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2020年4月4日、12日(エミリー)/違う場所の同じ日の日記

明るくて安心な未来は、誰か任せではなくて自分たちの手で

テキスト:エミリー
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4月4日(土)

今日は高校時代からの仲良しの友人たち6人と、“オンラインティーパーティー”をした。全員が家で部屋着を着て、すっぴんメガネ姿でゲラゲラ笑ったりして、まるで高校生の頃に戻ったみたいだな、と思った。
初めての試みだったけれど、直接会うのと少しも変わらずに楽しく、心地よい空間だった。6人が6人とも、コロナのことを同じ深刻さで受け止めていて(でもみんな家での生活を充実させるべくいろんな工夫をしていて)そのことにとても救われた。

それでも私たちはもう社会人7年目に入り、28歳になっている。6人のうち3人はすでに結婚し、2人は結婚が決まっていて、そして1人はお腹に新しい命がいる。そういう話をしていると必然的に、ああ私たちはもう高校生じゃないんだな、と思ったりもする。

結婚している子の1人が、共働きで彼女の方が朝も早く仕事も忙しいのに、夫のお弁当を毎朝作らされているという話をした時、他の5人が間髪入れずに怒り出したことに、とても救われた。お母さんにその話をしても「それくらいやりなさい」と言われてしまって逃げ場がなかったとその子はこぼしていたけれど、私たちは誰もそんなことは言わないし思わない。そのことがどれほど希望であるか。
私たちはちゃんと前に進んでいるね。

4月12日(日)

朝起きていつものようにSNSを開いたら、信じられなさと込み上げる怒りで眩暈がしそうな投稿が目に飛び込んできた。あまりのことにすぐさまTwitterで呟き、首相官邸に意見を送り、それでもやっぱり居ても立ってもいられなくて、いつもはあまりそういう内容については書かないインスタグラムのストーリーにも、思うことを書き連ねた。
今回ばかりは、もう自分の中だけ、元々政治に関心がある人たちの間だけで考えて話していていい問題ではないと思ったから。

リアルの友人や知人、家族もいる場所で政治について書くことは少し勇気が必要だったけれど、否定的なレスポンスはなく、初めての方や久しぶりの友人たちからメッセージをもらったりして、とても心が救われた。

フェミニズムを学ぶようになってから、正当に怒ることの大切さ、あらゆることに対してちゃんと自分で考えて自分の意見を持つこと、そしてその意見が間違っていてもいいから、常にアップデートし続けていかなければいけないことを知った。

そして、自分の中だけじゃなく、本当にちょっとずつでもいいから、もっと気軽にみんなで考えたり話したり出来るようになっていくように、私に出来ることをしていきたい。まだまだ今の私には勇気が必要だけれど。
明るくて安心な未来は、誰か任せではなくて、自分たちの手で守っていかなければいけないと思うから。
今日はそのための一歩を、少しだけ踏み出せたような気がする。

「違う場所の同じ日の日記」
この日々においてひとりひとりが何を感じ、どんな行動を起こしたのかという個人史の記録。それはきっと、未来の誰かを助けることになります。
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PROFILE

エミリー
エミリー

1991年生まれ。
幼少期から物語・雑誌・ファッション・女の子に魅せられて過ごす。大学時代に文芸批評を学んだことをきっかけに、本を読み、思考を巡らせ、言葉にすることが日々の心の拠り所に。
普段はファッション業界で働きながら、ライフワークとして言葉を綴る。

ZINE『towards the light』を2020年5月に発行予定。

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