誰かと出会ったら必ず別れる。だからこそ大事な人がいたら、仲良くできるといいよねって。(タナダ)
ーほんとうにそうですね……。今回ひとつのテーマになっていた「結婚」でいうと、結婚するとなると、これから始まっていく未来を想像する人が多いように感じるなかで、『ロマンスドール』では終わりを感じさせるカップルを描いていました。
タナダ:まず人生でなにが起こっても、残された側って生きていかなきゃいけなくて、そのためには生きてる間になにができるんだろう? あるいはなにかできなくても、それでも生きていかなきゃいけないってなったときに、どうやって生きればいいんだろう? みたいなことをつくりながら考えていたのだと思います。
結婚に限らず、誰かと出会うということは必ず生き別れるか、死に別れるか、必ず別れが発生する。それは当たり前のことなんだけど、わたしも含めてたぶん多くの人がつい忘れがちで、後になって、あのときああすればよかったって思うことがいっぱいあるなあと思うんです。だから結婚に限らず、誰かと出会ったら必ず別れるよっていうことが、この映画で伝わるといいなって。だからこそ大事な人がいたら、仲良くできるといいよねって。
ーそういう出会いと別れをタナダさんが書いて、蒼井さんは自分の考えをもって、見極めて、この作品をはじめ、自分の人生にとって大切なものにどんどん出会っているような気がします。どんな出会いを大切にしているか、これからどんなものに出会っていきたいか、ということはありますか?
蒼井:長く大切にできるなって、そのとき思えるものや人。わたしはもともとキャパが小さいから、多くのものを持つのは無理だっていうことにたぶん20代で気づいて。自分が持てる範囲のもの、自分が大切にできる範囲のものに出会っていきたいなと思っています。
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