2階には「NO ART HERE」を掲げるインスタレーション作品が展示されたスペース
2階、ギャラリー、コンセプトショップ、アートトイの3つのジャンルが集結した新しいかたちのスタジオ2G TOKYOに展示されているのは、スペイン人アーティストのハビア・カジェハによるインスタレーション作品。
空間を自由に行き来するようなポップなスタチューは写真撮影OK。思わずシャッターを切ってしまう、大きな目のかわいらしいキャラクターが掲げているのは、「NO ART HERE(ここにアートはない)」というプラカードです。ギャラリーのなかに佇んでいると、そのメッセージに反して何かしらの意図を見出そうとしてしまいます。
パルコの公園通り入り口にはカジェハの別作品『Heads』の展示も。無邪気な表情の作品が投げかけるアートの意味とはなんなのか、考えてみてはいかがでしょう?
旧パルコの壁のかけらを量り売りで買えるChim↑Pomの展示、雑誌『relax』の回顧展『wanna relax?』が開催される4階
3階へ上がるとまず目に入ってきたのは、シューズブランドClarks ORIGINALSのポップアップショップ。デザートブーツ誕生70周年の記念モデル「デザートブーツ221」の発売にあわせ、この日限定でコラージュアーティスト/グラフィックデザイナーの河村康輔さんがライブパフォーマンスを実施。
ホワイトスエードの7つの靴紐のカラーリングを使って印刷された紙や月などのモチーフをコラージュし重ねていく様に多くの人々が釘付けになっていました。河村さんが「デザートブーツ221」そのものにペイントを施した作品も見ることができます。
4階のMeets by NADiffではChim↑Pomによる『KANE-ZANMAI』を展開。2014年に千円札専用の千円札自動販売機やゴミなどを素材にした作品を展開し、「商品」「作品」そして「価値」とはなんなのかを見る者に問うたこのプロジェクトが『KANE-ZANMAI 渋谷PARCO 2020』として繰り広げられています。旧渋谷パルコの看板や作品が展示され、店頭では旧渋谷パルコの壁のかけらの量り売りも行われています。
そして、そのおとなりのPARCO MUSEUM TOKYO。渋谷PARCO1周年、そして雑誌『relax』の復刊を記念して開催されているのが、回顧展『wanna relax?』です。
ところせましと並べられているのは、創刊当時のエピソードから歴代の表紙や読者だけに送られたノベルティ、誌面に起用された若木信吾さんや平野太呂さんの写真、マーク・ゴンザレスの連載のための本人とのやりとりの記録、貴重な原画や映像資料——その濃密な展示物を眺めていると『relax』の空気が当時のままの熱を持って立体的に迫ってくるよう。
展示物につけられたキャプションをひとつひとつじっくり読んでみると、驚いたりクスッと笑えたりする制作時のエピソードも満載。12月4日(金)から12月14日(月)は心斎橋PARCO、12月18日(金)から12月28日(月)は名古屋PARCOでの開催も決定。1階のHeaven by Marc Jacobsをはじめ、様々な店舗で販売されている、『relax』との限定コラボアイテムも必見です。
ここには書ききれないほどの、周年を祝うイベントが盛りだくさんの渋谷PARCO。10日連続の日替わりスペシャルイベントの最終日となる11月29日(日)には、She is主催の「BLIND BOOK DATE」も行われました。このイベントでは、Girlfriendsによる題名を隠した古本市や、モトーラ世理奈さん、吉澤嘉代子さん、和田彩花さんの朗読会&トークイベントを実施。後日、She isでレポートを掲載予定ですのでお楽しみに。
40年以上も前に生まれ、今も変わらずに私たちを動かしてくれるもの、そして、大禍のなかでも萌芽するクリエイティビティが、グランドオープン1周年を迎えた渋谷PARCOに集結しています。なかなか外に出る機会を得られなかった今年ですが、なにより健康第一で過ごしつつ、時にはファッション、アート、音楽や飲食、その極彩色の刺激を体感しに、渋谷PARCOに足を運んでみてはいかがでしょうか。
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