花束を持っている人とすれちがったときに、ふと幸せな気持ちになることはありませんか? その花束は誰かのために買ったものかもしれないし、自分のために買ったものかもしれない。どちらだったとしても、「おめでとう」という祝福の気持ちは花束を通じて他の人にも伝わっていくもののように感じます。
特集「それぞれの祝福を」に絵を寄せてくださった中村桃子さん。花束をしっかりと持った彼女の周りには、花々が広がっています。絵に込められた思いと、彼女の絵や陶芸作品に花のモチーフが出てくる理由について伺いました。
自分へのエールが周りにも繋がっていったらと思い描きました
・特集「それぞれの祝福を」のテーマをどのように解釈しましたか?
・作品に込めた思い、考え方は?
思うように好きなことができないコロナ禍で、今までは人に会ったりして、神経が外に向いていることが自分の喜びでしたが、家で自分と向き合う機会が増えて、自分がなにを大事にしていて、どうするとかなしくて、どうすると嬉しいか、新たな発見がありました。かなしみに暮れた自分の状態を頭で理解できたのがすごく嬉しかったことで、それもひとつの自分の中の「おめでとう」になりました。
テーマの「それぞれの祝福を」は、心健やかであるための日常的な自分に向けたエールのような、そんなイメージです。
自分へのエールが周りにも繋がっていったらと思い描きました。
年末に描いたこともあり、
凛とした気持ちで新年を迎えたく、落ち着いた色味になりました。
花は絵の中でも現実でも気持ちを安定させてくれる存在
・中村さんはよくお花を描いていらっしゃいますが、その理由は? 自分にとって、お花とはどのような存在ですか?
絵の中でも現実でも気持ちを安定させてくれる存在です。絵の中だと枯れないので、わたしのなかでの安定感、信頼感がすごいです………!
ちょっとだけ記憶に残るようなことができたらなとにやにやしながら考えます
・誰かを祝福するときに、自分を祝福するとき、どんなことをしていますか?
まめじゃないので大それたことはしませんが、ちょっとだけ記憶に残るようなことができたらなとにやにやしながら考えます。
自分へのお祝いのときは、一人より人を巻き込んで、大切な人と美味しいものを食べたり、どこかいったりすることが多いです。