ポルノ作品のマネではなく、「私」と「あなた」のセックスをしよう

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普段のセックスを集める起業家、シンディ・ギャロップ

2018年4月 特集:ほのあかるいエロ
インタビュー・編集:野村由芽 構成:片貝久美子 撮影:西田香織 通訳:谷元浩之
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ハラスメントは、個人が掲げる夢や目標、生きていくうえでの誇り、そういうすべての大切なものを壊すもの。

―それで言うと最近の「#MeToo」という動きも、自分が嫌なことははっきりと嫌だと言うこと、平等であることを獲得しようとする大きなムーブメントですよね。

シンディ:「#MeToo」はとても重要なトピックですね。セクシャルハラスメントは、全世界で見てもビジネス、日常生活問わずに男女間における一番大きな問題だと思います。ダイバーシティを掲げている会社であっても、どこかしらでハラスメントは起きている。

才能ある男性が活躍しているのと同じように、女性にも才能があり、活躍できる人たちはたくさんいます。ハラスメントは、個人が掲げる夢や目標、生きていくうえでの誇り、そういうすべての大切なものを壊すもの。少し考えれば、それが企業や社会にとって大きな損失だということがわかると思います。

―これは男女に限らない話だとも思いますが、異なる身体や考えを持つ人とのギャップを埋めるにはどうしたらいいのでしょうか?

シンディ:ふたつの事例をお話ししますね。以前Twitterで女性がオーガズムに達するまでといった内容をつぶやいたときに、いろんな男性から「ごめん、シンディ。僕はそんなに長く持ちこたえられないかもしれない」と返信がありました。それを見て、そもそも男性が考える女性のオーガズムに勘違いがあるなって。

男性は長くペニスを挿入することが女性のオーガズムに繋がっていると思っている人が多いけど、私が言いたいのは、女性がオーガズムに達するのに必ずしもペニスは必要ないってこと。舌でも手でも指でも、女性がオーガズムに達する方法はいろいろあるので、まずはそういう先入観、勘違いをとりのぞいて、お互いが快楽を得るための認識をすりあわせていけるといいなと思います。

―「お互いが」快楽を得るために工夫する。

シンディ:もうひとつの事例としては、男性のペニスのような突起物を女性がつけて男性にアナルセックスをする「ペギング」という方法があるんですよ。突飛な話に聞こえるかもしれませんが、ニューヨークにおける性教育の第一人者の教授が、それをもっと社会的に浸透させたら男性は変わるかもしれないと言っているほどで。

なぜなら、男性はそもそも「入れる」ことしか知らないから、「入れられる」ことを体験するんですよね。それによって普段女性が体験していることの疑似体験ができるのに加え、女性が性的に求める心理的な部分を学べるかもしれないっていう。実はMLNPでもここ数年、異性愛者のカップル同士がペギングを体験している動画がすごくたくさんアップロードされているんですよ。

個人がしたいようにすること、自立して何かを始めようとすること。

―へえ! 今のお話もそうですが、そもそも性的嗜好というのはみんな違っていて当たり前なのに、なんとなくひとつの正解を求めているようなところもあるように思います。でも本当は、ひとりひとり身体も違えば性格も違うから、正解があるとしたら、それはそのときの自分と相手の間にしか存在しない。

シンディ:そうですね。多かれ少なかれ誰もが裸になった瞬間、弱気になってしまうと思うんですけど、決して答えは一つじゃないし、正解なんてありません。セックスをしたあとに「あなたがいてよかった」とお互いが心から思える体験ができれば幸せだけれども、なかなかそうなれないときや、オーガズムを感じられないことだってあります。

―いくら相手を好きだとしても、気分や体調の変化や、慣れもありますしね……。

シンディ:そういうときにオススメなのが、バイブレーターを導入することです。もしかしたら、女性がいきなりバイブレーターを持って現れたら、男性はビックリするか、ドン引きするかもしれません(笑)。でも、そこをなんとか乗り越えて一度、自分が彼の前でバイブレーターを使い、オーガズムに達したところを見せると、男性は一気に変わるはず。実はこれ、私の体験談でもあるんです。私が自分のオーガズムを積極的に相手に見せることで彼も積極的になり、いろんな実験を始めるようになりました。

―たしかに、相手が喜んでいて嫌な気持ちになる人は少ないのかもしれません。

シンディ:だから、まずは性の話をタブーにしないで、親密な人、大切な人たちの間に、会話の場所をもうけること。パートナーはもちろん、気心の知れた女性同士の集まりでもいいと思います。

女性同士が語れる場所をつくることって、本当にすごく大切なんです。私は日本には友人も多いですし、日本の女性たちが大好きですが、つつましいことや受け身であることが社会からなんとなく強要されている文化なのであれば、そこから脱却して、個人がしたいようにすること、自立して何かを始めようとすることが大事だと思います。日常でもやもやすること、課題に思っていることを語り合い、ポジティブに変えていこうとする力は、私たちを気持ちよくて、生きやすい方向へ導いてくれると思いますよ。

PROFILE

シンディ・ギャロップ

Make Love Not Pornの創設者・CEO。1998年に広告代理店Bartle Bogle Hegarty New Yorkを立ち上げ、2003年にAdvertising Woman of the Yearに選出。TEDでは2009年にゲストスピーカーとして登壇し、「Pro-sex. Pro-porn. Pro-knowing the difference」という講義を披露、2013年にはソーシャルセックスプラットフォームを立ち上げる。Twitterの「広告業界でフォローすべき人物30名」の1位になるなど注目を集めている。
https://makelovenotporn.tv/

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