フォトグラファー清水はるみが考える「どこで生きる?」

フォトグラファー清水はるみが考える「どこで生きる?」

障壁や思い込みを吟味し取り除いて生きる場所を考える

2020年3・4月 特集:どこで生きる?
テキスト・写真:清水はるみ 編集:野村由芽
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どこで生きるかを考えるとき、最初に思い浮かぶのはどんな風景でしょうか。具体的な場所? 一緒に生きている人? 暮らしたい場所はあるけど仕事やお金や言語などの理由で難しいな……と立ち止まってしまう、なにかしらの障壁? 選べる選択肢と選べない選択肢、その両方を目の前のテーブルに並べたときに、なぜそれを選べるのか/選びたいのか/選べないのか/選べないのか? などについてひとつずつ丹念に考えを行き渡らせていくことで、「どこで生きるか」の選択肢はぐんと増えるのかもしれません。

3月の特集「どこで生きる?」の特集カバーは、清水はるみさんに写真を寄せていただきました。清水さんは「ある程度の期間、仕事や日本でのことを一切考えずにいろいろな地域を見てまわることに専念したかった」という考えから、ある日を境にバックパックで世界をまわります。そんななかで見つけた、世界のさまざまな地域で暮らしている人の様子をお届けします。

「どこで生きる?」について考えることは、自分が手にしている自由について考えることだと思う

・特集「どこで生きる?」のテーマをどのように解釈しましたか?
「どこで生きる?」について考えることは、自分が手にしている自由について考えることだと思う。現代を生きる私たちの前には、所属先にしても住む街にしても100年前と比べてはるかに多くの場の選択肢がある。また生きる場を自由に選んだ先には他者の自由とぶつかり合う場面が発生することもあり、「どうやって共存する?」という問いも生まれてくるだろう。そういったことを考えながら写真を選んだ。

異なる背景を持つ人たちが、いい感じに雑然とした庭で適当に共存している状態

・作品を撮ったときに感じた思い、考えたこと。
この写真を撮ったのはベルリンの元空港だった場所。超広大な敷地が丸ごと市民に解放され、自転車やローラースケートがまばらに行き交っている。背後の一角にはコミュニティガーデンがあり、人種や年齢を問わず様々な層の人々がやってきてくつろいでいた。家族連れ同士のピクニック、奥まった場所に長居するカップル、テーブルゲームをするグループ、寝転がって新聞を読むおじさんなど。彼らは無造作に置かれた手作りのユニークなベンチに座っていた。植物がのびのび生い茂っているので、周りが全く気にならない。異なる背景を持つ人たちが、いい感じに雑然とした庭で適当に共存している状態。「どうやって共存する?」に対する答えの一つが、ここにあるように感じられた。

She is 3月特集「どこで生きる?」に寄せた清水はるみさんの写真

ある程度の期間、仕事や日本でのことを一切考えずにいろいろな地域を見てまわることに専念したかった

・なぜさまざまな地域を移動しながら写真を撮る行為をおこなったのか。
ある程度の期間、仕事や日本でのことを一切考えずにいろいろな地域を見てまわることに専念したかったのと、撮りたい写真のシリーズがあってその対象が各地に点在していたから。

自分の自由を制限するものに対して納得しているか、そのことだけはよく見つめていたい

・「どこで生きるか」という選択肢について思うこと。
生きる場所を選ぶ自由は、社会的立場や経済的な問題、世界情勢、健康面や先行きの不安などの様々な理由によって、日頃自分の外からも内からも制限されている。中にはやむを得ない事情もあるにせよ、それらの障壁や思い込みを一つ一つ吟味し取り除いていったら、選択肢は多分案外たくさんある。どこで生きたっていい。だけど誰もがどこかの時点で「ここで生きる」と決めて一定の不自由を引き受けてきたのだし、この先もそういう選択をする機会が訪れるだろう。選びなおしたっていい。自分の自由を制限するものに対して納得しているか、そのことだけはよく見つめていたいと思う。

この先も転々とすると思う。でもどこかに拠点を置くとしたら周囲に何もない場所がいい

・いつか(いつ?)、どこで生きていたいと考えているか。
まだわからない、この先も転々とすると思う。でもどこかに拠点を置くとしたら周囲に何もない場所がいい。

意思表示ははっきりするけど、周りのこともよく考えている人

・あなたにとって大切なShe はだれですか?
学生時代からの友人。帰国して住所未定だったとき泊めてもらっていて、そのまま一緒に住むことになった。そばにいると楽しい。意思表示ははっきりするけど、周りのこともよく考えている人。

PROFILE

清水はるみ
清水はるみ

写真家。1989年生まれ、お茶の水女子大学卒。主な個展に「OPEN FRUIT IS GOD」(2015年/gallery blanka)、「icedland」(2014年/Place M)、「水の骨」(2013年/Place M)。

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