久しぶりにカメラロールを遡ってみつけた一枚目の写真は、文筆家の塩谷舞さんと音楽家の國本怜さんの結婚式にご一緒した、舞さんの親友の友理恵さんと伶さん。華やかに着飾ったインフルエンサーたちが闊歩する式場のラウンジで、ウェルカムスイーツを片手にひとりアウェイになっていた時に「翔子ちゃん!」と呼び止めてもらった時の写真。何の気もなしに写ルンですで撮ったのだけれど、現像してみるとそこには眩しすぎる笑顔が切り取られていた。
伶さんは新婦友人挨拶を務めていた。上京したばかりの頃に出会った二人。襟がヨレヨレになったぶかぶかのTシャツを舞さんは着ていたのだという。6年の月日が経ち、2人の女性はそれぞれの人生の紆余曲折を乗り越えながら、伶さんは母になり、舞さんは影響力のある文筆家になった。それでも、伶さんのまぶたの裏に映るのは、初めて出会った日の大きなTシャツを着ていた舞さんの姿だという、そんなスピーチだった。
祝うって愛だ。あなたの幸せを喜び、あなたの人生にいいことがありますようにと祈るなんて、一体、愛以外の何だというのだろう?
よく考えたらすごく当たり前の、でも日頃意識しない、大切なことに気づかされた結婚式だった。