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映画『パピチャ 未来へのランウェイ』 アウファさんと語り合った会をレポート

映画『パピチャ 未来へのランウェイ』 アウファさんと語り合った会をレポート

社会の抑圧を、日本や台湾に住む読者とムスリムの女性で語る

2020年9〜12月 特集:自分らしく?
SPONSORED:『パピチャ 未来へのランウェイ』
テキスト:後藤美波
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移住の誘いに対するネジュマの答え。込められた監督の思い

劇中では、ネジュマが恋人から結婚してフランスに移住することを提案され、「私はここに満足している。闘う必要があるだけ」と答えるシーンがあります。恋人は「この国にいても殺される」と話し、申し出を断るネジュマに対して「チャンスをやると言っているんだ」と怒りを表します。

移住すれば今よりも自由を得られるかもしれないし、命の危険にもさらされないかもしれない。でもネジュマが「私の国はここ。家族も友達もいる」と話すように、ネジュマにとって大切なものがあるのはアルジェリアです。彼女の答えについて、アウファさんは「状況は全く違いますが、私は国籍はインドネシアで、人口の約90%をムスリムが占めるインドネシアの方が住みやすいと思うんです。それでも日本に住み続けるのは、自分がいま日本で行なっている活動に価値を見出しているというのと、自分の価値観が日本だから見出せたから、自分を信じてやっているというのはあります」と自身の経験と重ねて話しました。

さらに「彼女はここで暴力を受けていて、ヒジャブはつけたくないし、ミニスカートを履きたい。でも自分の国にいたい、それは絶対で。『ヒジャブをつけずに暮らせる国に行けたら良いじゃないか』というような話ではないんだなと。困難を選んだ彼女をすごく尊敬しました」と話してくれた参加者もいました。

『パピチャ 未来へのランウェイ』 © 2019 HIGH SEA PRODUCTION – THE INK CONNECTION – TAYDA FILM – SCOPE PICTURES – TRIBUS P FILMS - JOUR2FETE – CREAMINAL - CALESON – CADC

本作の配給会社クロックワークスの担当者によれば、このネジュマの言葉には、監督自身の体験と意思が反映されているのだそう。ムニア・メドゥール監督は、自身も90年代をアルジェリアで過ごしていましたが、映画監督であった父親の撮影現場でテロが起き、身の危険を感じたことからフランスに移住したという過去があります。監督自身は当時アルジェリアにとどまりたかったという思いが強く、フランスに移住後も、新しく触れる文化の国で人生を一から築いていくことに苦労を経験したといいます。また当時は外の世界を知らず、何があるかわからなかったし、自分の大切にしたいものは全部アルジェリアにあった、とも話していたそう。監督のそんな思いが、この作品とネジュマの物語には込められています。

『パピチャ 未来へのランウェイ』メイキング © 2019 HIGH SEA PRODUCTION – THE INK CONNECTION – TAYDA FILM – SCOPE PICTURES – TRIBUS P FILMS - JOUR2FETE – CREAMINAL - CALESON – CADC

最後に、10月に夢だったという自身のアパレルブランドを立ち上げたアウファさんからコメントをいただきました。アウファさんのブランド「RAFI'E by aufatokyo」は、肌やボディラインの露出を控えた「モデストファッション」のアイテムを揃えています。「自分の目標は服のブランドを出すということだけでなく、その服を通して自分が生きてるんだよっていうメッセージを伝えたい。少しずつ頑張れたらなと思います」と話してくれました。

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Bismillahirrahmanirrahim この度、「RAFI'E by aufatokyo(ローフィエ バイ アウファトーキョー)」という、オリジナルブランドを立ち上げました👏👏 生きる喜びを服を通して共有していく、という夢。 @zozotown さんのサポートのもと、実現することができました。ありがとうございます。Alhamdulillah. ブランドコンセプトは、肌やボディラインの露出を控えた、モデストファッション。 年齢、体型、宗教、信条など、あらゆる価値観を越境し、服のもつ色彩やディテールで女性の内なる美しさを引き出していくような、そんな服を考えました。 商品はこれから撮影予定で、私の自撮り作品とともにコーディネートを紹介出来たらと思います🥰 販売予定日は10月22日、是非ZOZOTOWNでブランドをお気に入り登録して、楽しみにお待ちください! This time, we have launched an original brand called "RAFI'E by aufatokyo" 👏👏 Sharing the joy of living through clothes is always been my dream. Big thanks to @zozotown for their support I can finally achieved it. The brand concept is modest fashion with less exposure of skin and body lines. I thought about making clothes that transcend all values such as age, body shape, religion, and beliefs, while bring out the inner beauty of women with the colors and details of the clothes. I'm planning to shoot the product from now on, hopefully I can introduce the coordination along with my selfie very soon❤️ The planned sale date is October 22nd InshaAllah , so please register the brand as a favorite at ZOZOTOWN and stay tune🔥🔥🔥

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2020年10月より、ZOZOTOWNによる「YOUR BRAND PROJECT」にて自身のブランド「RAFI'E by aufatokyo(ローフィエ バイ アウファトーキョー)」を立ち上げたアウファさん。宗教や信条、年齢、体型、あらゆる価値観を越境する、肌やボディラインの露出を控えた、モデストファッションを提案。

なおShe isでは2020年9~12月の特集「自分らしく?」にあわせて、本作を見た牧村朝子さんにお話を伺ったインタビュー「牧村朝子が語る。上から目線の『してあげる』にわたしたちは戦う」も公開中。こちらもぜひあわせてご覧ください。

「牧村朝子が語る。上から目線の『してあげる』にわたしたちは戦う」

映画『パピチャ 未来へのランウェイ』予告編

PROFILE

アウファ

自撮家。1994年生まれ、インドネシア人の両親のもと、東京で生まれ育つ。写真や映像、ファッションを通して、イスラム教を信仰する自分の生き様を発信している。好きな食べ物はプリンとメロンソーダ。日本に暮らすムスリムの若者を中心とした”真面目にふざける”集まり「ヤングムスリム倶楽部」や、ムスリム青少年の活動支援に取り組む団体「Olive」にも携わっている。

INFORMATION

作品情報
『パピチャ 未来へのランウェイ』

Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか絶賛公開中
脚本・監督:ムニア・メドゥール
出演:
リナ・クードリ
シリン・ブティラ
アミラ・イルダ・ドゥアウダ
ザーラ・ドゥモンディ
上映時間:109分
配給:クロックワークス

映画『パピチャ 未来へのランウェイ』公式サイト

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