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部屋の風景は自分だけのオリジナル。あなたはなにと生きている?

今橋愛、小泉綾子、七、堀静香、吉野舞の部屋

2019年5・6月 特集:ぞくぞく家族
テキスト:竹中万季
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吉野舞:家族からもらうことばと生きる

吉野舞

家族のことを思うと、小さい頃から今までかけられた言葉の数々を思い出します。
美しい言葉ばかりでもなかったけれど、勇気があって、親密で、何よりもまっすぐな言葉たち。
それらは、今の一人暮らしの部屋にも、散り散りになって転がり続けていることに気がつきました。私はそれを見て、今を生きているのだということも。
家族という形式的なかたちはそんなに信用していませんが、家族からもらった言葉はたとえ嘘でも、どんなものよりもリアルな存在だと思います。
家を出たことで距離ができ、今になっても溢れ続ける家族の存在は、言葉に代わって、私を部屋で離してくれないもの代表です。

部屋で家族と話す時は、いつも言葉で笑わせたり、怒らせたりしながらもお互いにエネルギーを交換し合ってる。

仕事をする時に肝に銘じておくようにとくれた「電通鬼十則」のポスター。

ばらばらで生きている家族から、私の元へよく絵葉書が届きます。
それは、私がまだ訪れたことがない旅先や住んでいる場所から、世界中をかけ巡って。
彼らが誰といるのか、何をしにそこに行っているのかはよく分からないけれど、家族がそこにいた。ということは確実なので、「ああ、よかった。元気なんだな」と、いつも安心できます。絵葉書に書かれている言葉は、大概はその日にあったことで、緊急事態ではないけれども、私はその手紙に書かれている文章から家族の今の状況や生活を、一人意識の下に潜らすことができます。離れて暮らしていても、想い続ける。だから、私は家族から意思疎通と存在の確認も兼ねて、手紙というツールを使い「家族からの言葉」を欲しがるのだと思います。

PROFILE

今橋愛
今橋愛

1976年大阪市生まれ、大阪在住。歌人。1児の母。
大学在学中に岡井隆の授業で現代短歌に触れ、23才で短歌をつくりはじめる。
2002年、北溟短歌賞受賞。翌年、歌集『O脚の膝』(北溟社)を刊行。
歌集に『星か花を』(マイナビ)。共著に『いまドキ語訳越中万葉』(北日本新聞社)、『トリビュート百人一首』(幻戯書房)。
2018年、7月 歌集『としごのおやこ』(書肆侃侃房)を刊行。

小泉綾子
小泉綾子

1985年生まれ、獅子座。東京都出身。
東映任侠映画と灯台とドイツが好き。

『第二十九回文学フリマ東京』
2019年11月24日(日)
THE FLAMING BOOKSという店で、LUNASEA小説や室生犀星の英訳ミニZINEなどを販売予定です。ぜひお越しください!

12月に小寺しおさん(https://sheishere.jp/girlfriend/siokodera/)と、共同展示を企画中です。

七

そろそろ若さを盾にできないし、したくもない年齢。みんなが部活で揉めたりファミレスのドリンクバーで何時間も粘ったり彼氏とプリクラ撮ったりしてるあいだインターネットにポエムを投稿していたので青春の偏差値が37くらいしかない。好きなものはお笑いとビールと炙りしめさば。

堀静香
堀静香

1989年よこはま生まれ、よこはま育ち。歌人集団「かばん」所属。本州のはじっこで短歌をつくりながら、哲学者の夫と、そして最近うちに突然やってきたムーミンとともに、三人で楽しく暮らしています。twitterやnoteでその暮らしを綴っているので、読んでいただけたら嬉しいです。

吉野舞
吉野舞

1995年秋生まれ。兵庫県淡路島出身。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業。
やりたいことをやりたいと思った時に、すぐにやらないと自分を裏切ったようで落ち着かないので、興味があることは、何でもやろうと思います。座右の銘は「人生の大体の出来事は、自分のせいで人のおかげ」。今、東京。オフィスレディやりながらも書いてます。

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