが、彼女は一時期「嫌われ者」のイメージがつきまとい、メディアからも悪評を受けていました。それは『レ・ミゼラブル』で『アカデミー賞』を受賞した2013年のアワードシーズンにヒートアップし、壇上での振る舞いなどを理由に「わざとらしい」「嘘っぽい」などといった非難の言葉を浴びました。
『レ・ミゼラブル』ファンティーヌ役で『アカデミー賞』を受賞
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