会社で働くこと、フリーランスになること、起業すること。「多様な働き方ができる時代」だと言われるけれど、いざ自分に合った働き方を見つけたいと思ったときに、そもそもどんな選択肢があるのか、そしてそれぞれの働き方にどんなメリットやデメリットがあるのかわからず、悩んでしまったことはありませんか?
そこで様々な企業の採用担当者や、新しい仕事を探している人たちに数多く会ってきた、クリエイティブ業界に特化した求人サイト『CINRA.JOB』の山本梨央さんと一緒に、知っているようで実は知らない働き方にまつわる数々の用語を解説する「働き方用語集」をつくりました。
自分が所属する会社にどのような制度があるのか見つめ直したり、夢を実現できる会社を探してみたり、あるいは、個人で働く道を選んだり。この「働き方用語集」があなたの不安を払拭し、心地よく働くことができる日々に導いてくれますように。
・p.1:会社で働く①(雇用形態/働く場所)
・p.2:会社で働く②(勤務時間/休み方/賃金・給与)
・p.3:個人で働く(雇用形態/働く場所)
会社で働く
老舗の大企業で働くのも、ベンチャー企業で働くのも、正社員で働くのも、アルバイトとして働くのも、「会社に所属する」という意味ではどれも同じ。だけど、その会社が持つ制度や会社との関わり方によって、受けられるサポートは本当に多種多様なんです。雇用形態から労働時間、それに福利厚生まで、どのような条件で働けるのかをしっかり知ったうえで会社を選べば、フリーランスに比べると自由な働き方がしづらいと思われがちな会社員でも、ばっちり「自由に、自分らしく働ける」環境を手に入れることだって可能。
ここでは、会社員として働くときに気になる「どういう雇用形態で働く?」「どこで働く?」「どのくらい働く?」「どんな風に仕事を休む?」「どうやってお金をもらう?」といった疑問に対して、どのような選択肢があるのかを紹介。自分が理想とする働き方はどれだろう? とぴったりの条件をカスタマイズして考えるためのヒントにしていただけたら嬉しいです。
<どういう雇用形態で働く?>
就職活動・転職活動のときに避けて通れないのが「雇用形態」の選び方。最近では、同じ職種でも応募者が雇用形態を選べるなんてパターンも、実は増えています。それぞれの雇用形態にどんな良さがあるのかを知ったうえで応募したほうが、あなたの働き方はもっと豊かになるかも……?
■正社員
雇用期間に限りがなく、社会保険などの待遇をフル活用できるのが「正社員」。最初は契約社員でも「正社員登用あり」というパターンもあるので、就職・転職を考えるときにはしっかり募集要項を見ておくのがおすすめです。
また、最近よく聞く「第二新卒」は、新卒で就職して短期間で転職する人を受け入れる採用枠のことですが、卒業後何年目まで受けられるかの指定は企業によって様々。意外と卒業後何年も第二新卒として受け入れている企業もあるので、「卒業から3年経っちゃったし……」なんて諦めていると、行きたかった企業を受けられるチャンスを逃してしまうことも!
■契約社員
1年契約、2年契約など、契約期間に限りがあるのが「契約社員」。その仕事を長く続けたい場合は、期間満了した後に更新できるかどうかが鍵なので、応募前に確認するのがおすすめです。また、残業時間が少なかったり、副業がOKだったりと正社員に比べて自由度が高いケースが多いのも特徴のひとつ。ただし賞与(=ボーナス)がつかないこともあるので、就職活動・転職活動の際に月収だけを見て決めてしまうと、年収が下がる場合もあります。その企業の条件をしっかり確認して、年収の折り合いをつけておくのがおすすめです!
■派遣社員
派遣会社に登録して、希望に合ったお仕事を紹介してもらうのが「派遣社員」。どんな職場に行っても、雇用主が派遣会社である、というのが正社員や契約社員との大きな違いです。また、仕事内容があらかじめ具体的に決められていることがほとんどなので、仕事の幅を広げていくというより、「この業務だけを仕事にしたい」という場合におすすめです。「労働条件を変えたい」などの要望を、職場で直接言わずに第三者である派遣会社の担当者に相談しやすいのも特徴。
■業務委託
会社と雇用関係を結ばず、仕事の依頼を受ける働き方です。企業から、仕事の一部分だけを発注してもらったり、たとえば週に3日だけ会社に常駐させてもらったりなど、仕事の受け方は様々。働いた時間の分だけ、時給換算で報酬を得られることもあれば、決まった金額の中で依頼された成果を出すというパターンもあります。仕事に着手する前に、依頼内容や条件はしっかりと交渉しておきましょう。
※【個人で働く】の章もあわせてご参照ください!
■アルバイト
時給や日給などで給与が支払われる形態の「アルバイト」。応募資格のハードルが低かったり、「未経験OK」なことが多いのが特徴。学生でもできるもの、掛け持ちが可能なもの、長期ではなく単発でできるものもあるので、いろんな世界を覗くチャンスが豊富にあるのも魅力です!
■インターン
アルバイトと大きく異なるのは、労働力として雇われるのはなく「職業体験」をしてもらうことに重きを置かれている点。有給・無給・交通費のみ支給など、報酬は企業やポジションに依るので、応募時にしっかり条件を確認しましょう。大学で単位認定されるケースもあるので、その場合は申請をお忘れなく! 企業によっては、就活の本番さながらの選考を行うところも。インターンとしての経験はもちろんですが、選考を受けるだけでも職業体験として十分価値がある内容の場合もあるので、学生の方は就活前に有効活用したいですね!
<どこで働く?>
仕事内容が同じだとしても、どんな場所を選ぶのかによって、働き方は大きく異なるもの。毎日会社に通うだけでなく、今の住まいを拠点にして働いてみたり、はたまた住む街をガラッと変えてみたり。様々な場所で働くことを許容している会社があることを知り、「仕事場」の選択肢を広げてみましょう!
■リモートワーク/在宅勤務
出勤する必要がなく、どこで働いてもOKというのが「リモートワーク」。家で働く「在宅勤務」のほか、カフェ、コワーキングスペースで働くのが一般的。地域によっては、設備の整った大学の図書館が近隣の住民に開放されていることもあり、うまく活用できると穴場スポットとして集中できるのでオススメです。国内だけでなく海外からのリモートワークを推進する会社も最近では増えています。会社に行かないことで、打ち合わせの参加が難しくなったり、捺印が必要な書類の用意に手間がかかるなど、仕事にどんな制限がかかるのかだけ、事前にしっかり把握してから実践しましょう!
■転勤
会社からの辞令などで勤務先の地域が大きく変わること。引越し費用を会社が全額(または一部)負担してくれたり、転勤先の住居が社宅として用意されている、もしくは転勤の場合のみ住宅補助が出るというケースもあります。いろんな街に住んでみたい方にとっては、そういった会社のサポートを受けながら引越しができるのでオススメ。逆に「引っ越したくない!」という方は、地方転勤がないことが明示されている職種をしっかり選びましょう。
■移住(国内)
一度上京してから生まれ育った地元に戻って働く「Uターン」、地元までは戻らずに近辺で一番栄えている街まで戻って働く「Jターン」、そして縁もゆかりもない土地で働く「Iターン」など、最近ではいろんな移住の形が広がっています。転職先の会社を見つけてからその地域に引っ越すのも良いですし、地域協力活動を行ってくれる地域外の人材を積極的に募集している地方自治体による制度「地域おこし協力隊」を調べてみるのも良いかもしれません。
「地域おこし協力隊」は、地域によって活動内容が異なるほか、受けられる待遇なども大きく異なります。たとえば、業務用に貸与される自動車を私用に使うのがOKな地域や、副業可能な地域も。移住先はなるべくたくさん選択肢を広げてから、自分に合うところを探してみましょう! まず平日は都会で働き、たとえば週末や1年限定など、一定期間だけ地方で暮らす二拠点居住から試してみる、という方法もありますね。
■移住(海外)
ビザなどの手続きが必要になるのが、海外への移住。事前に仕事を決めてから出国するもよし、移住先に飛び込んでから仕事を探すのもよし。ライターやイラストレーター、カメラマンなど、日本からの仕事を依頼される働き方だと、海外にいながらにして日本語で仕事ができる可能性も。「語学を伸ばしたいけど、外国語で仕事するにはまだちょっと自信が……」という方は、日本語でできる仕事をしつつ、語学スキルアップを目指してみてはいかがでしょう?
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