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家族にはじめてのインタビュー。7人が家族に質問した記録と記憶

燈里、植本一子、枝優花、後閑麻里奈、野村由芽、堀静香、吉野舞

2019年5・6月 特集:ぞくぞく家族
テキスト:野村由芽
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吉野舞⇔仏教の話をする父

吉野舞さん

私は、父親のことを世界一好きだという気持ちを人生で一度も恥じたことはない。
父は私にとって趣味の合う親友であり、強い陽の光のような大切な家族だ。
実際に父の仕事の都合で、私と父が暮らした年月はそう長くはなくて、そして私はもう既に家を出たから、一緒に過ごす時間は長いようで短かった。
それがもの凄く寂しかった今日この頃。偶然、このようなお題をもらい、これを機会にいつもとは違うかたちで、私から父親へ新たなコミュニケーションを図ってみました。
そしたら、なんともまあ! 予想外! ファンキーな答えが返ってきて、 「まさにこの親にしてこの子あり」ですわ。
仏教のことについて多く書かれていますが、父はお坊さんとかではないですし、私は父に仏教を教えて貰ったことはほとんど記憶にないです(笑)。
父よ、いつから仏教の勉強をし始めたんだ。

・家族の関係性をつくっていくなかで大切にしていること
仏教は教える。この世のものは、すべて縁によって起こり、不変なものはなく仮に存在しているだけと教えます。家族も同様です。家族はこういうものという固定的な関係はありません。お互い個人の人間として心安らかな関係がよいのでは。

・これからも家族である私へのメッセージ
仏教は教える。執着がすべての苦の原因です。自分にとって心地よいこと、楽しいことが実は苦を生み出しています。このことをよくわきまえてください。

・うちの家族の思い出とはなんでしょうか?
ありきたりですが、舞の子供のころは、毎年お正月は実家に帰っていました。
そこでは、甥や姪たちと過ごす時間がありました。
これからは、もう親戚の子供たちが大勢集うことはないと思います。
いい思い出の一つです。

・今、挑戦し続けていること
先ほどは、執着が苦しみを生むと書きましたが、私も執着しています。
今の人生の目標は、60歳定年の年にフライフィッシングの聖地スコットランド、スペイリバーでアトランティックサーモンをフライで釣りあげることです。

このために、今年も実践を積むため、カムチャッカでの釣行に出かけます。
北海道や信州への釣行も全ては、スペイリバーでの成果を上げるための一里塚です。

・父の生きていく上でのキャッチコピーを教えて下さい。
「学ぶことの少ないものは、牛のように老いていく。肉ばかり増えて、智慧は増えない」(ダンマパダ152)

「自分の救済者は、自分自身である。他に誰が救ってくれようか。自分を正しく制御してはじめて、人は得難い救済者を手に入れるのだ」(ダンマパダ160)

PROFILE

燈里
燈里

1992年茨城県生まれ。台北在住。千葉とフィンランドで教育学専攻・現代芸術理論副専攻を経て、現在は台北教育大学国際修士現代芸術課程に在籍。2012年から忘れる記憶の記録のためにスケジュール帳を作る。

植本一子
植本一子

1984年、広島県生まれ。2003年、キヤノン写真新世紀で荒木経惟氏より優秀賞を受賞し写真家としてのキャリアをスタートさせる。広告、雑誌、CDジャケット、PV等幅広く活動中。13年より下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」を立ち上げ、一般家庭の記念撮影をライフワークとしている。著書に『働けECD わたしの育児混沌記』『かなわない』『家族最後の日』、共著に『ホームシック 生活(2〜3人分)』(ECDとの共著)がある。

枝優花
枝優花

1994年3月2日生まれ。群馬県高崎市出身。映画監督、写真家。映画のスタッフをしながら、監督を務めた映画『少女邂逅』が新宿武蔵野館を始め全国公開が決定している。第42回香港国際映画祭に招待される。またSTU48デビューシングル「暗闇」のMVを監督も務めた。そして今年の夏には山戸結希監督企画の映画『21世紀の女の子』で再びメガホンを取る。また雑誌「装苑」にてコラム「主人公になれない私たちへ」を連載中。

後閑麻里奈
後閑麻里奈

尾道在住。広島空港内にある、ヴィーガンミルクチョコレートファクトリー「foo CHOCOLATERS」工場長。女性・クィア・トランス・ノンバイナリーに向けたプロジェクト「GRRRDEN」を始動。不定期でzineの発行やDJイベントを開催している。アンダーウェア・プロジェクト「Kiss Your Grrrden」やzineなどの個人制作物を主に扱うミニショップ兼インフォスペース「Virgo Stingray」もマイペースに活動中。

堀静香
堀静香

1989年よこはま生まれ、よこはま育ち。歌人集団「かばん」所属。本州のはじっこで短歌をつくりながら、哲学者の夫と、そして最近うちに突然やってきたムーミンとともに、三人で楽しく暮らしています。twitterやnoteでその暮らしを綴っているので、読んでいただけたら嬉しいです。

吉野舞
吉野舞

1995年秋生まれ。兵庫県淡路島出身。この春、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業予定。
やりたいことをやりたいと思った時に、すぐにやらないと自分を裏切ったようで落ち着かないので、興味があることは、何でもやろうと思います。
書くことは、やりたいリストの一番上。座右の銘は「人生の大体の出来事は、自分のせいで人のおかげ」。肩書きはまだ、ないです。今、東京。

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