生きやすくいられるはずの生活を求めるために、わたしは政治を語る。
(惣田紗希さん)

自分のなかから出てきた「怒りポイント」から情報にアクセスしていく

連載:わたしたちのコトバで、政治を語る。
インタビュー・テキスト: NO YOUTH NO JAPAN(吉井紗香、宮坂奈津)  編集:竹中万季
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みなさん、初めまして。NO YOUTH NO JAPANです。
「政治」と聞いて思い浮かぶのはなんでしょうか。
難しい、うるさい、おじさんばかりでとっつきにくい。
そんな印象を持つ人が多いのでは。
でも政治は本来、わたしたちみんなの生活をより良くし、生きたい社会を実現させるための道具。もともと男性が行うものとされてきた政治の世界では、いまだに女性が少なく、また女性の声が十分に反映されていないことも多くあります。一人ひとりが生きやすい社会をつくるために、まずは、わたしたちのコトバで政治を語るところから。

この連載「わたしたちのコトバで、政治を語る。」では、政治に対して自ら声をあげ始めた女性をゲストにお招きし、政治を語るコトバについてお話をうかがったり、NO YOUTH NO JAPAN代表の能條桃子が政治について等身大の目線で語ることで、日々の生活のモヤモヤと政治を繋げるきっかけをつくっていけたらと思います。

第1回のゲストは、SNSなどで積極的に政治に関する発言もしておられるデザイナーの惣田紗希さん。NO YOUTH NO JAPAN代表の能條桃子(以下もも)とのクロストークをお届けします。

惣田紗希さん

政治について積極的に発言しているように見えるかもしれないけど、それもできなくなるくらい落ち込むこともある。

もも:惣田さんには5月にShe isに書かれた記事(「前向きでいられなくてもいい。弱さと怒りを表明する勇気を」)の中で、NO YOUTH NO JAPANを紹介していただき、今回の連載に繋がりました。この記事の背景にはどのような想いがあったのでしょうか?

惣田:4月の頭にShe isさんから、コロナ禍の社会を生き延びるために何ができるかというテーマで、考えていることやSNSでどのように政治に関して情報収集しているのか記事を書いて欲しいとお願いされたんです。でもその時期はコロナにまつわる不安に個人的なことが相乗して気が滅入っていて。SNS越しに見れば、政治について積極的に発言しているように見えるかもしれないけど、それもできなくなるくらい落ち込むこともある。そういう弱音も含めたものでよければ書けるかもしれないけど、それでいいですかと確認したら、大丈夫と言ってもらえたので書きました。その中でもNO YOUTH NO JAPANのInstagramは、迅速な記者会見のまとめなど、情報を追う体力が無くても見れるし分かりやすい「求めていたものが来た」と思ったので紹介させていただきました。

もも:ありがとうございます。惣田さんにはNO YOUTH NO JAPANのポストのイラスト提供などもしていただいているので、嬉しいです。

惣田さんが国際女性デーのときに描いたNO YOUTH NO JAPANのポスト用のイラスト

「社会が誰かの好きなようにされちゃう」。東日本大震災で気づいたこと。

もも:記事の中でも書かれてましたが、惣田さん自身が具体的に政治を意識するようになったきっかけがあったのは、いつ頃でしたか?

惣田:なんだろう。最初に「政治のことをもうちょっと考えないと社会が誰かの好きなようにされちゃうのかな」と思ったのは東日本大震災の後です。「原発がなんでこんなにたくさん日本にあるのだろう」という疑問から辿っていくと、戦争から地続きのアメリカとロシアとの関係とか、当時からあった情報操作のことを本で読んだりして。知らない間に推し進められてきたものが今の生活に関わっていると知って、それからデモに行ったりするようになりました。

もも:デモに参加したり、政治にまつわる投稿をするようになったのはいつ頃だったんでしょうか? 最初はハードルが高いような気がしますが……。

惣田:自分は行けなかったんだけど、2011年に開催された高円寺の大規模なサウンドデモ(『4.10 原発やめろデモ』。1万5000人が集まった)が当時の自分の生活圏内で開催されて、仕事で身近な音楽界隈の人たちが参加していたこともあり、こういう方法があって、こういう風に声をあげていいのかって感化されました。その後から自分もデモに行くようになって。サウンドデモって路上を練り歩くんだけど、渋谷のデモに行ったときにその路上には普通に買い物に来てる人もいて、自分もさっきまでそちら側にいたのだけど、その温度差がすごく怖かった。原発反対に対してドクロとか爆弾のマークを掲げている人がいて、確かにその雰囲気は気が引けるというのも分かるし、そうしたメッセージは自分のテンションとは少し違う感じがしたんです。

だからそうではないものがあったらいいなと思って、その頃コンビニのコピー機でプリントできるネットプリントも流行っていたので、「投票に行こう」というメッセージを描いたポスターとかイラスト入りのデモ用プラカードも作ってみたりしました。その行動が正解なのか迷うこともあって、ニュースと照らし合わせつつ、政治に対しておかしいんじゃないかなってことを少しずつ発信するようになりました。

惣田さんが2013年参議院選挙時に作成した「投票へ行こう」ポスター

惣田:自分がおかしいと思うことを、いつもの自分のイラストでプラカードにすれば、普段仕事としてイラストを好きでいてくれたり見ていてくれてる人たちにも届けられるかなと思ったんです。ドクロや爆弾を描いたプラカードでは、メッセージに乗れる人は限られてくるから。特定秘密保護法と集団的自衛権のイラストを描いたときは、ネット右翼の人たちに叩かれることもあったけど。でも、その人たちが誹謗中傷として使う言葉っていわゆるネットスラングで、普段の会話で使うようになったらいよいよおかしくなってしまうのではないかなと思っていて。必要以上に傷つかないように気をつけてます。そういう悔しさもあったけど、「このプラカードがあったからデモに行けました」と言ってくれた人もいました。結局選挙が大事なんだけど、選挙があることも知らないっていう人も多いことに気づいて、選挙のたびに「GO VOTE(投票に行こう)」のイラストを描くようになりました。

惣田さんが描いた特定秘密保護法案反対ポスターと集団的自衛権反対ポスター

「GO VOTE」のイラストは選挙が行われるたびに描いている

PROFILE

NO YOUTH NO JAPAN
NO YOUTH NO JAPAN

「参加型デモクラシーをカルチャーに」をビジョンに掲げ、U30世代が政治や社会について知ってスタンスを持って行動するための入り口づくりを行う。U30のための政治や社会の教科書メディアをInstagramなどで運営するほか、イベントや記事の執筆を行っている。

惣田紗希
惣田紗希

グラフィックデザイナー/イラストレーター。1986年栃木県生まれ。2008年桑沢デザイン研究所卒業。デザイン会社にてブックデザインに従事したのち、2010年よりフリーランス。インディーズ音楽関連のデザインや装丁を手掛けるほか、イラストレーターとして雑誌や書籍を中心に国内外で活動中。

INFORMATION

連載:わたしたちのコトバで、政治を語る。
連載:わたしたちのコトバで、政治を語る。
NO YOUTH NO JAPANと話す。わたしたちのことは、政治的なこと

vol.1 生きやすくいられるはずの生活を求めるために、わたしは政治を語る。(デザイナー・惣田紗希さん)

イベント情報
イベント情報
オンライントーク「表現と政治」

グラフィックデザイナー 平山みな美、惣田紗希、編集者 岡あゆみの同世代3人で企画した、表現と政治のつながりを考え対話するオンライントーク。次回のテーマは「政治とイラストレーション」。2020年11月頃開催予定。
表現と政治|note

生きやすくいられるはずの生活を求めるために、わたしは政治を語る。(惣田紗希さん)

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(惣田紗希さん)

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