1970年代から当時の若者のファッションシーンだけでなく、音楽やアートカルチャー、そして渋谷という街を牽引し、常に新たな刺激を発信してきた渋谷PARCO。2019年に建て替えが完了し、デザイナー、クリエイターなどの送り手と共感・共創しながらより新しい体験価値の提案を目指すことを掲げ、グランドオープンした新生・渋谷PARCOの1周年を記念して、期間限定ポップアップショップや10日間連続日替わり企画など、たくさんのスペシャルなイベントが開催中。
中目黒のカセットショップ・waltzとGUCCIのコラボなど、ハイブランドからインディペンデントな作り手まで、様々なカルチャーが混ざり合う渋谷PARCOの周年イベントの前日11月19日に行われたレセプションパーティーの様子をレポートします。
渋谷PARCO、リニューアルから1周年。カセットテープショップ「waltz」とGUCCIのインスタレーションも
渋谷PARCOの屋外、スペイン坂広場にこの日限定で登場したのは、ポルシェとアメリカの現代アーティストであるダニエル・アーシャムがコラボした『CRYSTAL ERODED PORSCHE 911』。
「劣化して侵食されても走れるような機能的な車を作りたい」という思いから、アーシャムはポルシェのアイコンである911の車体に彫刻とクオーツを取り入れ、時間を重ねて進化してきた強靭な車体内部を表現。そんな力強さと輝きをたたえた、アーシャムにとって初の駆動可能な作品が、最初にレセプションパーティーに迎え入れてくれました。
ポルシェとダニエル・アーシャムの作品を通りすぎ、1階のGUCCIが実施しているのは、ブランドのインスピレーションの源になった世界中の様々な場所を紹介するプロジェクト「グッチプレイス」にも選出された中目黒のカセットショップ・waltzとの初のインスタレーション。
ショップの奥にしつらえられた小部屋に入ると、今季のエピローグ コレクションのインスピレーションのひとつである1970年代の音楽をはじめ、アレッサンドロ・ミケーレのお気に入りのプレイリストをカセットテープとラジカセで楽しむことができるサロンのような空間が作られています。
ハイブランドのインスタレーションから渋谷直角さんと知人たちによるショップ、ジェンダーをとわないジュエリーなど幅広いラインナップが揃う1階
LOEWEではLAのアーティスト、ケン・プライスのカプセルコレクションを展開中。陶芸家/画家/ サーファーでもあったケン・プライスが、1970年にイースター島のヤシの木を描いたシリーズや、官能作品やサーフカルチャー、メキシコの民芸品などに影響を受けて制作した作品があしらわれたコレクションが展開されており、店舗空間全体を通してケン・プライスの世界観を楽しめます。彩り鮮やかでエネルギッシュなアイテムは、心を明るく照らしてくれるようです。
POP BY JUNではライター/漫画家/コラムニスト・渋谷直角さんによるポップアップショップ「BIRTH OF RELAXBOY~リラックス・ボーイ誕生~」が12月13日(日)まで開催中。
イラストレーターの伊藤敦志さんとのコラボアイテムや、直角さんが愛用していた12インチのレコードバッグを7インチに仕立て直して使っているというエピソードから生まれたオリジナルのレコードバッグが販売されているほか、直角さんとゆかりのある人が出品するスペシャルマーケットも。
様々なクリエイターやアーティストが参加しているそうですが、誰のものだったかは購入後にわかるようになっているんだとか。オールドアメリカンな空気をまとったおもちゃ箱のような店内にわくわくしてしまいます。
AHKAHでは新渋谷パルコオープンの際にもコラボしたジュエリーデザイナー・KOTA OKUDAさんのカプセルコレクションが登場。スターやチェーンなどの遊び心あるモチーフと洗練されたスタイルのバランス感が美しい、ジェンダーレスなラインナップになっています。
この日、AHKAHを訪ねたにちょうどKOTA OKUDAさんも在店。「大ぶりなデザインが好きで、石などは使わずにカットで光を生み出すデザインにしています」とそのこだわりをお話ししてくださいました。
その審美眼で世界的なコレクションブランドから気鋭のデザイナーズブランドまで取り扱うアパレルセレクトショップMIDWESTでは、パルコ1周年のこのタイミングで普段は取り扱いのないブランドのアイテムがお目見え。レースをふんだんに使用したmuller of yoshiokuboのロングドレスや、大胆なステッチが際立つdoubletのコート、そしてMame Kurogouchiの豊富なラインナップなど、ときめきを与えてくれるアイテムがひしめき合っています。
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