帰り道、「いつか何か一緒にやろう!」と同じ夢の約束をして、振り返らずに私たちは別れた。
次の日の夜、彼女からメールが送られてきた。
マイちゃん
昨日はありがとう!
「撮っとけば良かった、待ってるとこ!」って何回もマイちゃんは言っていたけど、私の方へ走ってくるマイちゃんを撮っておけば良かったわほんまにって、私もホットケーキ切ったり、マイちゃんの赤い毛先を見ながら、3回くらいは思ったよ。
で、昨日話した本の名前とか適当に言ってしまったので一応覚えているもの確認してみました……!
・『よう知らんけど日記』(柴崎友香)
家帰って本棚から取ったら、表紙に『AKIRA』のバイクに乗った柴崎さんのイラストが描いてあって驚いたよ。マイちゃんの急な「最近、渋谷の街に行ったら、建物一面に映像流れ始めていてAKIRAの世界にいるのかと思った」の例えに惚れた新宿だった。最近のは日々のこともここから読める!
柴崎友香 よう知らんけど日記 | Lmaga.jp
・『ローマ字日記』(石川啄木)
これはその好きな年上の先輩に教えてもらったんだけど、話すの2回目くらいで薦められて見てみたら内容そんな感じだからさらにその人のこと好きになったんだった! 「好きな人いる?」ってすぐ聞いてくる人がすごい好きなんだけど、マイちゃんすぐ聞いてきたから理想のガールフレンドかよと思ったよ。
・『幸福はただ私の部屋の中だけに』(森茉莉)
森茉莉の話ちょびっとだけしたけど、最近読み直してやっぱり森茉莉はわたくし達のアイドルだよと思った。から今日も「もりまり」って発音出来て嬉しかったよ。
・『大きな鳥にさらわれないよう』(川上弘美)
最近文庫になったらしい! よく思い出したらがっつりSFなんだけども、マイちゃんと首里城のこと話していて、どうやって過去や今や未来のくらさの中に光を見つけるか(自分の手で)みたいな、曖昧だけど切実なこと考えるために必要なことを物語から拾うことも必要だなって思えたよ。
ディストピア系だと
・『侍女の物語』(マーガレット・アトウッド)
がおすすめだよ。MGMが製作しているドラマ(Huluで見られる)のエリザベス・モスの「怒りの顔」を仮面にして心に常に置いとくと強く生きられる。
・『裸一貫! つづ井さん』(つづ井)
どんなにしんどいことあった夜も、
すべて解決してしまう本。
あと家帰ってから思い出した、10月に初めて読んだり読み返してマイちゃんにも押し付けられる良かった本……
・『ぼそぼそ声のフェミニズム』(栗田隆子)
生きられる。
・『最初の悪い男』(ミランダ・ジュライ)
手が止まらない。
・『わが人生の幽霊たち うつ病、憑依論、失われた未来』(マーク・フィッシャー)
こっちが達観してくる。
・『ほとんど記憶のない女』(リディア・デイビィス)
最近で一番の短編集。ショートショートショートもある。
・『ギリシャ語の時間』(ハン・ガン)
絶対正しい表現ではないんだけれど、本当エロい。
映画とかアイドルとか、服どこで買ってんのとかもっと聞きたかったし話したかった~って帰ってからめっちゃ思ったんだけど、それってきっとマイちゃんの雰囲気がちょう心地よかったからと思う!
初めましてのはずなのに、ずっと懐かしいのがおもしろかった! モノを作るのもいつかやろう……
選んでくれてありがとう! たのしみにしてる!
長くなってしまった! 返信気にしないで!
また!
むぎしま
Girlfrendたちの希望を秘めた連載「ハロー・ナイストゥミーチュー・ガールフレンド」は第2回へ続く……
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