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コンプレックスをめぐり、少年アヤが選んだ児童文学5冊

自分自身にしかなれないし、なれないだけの価値がある

2018年1月 特集:Dear コンプレックス
テキスト:羽佐田瑶子 撮影:小池勇輝 編集:野村由芽
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自分とはちがう生き物を当たり前に受け止める。『いやいやえん』

『いやいやえん』(著:中川李枝子、絵:大村百合子)(Amazonで見る

アヤさんが5冊目にあげたのは『ぐりとぐら』で知られる、中川李枝子さんと大村百合子さん姉妹の7編からなる童話集『いやいやえん』(1962年)。

「ちゅーりっぷ保育園を舞台に、主人公しげるの日常が描かれているのですが、とつぜんこぐまが『入園したい』とやってきたり、鬼に遭遇したりといった出来事が、とにかく淡々と描かれています。

とんでもないものに遭遇しました、とんでもないけど友達になりました、なんて話にならないのは、しげるをはじめとする子どもたちが、自分とはちがう生き物を当たり前に受け止めているからだと思うんです。
こういう物語にどうしておどろいてしまうかというと、こぐまや鬼ほどの個性が、現実には認められていない、ゆるされていないからですよね。だけど、ほんとはこころひとつで実現できるんじゃないかと読み返すたびに突きつけられます。ちっとも良い子ではないしげるから。

個人的には千葉雄大くんにあこがれすぎて、ああなるにはどうしたらいいですか、と相談しに行った結果、『2000万かかるけど似ません』なんて言われたりする20代を過ごしてきたので(笑)、今回ご紹介した物語のすべてに自分を見つけることができます。
けれど自分は自分自身にしかなれないし、なれないだけの価値がきっとあるんですよね。いまはまだ、それを探っている状態ですが、トーベ・ヤンソンのまなざしや、バスチアンの冒険、しげるの日常からも、背中を押されているような気持ちになります。
もし引っかかるところがあったら、みなさんもぜひ読んでみてほしいです」とアヤさん。とてもリラックスした様子です。

「人と違う」ということは、そのときは辛くても、向き合い方次第でのちのち意味を持っていくはず。アヤさんのように自分は自分でしかいられないことを受け入れることが、コンプレックスとの付き合い方のひとつかもしれません。そんなことに気がつけた一夜だったのでした。

PROFILE

少年アヤ
少年アヤ

1989年生まれ。エッセイスト。
著書に自身のセクシュアリティやコンプレックスを綴ったエッセイ集『尼のような子』(祥伝社、2014年)、『少年アヤちゃん焦心日記』(河出書房新社、2014年)、小説『果てしのない世界め』(平凡社、2016年)など。

INFORMATION

書籍情報
書籍情報
少年アヤ
『果てしのない世界め』

2016年12月19日(月)発売
価格:1,512円(税込)
発行:平凡社
Amazon

書籍情報
書籍情報
トーベ・ヤンソン(著)、下村隆一(訳)
『ムーミン谷の夏まつり』

2013年12月13日(金)発売
価格:702円(税込)
発行:講談社
Amazon

書籍情報
書籍情報
フィリパ・ピアス(著)、猪熊薫子(訳)
『真夜中のパーティー』

2000年6月16日(金)発売
価格:691円(税込)
発行:岩波書店
Amazon

書籍情報
ミヒャエル・エンデ(著)、上田真而子、佐藤真理子(訳)
『はてしない物語』

1982年6月7日(月)発売
価格:3,089円(税込)
発行:岩波書店
Amazon

書籍情報
書籍情報
シェル・シルヴァスタイン(著)、倉橋由美子(訳)
『続ぼくを探しに ビッグ・オーとの出会い』

1982年7月1日(木)発売
価格:1,620円(税込)
発行:講談社
Amazon

書籍情報
書籍情報
中川李枝子(文)、大村百合子(絵)
『いやいやえん』

1962年12月25日(火)発売
価格:1,404円(税込)
発行:福音館書店
Amazon

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