She isの更新は停止しました。新たにリニューアルしたメディア「CINRA」をよろしくお願いいたします。 ※この画面を閉じることで、過去コンテンツは引き続きご覧いただけます。
『HEAPS』×『HIGH(er)magazine』×『Sister Magazine』座談会

『HEAPS』×『HIGH(er)magazine』×『Sister Magazine』座談会

ミレニアル世代が作るメディアって?女性編集長座談会

2017年9・10月 特集:未来からきた女性
インタビュー・編集:野村由芽 テキスト(本文):羽佐田瑶子 撮影:馬込将充
  • SHARE

相手と違うことを受け入れて一緒に生きることって、難しいけどおもしろい。(haru.)

─「性別の前に個として選択する」という話がありましたが、『HEAPS Magazine』で世界中の人々の生き方を取材しているさこさんが、印象に残った方はいますか?

さこ:ポルノ動画の監督のエリカ・ラストさんを取材して記事にしたときに、すっごく感動しました。いま、世界的に女性がセックス産業に参入する事例が多いんです。理由はポルノ業界のセックス観が昔から変わっていないからなのですが、エリカも自身も、金髪の巨乳美女が男性と無理やりセックスしているポルノを見たときに、これじゃいけないと思ったらしくて。

いまの時代、子どももネットで簡単にAVを見られてしまうでしょう。女性は子どものことをすごく考えている人が多くて、エリカも、誰がつくっているかわからない、出演者もいやがっている粗悪品で子どもがセックスを学んでいくのは耐えられないと思ったそうなんです。なので、彼女はスタッフ含め全員のクレジットを入れて、出演している男優・女優が許可したシーンだけでつくったポルノ作品を発表して、その良質なポルノはとても人気になったんです。しかも、エリカの作品って消費者の6割が男性なんですよ。

全員:へえー!

haru.:それは素敵ですね。

さこ:女性がつくっているポルノ=女性のためのもの、というだけではないんですよね。社会が変わるためには男女の境界をなくして、いままでのポルノに疑問を持っている人たちへ届けることがミッションだとエリカも言っていました。ニューヨークにも、起業をする女性が多くてパワーをとってももらいます。

つかさ:私は、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』という、女性刑務所を舞台にしたアメリカのドラマが好きなんですけど、女性の囚人たちが全員個性豊かで、見ていると自分のなかの凝り固まった価値観の存在に気付けたり、自分がやりたいと思ったことはなんでもやっていいんだと思えたりします。「私はこれがしたいけど、これをやって誰が得するんだろう」みたいに自分で自分にブレーキをかけることはしなくていいんだと。

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』はNetflixで放映中

─「誰かのため」という考え方はとても尊いけれど、まずは自分を大切にできていないと、周りの人を大切にする思いやりを持つことも難しくなってきますもんね。

haru.:大きな運動よりも友達同士の会話とか、マガジンを通して読者とコミュニケーションをすることが大事なのだろうなと思います。そういう小さいコミュニティから、ちょっとずつ変えていくほうがリアルだから。

ほのか:でも、似た人同士が集まって、自己満足には終わらせたくないよね。似た感覚の者同士が集まって安全な会話ばかりしているのはよくないと思うことがあります。反対派の人、意見が合わない人とも対話できる姿勢でいたいです。

haru.:そうですね。自分の軸さえぶれなければ、反対派の人とも話して大丈夫だと思います。お互いの考えの理由や過去の経験をシェアするけど、否定はしない。お互い理解し合えない部分はあるけれど、相手と違うことを受け入れて一緒に生きることって、難しいけどおもしろいと思うんです。だから対話が大事、だよね。

さこ:日本とアメリカには、議論の仕方に違いがあって、日本は意見が食い違うと、このテーマについては意見が合わないな、じゃなくて「この人とは合わないな」まで飛躍してしまいますよね。だから議論もしづらいという状況があって、それはよくないなあと。意見というのは、その人の一部であって、すべてじゃない。それに、変化するものでもある。だからお互いに最初から否定せずに、積極的に時間をかけて話すことが大事だと私も思います。

─最後に、みなさんが運営するそれぞれのメディアで、これからやっていきたいことを教えてもらえますか?

haru.:『HIGH(er)magazine』はライフワークなので、とにかくずっと続けたいです。雑誌を通して、ひとりひとりがいまいる環境から、じわじわと生きやすい状況をみんなで模索したい。小さなことから少しずつ変えていって、「いまとは違って、2017年はこういうことが問題だったんだね」と後世に残るような雑誌にしたいですね。

ほのか:『Sister Magazine』は、個人が集まって、自分たちのやりたいことをやれる場所にしたいです。

つかさ:以前Scarlet & Juneで作家の柚木麻子さんにインタビューをさせていただいたのがとても印象に残っているのですが、そうして取材をするのも、本当に自分たちの載せたいものだけを載せようということにしています。自分たちで文章を書くことに対しては、難しいことかもしれないけど、正直に書くということを大切にしたいと思っています。

さこ:インターネットで『HEAPS』を訪問すれば、働き方、カルチャー、音楽さまざまな良質なアイデアをもらえるプラットフォームにしておきたいですね。正直、独自取材して、歴史も調べて、コスパはすっごく悪いんです(笑)。でも、ネット世代の若者が何かを得たくて検索したときに、質の高い情報を提供できるようにしておきたいです。ウェブマガジンは紙よりも地位が下、みたいな認識を変えられるように、質が高くてちゃんと影響力があるものをつくる。それがこれからの時代に大切なことだと思います。

PROFILE

SAKO.h

ニューヨーク在住、HEAPS Magazineの編集長。世界各地の若者が起こすアクションとムーブメントを独自取材しながらカウンターカルチャーシーンを日々、日本のみなさんにむけて配信中。

失恋して(あるいはその予兆を察して)真夜中におにぎりを買いに走るのは19歳くらいから変わらず、ただニューヨークではそれがピザになりました。

『HEAPS Magazine』instagram

haru.

同世代のメンバー5人を中心に制作されるインディペンデントマガジン『HIGH(er)magazine』の編集長を務める。『HIGH(er)magazine』は「私たち若者の日常の延長線上にある個人レベルの問題」に焦点を当て、「同世代の人と一緒に考える場を作ること」をコンセプトに毎回のテーマを設定している。そのテーマに個人個人がファッション、アート、写真、映画、音楽などの様々な角度から切り込む。また、雑誌に付随するトートバッグや缶バッジなどの制作も行っている。

Scarlet&June

女の子たちによるインディペンデントウェブマガジン「Sister Magazine」創立者のつかさとほのかです。「Scarlet & June」では私たちのより個人的な活動場所として文章やイラストなどを掲載しています。フェミニズムやシスターフッドなどをテーマに朗読イベントの実施やzineの制作も行っています。

INFORMATION

メディア情報
メディア情報
『HEAPS MAGAZINE』

「時代と社会の、決まり文句にとらわれない」
ニューヨークに拠点を置く、カウンターカルチャー専門のデジタルマガジン。世界各都市の個人・コミュニティが起こすユニークな取り組みやムーブメントをいち早く嗅ぎつけ、深堀したストーリーを配信中。世界の若きマイノリティたちの生き様を届けます。

HEAPS MAGAZINE
instagram

『HIGH(er)magazine』

学生や若いクリエイターによるインディペンデントマガジン。ファッションや写真、カルチャーなどを自分たちの目線から発信。

instagram

『Sister Magazine』

2016年3月にオープンしたウェブマガジン。「女の子たちが姉妹のように語り合える場所を」をコンセプトに、インターネットを使って多種多様な女性たちが集い、様々な意見を交換できる場所を作ろうと活動を続ける。一時的な休止を経て、2017年クラウドファンディングが成功し、再開が決定。

Sister Magazine

『HEAPS』×『HIGH(er)magazine』×『Sister Magazine』座談会

SHARE!

『HEAPS』×『HIGH(er)magazine』×『Sister Magazine』座談会

She isの最新情報は
TwitterやFacebookをフォローして
チェック!

RECOMMENDED

LATEST

MORE

LIMITED ARTICLES

She isのMembersだけが読むことができる限定記事。ログイン後にお読みいただけます。

MEMBERSとは?