8月の特集「癒やしながら」のギフトで、オンラインストアで使える特典や実店舗への来店プレゼントなどをお届け中の「fermata」。フェムテック&ウェルネス製品を紹介するオンラインストアの運営や、コミュニティ&スタートアップエコシステムの育成を通してフェムテック市場を活性化させていく取り組みを行っています。
少しずつフェムテックが広まりつつある昨今、市場にはどのような課題が浮かび上がっているのでしょうか。また、フェムテックは社会にどのような変化をもたらすのでしょうか。セクシュアルウェルネスメーカーTENGAの広報を努めたのち、PR人材と企業のマッチングサービス「START PR」の運営やライターとして活躍する工藤まおりさんが、fermataの想いを伺いました。
「自分が自分の心と体の一番の理解者になりたい」という想いがきっかけ
・共同創業者であるお二人の、フェムテック市場に携わるきっかけとなったエピソードを教えてください。(工藤まおり)
私は海外で育ったのですが、日本に来て初めて「女性だから」と言われる経験をして、生き方の選択肢が限られていると感じました。そんなときに「卵巣年齢をチェックできる製品」に出会って衝撃を受けるとともに、一人ひとりが自分の体を知ることで選択肢を増やせるんじゃないかと思ったのがきっかけです。(Amina/fermata)
以前マーケティング会社で働いていたのですが、男性が中心の社会の中で“女はこうあるべきだ”論に流されてしまって、無意識に自分に鞭打って心も体も悲鳴をあげてしまった経験があって。その時に「自分が自分の心と体の一番の理解者になりたい」と思ったのがきっかけです。(Hiroko/fermata)
ファッションや音楽と同じように“日常の選択肢のひとつ”としてのフェムテック
・フェムテック市場に関して、現在の日本の課題はなんでしょうか?(工藤まおり)
一番大きな課題は価値観。最近でこそ少しずつ「フェムテック」という言葉もプロダクトも知られるようになってきましたが、やはりまだまだ「女性の体や性にまつわること」を共有したり話題にしたりすることが憚られる世の中だと思います。そんな価値観を変えて、ファッションや音楽と同じように“日常の選択肢のひとつ”として、当たり前に付き合える日を目指しています。(fermata)
自分の不安・悩みを知る機会、そしてそれを当たり前に話せる機会を創っていきたい
・その課題に対して、現在どんなアプローチをしていますか?また、どんなことをしていきたいですか?(工藤まおり)
fermataはオンラインストアである「fermata store」でフェムテックプロダクトを販売していますが、7月に日本初となるフェムテック専門の路面店「fermata store in New Stand Tokyo」をオープンしました。そこでは雑貨や衣類、お菓子がある中にフェムテックプロダクトがあって、まさに「日常の中の選択肢」としてお客様にも見ていただいています。
例えば、カップルで来てバッグやTシャツを見た後に月経カップや精子セルフチェックキットを手に取りながら生理や妊活についてフランクに話したり、初潮を迎える時期の娘さんとお母さんが来て生理パンツの存在を初めて知ってあれこれ楽しそうに議論したり、というシーンを何度も目にしました。今後も、オンライン、オフラインに関わらず自分の不安・悩みを知る機会、そしてそれを当たり前に話せる機会を創っていきたいです。(fermata)
男女だけでなく、すべてのジェンダーで「タブーな話題」がなくなるようにこれからも活動していきたい
・事業を通して聞いた、ポジティブな声とネガティブな声について教えてください。(工藤まおり)
昨年リアルでのイベントを行ったとき、スポーツ選手を目指す子が「生理が大嫌い」と言ってたんです。でもその子の悩みを聞きながら、一緒に会場をまわってフェムテックプロダクトを一つひとつ丁寧に説明すると、最後には明るくキラキラした顔で「生理を楽しんでいけばいいんですね」と言って帰ってくれて。まさに「タブーがワクワクに変わった瞬間」を見た気がします。
路面店ならではの声もあります。フェムテックってどうしても生理、妊娠・出産、セクシャルウェルネスにフォーカスされるので若い世代のものと思われがちなんですが、尿もれの原因となる骨盤底筋をトレーニングできるエルビートレイナーを触ってみた方から「更年期を迎えた私たちでも使えるものがあることを知れて嬉しい」と仰っていただく機会が想像以上にあります。実際に触れて、説明を聞いて、じっくり時間をかけて理解してもらえるのは、オンラインストアにはない、路面店ならではの魅力だと思います。
逆にネガティブな面として、やはり男性全体で見るとまだ「触れてはいけない話題」「自分には関係ない話題」と感じてる方が多いことですね。男女だけでなく、すべてのジェンダーで「タブーな話題」がなくなるようにこれからも活動していきたいです。(fermata)
生物学的な男女に捉われず、あらゆる人が自分らしくいられる社会に
・フェムテックを通じて、どんな人を増やし、どんな社会にしていきたいですか?(工藤まおり)
自分の心と体を知ることからさらに一歩進んで、自分の人生を自分で選択できると良いなと思います。例えば出産ひとつ取っても、子どもを持つのか持たないのか、持つとしたら自分で出産するのか別の方法を取るのか、いつ出産するのか、どのように出産するのか……。これまで選択肢があるとは思ってもいなかったことを“自分の意思で”選択できる社会にしたいです。それが結果として、生物学的な男女に捉われず、あらゆる人が自分らしくいられる社会になると思っています。(fermata)
店舗情報
fermata store
フェムテック&ウェルネス商品を数多く取り扱うオンラインストア
fermata store - 世界初フェムテック専門オンラインストア
New Stand Tokyo
7/28にオープンしたfermataの実店舗が入っている未来の日用品店
New Stand Tokyo