癒やしを得るためには、お気に入りの香りを見つけてみるというのもひとつの手。8月のギフト「癒やしながら」では、京都より200年の系譜を持つお香の専門店「麻布 香雅堂」がプロデュースするお香の定期便「OKOLIFE」を10%OFFでお試しいただけます。OKOLIFEでは毎月季節に合わせたオリジナルのお香を10本お届けしており、今回はモデルの前田エマさんに8月のお香「植物とかおり」を体験いただきました。
実際に体験してみると、どんな材料からつくられているのか、日本人はどのようにお香とともに暮らしてきたのか、お香ならではの魅力はなにかなど、気になることがたくさん。エマさんからの質問に、香雅堂代表・山田悠介さんが詳しく答えてくれました。これを読んだあなたの、お香のある暮らしを楽しむきっかけになりますように。
香木の力を引き立てつつ、テーマに沿った香りを表現するために木の実や葉っぱなどの「漢薬」を使用
・いただいたお香のセットの中に、原材料のカケラが同封されていました。今までお香が何から作られているか考えたこともなかったので興味深かったのですが、お香はどんな材料から作られることが多いのでしょうか?(前田エマ)
主に3つの分類の材料から作られます。ベースとなる「香木」とアレンジする存在としての「漢薬」、そして現代的なお香となると「合成香料」が加えられることが多いです。「香木」というのは白檀や沈香(じんこう)という香りのする特殊な木のことで、OKOLIFEのお香の場合、平均して約70%程度が香木でできています。その香木の力を引き立てつつ、テーマに沿った香りを表現するために使用されるのが「漢薬」で、木の実・葉っぱ・木の皮・樹脂などの植物性のものが多いです。具体名をあげると、藿香(かっこう)・桂皮・大茴香(だいういきょう)・乳香・安息香、などですね。(山田悠介)
約1500年前から宗教儀礼のために使われていたお香
・お香と聞くとどうしても「仏様へのお供え物」と言うイメージが先行してしまうのですが、日本人はこれまでどのようにしてお香とともに暮らしてきたのでしょうか?(前田エマ)
広く捉えた場合のお香の文化≒お香の原料が大陸から日本に渡ってきたのは約1500年前、つまり仏教伝来の時代です。当時はまさに「仏様へのお供え物」 として、今でいう「お焼香」のスタイルでお香は主に宗教儀礼のために使われていたと考えられています。約1000年前の平安時代、つまり源氏物語の時代には貴族たちが香水のような役割として「薫物(たきもの)」というスタイルのお香を使い、約500年前の室町時代頃には「香道」という芸道が芽生えます。OKOLIFEのお香のスタイルである「お線香」は約400年前に日本に製法が伝わりました。つまり、「仏様へのお供え物」という用途にはじまり、さまざまな時代・階層の人々と共に暮らしてきたといえます。(山田悠介)
寝る前や読書時間、お風呂に入りながら……生活の中の多様な使い方自分の不安・悩みを知る機会、そしてそれを当たり前に話せる機会を創っていきたい
・生活の中でお香を楽しむ人が、最近増えているような気がします。みなさん、どんな使い方をしているのでしょうか?(前田エマ)
まとめるのが難しいほど多様、というのがユーザーの方たちからいただいたアンケート結果にもとづく結論です。「寝る前の時間に」「お風呂に入りながら」「ヨガ・瞑想をしながら」「休みの日の読書時間に」「掃除の後に」「早朝目を覚ましたい時」「九州地方の豪雨の緊急アラートが鳴り響いたりコロナ感染だったり不安な日々の中に安らぎと集中時間を求めるため」「在宅ワークで気分転換に、集中したいとき」…etc. 「火をつけるだけ&いつでも消せる」という特性から、いろんな行動と掛け合わせやすいので、多様な使い方をされるということかもしれません。(山田悠介)
煙がもたらす「清まる感覚」や「非日常感からくる、気持ちを切り替える感覚」がお香の魅力
・香水やディフューザーなど、香りを楽しむ方法はいろいろありますが、お香の魅力は何でしょうか?(前田エマ)
前の質問にも関連するのですが、「いろんな行動との掛け合わせやすさ」はあるかもしれませんね。私もいま大きな気づきをこの回答を書きながらいただいています……! そしてなんといってもお香の魅力は煙がもたらす「清まる感覚」や「非日常感からくる、気持ちを切り替える感覚」かと思います。というのも、お香の煙というのは宗教儀礼と原理的に関係性が強いんですね。例えば仏教では香木や漢薬をブレンドしたものを燃やし、煙と香りで空間を清める、例えばキリスト教では乳香という漢薬のひとつを燃やし、煙と香りで空間を清める……そういった背景が、お香だけが持つ魅力に繋がっているのかと思います。(山田悠介)
毎月届く香りは日本の故事や風習に基づいて決めている
・今回使わせていただいた8月の香りは、祖母の家に遊びに行った時のような懐かしさと、爽やかなお洒落さを感じさせてくれる安心する香りでした。毎月届く香りは、どんな風に選ばれているのでしょうか? (前田エマ)
とても嬉しいご感想です、ありがとうございます。そして説明不足ですみません、毎月の香りは選んでいるのではなく作っているんです。ではどのように作るのかのエッセンスだけお伝えすると、まず先に日本の故事や風習に基づいて毎月のテーマを決めます。たとえば9月であれば中秋の名月を観月する風習から、満月を待つ夜のことを指す「待宵」をテーマにしようと決めました。もちろん「待宵」そのものの香りというものは存在しないので、どのように香りに落とし込もうかというときに「永い時の流れ・積み重なりを感じさせる荘厳な香り」を目指そうという、少しだけ抽象度の低い目標を立てます。そして、その目標を香木「白檀」「沈香」の掛け合わせによって表現しようとサンプルを作成し、完成させるという流れになります。(山田悠介)
店舗情報
麻布 香雅堂
OKOLIFEをプロデュースする、京都より200年の系譜を持つお香の専門店
http://www.kogado.co.jp/