She isでは、特集テーマをもとにGirlfriendsに選曲してもらったプレイリストを毎月Spotifyで配信中。6月の特集テーマ「おんなともだち」では、高校1年生のときに同じクラスだった女友達3人で結成されたバンド、The Wisely Brothersでギターボーカルを務める真舘晴子さんが選曲してくれました。
学校を卒業し環境が変わっても、まるで戦友のようにバンドを大きくし続けている彼女たち。「遠い国に住む友達」だというニューヨークのシンガーソングライター、フランキー・コスモスや、京都・名古屋のバンドshe saidなど、バンドを始めてから出会った女友達の曲や、いつかの夜に友達と犬の散歩をしながら歩いていたときにスウェットのポケットから流れていた思い出の曲などを選曲。久しく会っていないあの子のことやいつも一緒にいてくれるあの子、これから会うかもしれない友達のことを思う10曲です。
01:Mirah “Million Miles”
昔からのおんなともだちに久しぶりに会うと、懐かしい声と温度感にどこかに帰ってきたみたいなあたたかさを感じる。いつかの自分を知っている相手。でもそれぞれは知らない今にむかっている、そんなちょっとした寂しさもある。でも会えると嬉しいね! この曲の入ったアルバムをよく聞いていた大学時代、自分を楽しんでいるような声を好きになったMirah。
02:Penguin Cafe Orchestra “Penguin Cafe Single”
なんで女の子はこんなにもカフェに行きたくなるんだろう。いい空間とおいしいコーヒー、それに……かかせないのはやっぱり甘い食べ物! ペンギンはいなくても、ケーキやタルト、チョコレートにパフェ。エリック・ロメール監督の映画『レネットとミラベル/四つの冒険』に出てくる女の子二人みたいに、それぞれの意見を持って話せるおんなともだちとはいろんな時間を一緒に過ごせる。
03:Courtney Barnett “Elevator Operator”
後ろ向きな自分の背中を押してくれるおんなともだちはなんだかカッコイイ。弱音をはいてしまう時もお互いにあるけれど、そうだ、自分たちがいいと思えるものには自信を持っていたい! コートニー・バーネットの声を聴くと、そんなことを思う。
04:Frankie Cosmos “School”
近くにおんなともだちと言える人がもしもいなくても、どこかの国や星には気持ちが通うまだ知らない友人が必ずいるはず。ことばや距離という隔たりがあっても、いろんな方法で気持ちを伝えたり、探したり集まることが多分できるのが今の時代。
大好きなフランキー・コスモスの来日公演で演奏できたことはとても嬉しかった。あこがれのような、いまだ行ったことのない遠くの国のおんなともだち。
05:Mocky “Birds of a feather”
たまに、夜歩きながらともだちと電話をする。気付いたら2時間たっていたり。携帯電話を通して、ともだちがいる場所の夜の空気が伝わってくる。なんてことのない話ばかりだけど、ふたつの夜がすこしつながって楽しい。高い音たちが、すこしだけ見えてる夜の星みたいで、そんな時間を思い出す曲。
06:Rihanna, Kanye West, Paul McCartney “FourFiveSeconds”
中学生のときに仲のよかった子はR&Bがすきだった。夜に犬の散歩をしながら、その子のスウェットのポケットから流れる音楽を一緒に聴いたりした。その子がお気に入りだからという理由で出会ったいくつかの音楽は、きっと自分で選んで聴く機会はなかったなと思う。リアーナはそんな出会いの一つ。
07:淺堤 shallow levée “高雄 Kaohsiung”
台湾のバンド「淺堤 shallow levée」の来日ライブを観に行った。日本からとても近くにある台湾、行ったことはないけど、音楽でこうして風景を知ると、自分がそこに行ったことがある気がすこしした。映画『台北ストーリー』でも台湾の風景を見たけど、知らない場所はまだまだ沢山あるんだな。近くのアジア、そこにいる誰かと、どんなおんなともだちになれるだろう?
淺堤 shallow levée “高雄 Kaohsiung”
08:she said “scene”
ことば以外の方法で何かを伝えられるおんなともだちっていると思う。それは、こむずかしいコミュニケーションの形というわけではなくて、自然とそうなっている。同性だからというのも大きいのかな。今どんな音楽が好き? どんな目で外を見てる? 写真とか絵とか音楽とか、そういうものを通じて話した(気になってしまう)ともだち。バンドを始めてから出会った、歳も近いshe saidはそんな存在。
09:Alain Romans “How Is the Weather In Paris”(Jacques Tati Soundtracks)
フランスのレンヌに留学中のともだちを訪ねて、寮に数日間居候させてもらったことがある。日本に帰る前に、パリの大きめのカフェで、隣の席の老夫婦が二人で食べていた大きめのチョコレートパフェが羨ましくなって、二人で食べた。おんなともだちとの旅は、また特別なものに感じる。当時、iPhoneのロック画面が二人ともジャック・タチの映画のシーンだったので選びました。
10:ハンバート ハンバート “おなじ話”
<どこにいるの? となりの部屋にいるよ 何をしてるの? 手紙を書いているの そばにおいでよ でももう行かなくちゃ 話をしよう> 自分の頭の中が大変になってしまったとき、会ったり電話をしたり手紙を出せるおんなともだちは、いつの時も宝物だ。当たり前ではないことだな、と大切に思う。そんな時かけてくれることばは、あたたかい歌のよう。いつもありがとう。