自分にとって大切なkey flowerを見つければ、普段の生活もぐっと楽しくなる
お花のワークショップは、恵比寿でflower&plants asebiを営む吉崎正大さんをお招きし、「key flowerのすすめ」というテーマで進められました。吉崎さんはHappy Very Muchのプロジェクトメンバーで、ウエディングブーケや、会場を彩るアレンジメントを担当されています。
吉崎さんが提唱する「key flower」とは、「自身にとって大切なお花を見つけ、毎年季節が巡る中でそのお花を飾って楽しむ」という花との関わり方です。形や色が好きな花ということもあれば、自分の結婚式の時期に旬を迎えていた花など、key flowerにする花の選び方は様々。今回は、5月に旬を迎える花々を会場に用意し、その中から、参加者のみなさまに自由に選んでいただきました。まずkey flowerを決め、それを一番活かすように他の花を調整していきます。
お花に合わせて、花器を使い分けることも大切。シチュエーションや、飾る位置を加味しながら、想像していきます。切り花を長持ちさせるコツや、色の合わせ方など、お花に関するアドバイスも大充実でした。
「茎部分が水面についていて、給水さえできていれば、垂直に活ける必要はありません」と吉崎さん。最初は戸惑っていたみなさんも、吉崎さんの常識にとらわれないアレンジを見て、だんだんと活け方が大胆になっていきました。
当日使用したお花は、撮影後、ブーケにアレンジしてお土産に。花言葉や誕生花にとらわれず、自分のインスピレーションのまま、好きな花を選んで部屋に飾ると、普段の生活もぐっと楽しくなりますね。
鏡やカラーペンを使って。日常の風景写真をもっと楽しくする方法
写真のワークショップは、「視点を変える写真術&ポートレート撮影」。Happy Very Muchが手がける結婚式での撮影のほか、海外での撮影や広告写真などにも活躍の幅を広げている、フォトグラファーの下園啓祐さんが講師を務めました。
下園さんの写真は、飾らない自然な作風が魅力。昨年はのべ8億人を超える人たちが約600万作品から選ぶ『東京カメラ部10選』にも選ばれました。いつも歩いている街の新たな表情を撮影するコツは、どこにあるのでしょうか?
「日常の風景も、光を集めたり反射させるものがあると、写真がもっと楽しくなるんですよ」と、下園さんが取り出したのは、小さなミラー。「鏡をうまく使えば、ウユニ塩湖みたいな写真も簡単に撮れます」と笑います。5月の朗らかな青空の下、浅草の閑静な裏通りで撮影の様子を実演してくれました。
思い切ってモノクロで撮影してみたり、被写体にグッと寄ってみたり……。写真を見た人の想像力をかきたたせるために、あえて一部トリミングしてしまうなんていうテクニックも披露してくれました。
カラーペンで色付けしたフィルムをレンズに巻きつけるという小技も。Instagramなどのアプリで手軽に加工するのが定番ですが、この一手間で人と被らない幻想的な写真ができあがります。
最後は、会場内の美しい花々をバックに、下園さんならではの視点で、参加者ひとりひとりのポートレートを撮影してもらいました。たくさんのウエディングフォトを撮ってきた彼だからこそ引き出せる、それぞれの魅力が光ります。最初は照れが出てしまい、うまく表情を作れなかった方も、下園さんのトークで次第に頰がゆるんでいきました。
景色の切り取り方や、自身のやわらかな表情を発見した参加者の方々。ワークショップ終了後には、BEARS TABLEのランチやお茶を囲んで、新たな交流もうまれました。
結婚式は決して特別なものではなく、生活の延長にあるもの
結婚式というと人生に一度の特別なもので、普段の日常とは切り離されているように感じますが、実は生活の延長にあるものです。大切な家族と友達をどうもてなすかはもちろんのこと、デコレーションのお花や写真などの要素も含め、これから一緒に暮らしていく人とどんな生活を過ごしていきたいか考えながら作っていくもの。このイベントを通して、結婚式をもう少し身近なものと感じられるきっかけになったのではないでしょうか。
私たちの生活は、派手じゃなくても、お金をかけなくても、工夫さえすればもっと豊かにできる。穏やかな普通の毎日を、もっとクリエイティブに。この一日が、そんなヒントになっていれば嬉しいです。
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