紗倉まなが肯定する気持ちいい生き方「ときには逃げることも大事」

紗倉まなが肯定する気持ちいい生き方
「ときには逃げることも大事」

誰のために生きているわけではなくて、自分の人生を生きている

2017年11月 特集:ははとむすめ
インタビュー・テキスト:羽佐田瑶子 撮影:森山将人 編集:野村由芽
  • SHARE

親の育ってきた環境に思いを馳せることは、自分を理解することにも繋がります。

─家族というのは、不思議な存在ですよね。血がつながっていて、近いからこそ、それだけの関係だから遠く感じることもあって。

紗倉:そうですね。家族との関係を書くことが好きで、これまでも『凹凸』(2017年)や『最低。』で書いてきました。ひとりの人間の背景には、いろんな歴史や時間、人が存在していて、それらのさまざまなつながりが人格を形成しているとことに面白さを感じています。

もちろん家族だけが大きな影響を与えるわけではないんだけど、やっぱり自分が受け継ぐ血だけは何があっても自分で選択できないというのは大きいですよね。私は母親の子ども時代に出会うことはできないけれど、親の育ってきた環境に思いを馳せることは、自分を理解することにも繋がるなと。

紗倉まな『凹凸』(Amazonで見る

─紗倉さんご自身が母になる、ということは考えたりされますか?

紗倉:周りに結婚する人が増えてきて、自分の結婚観について考えるようになりました。前までは絶対に結婚したくないと思っていたんですよ。家事は全くできないし、旦那さんの両親と揉めたくないし、子どもも育てられるのか自信がないし。結婚しなくても付き合うだけで幸せだって思っていたんです。でも最近は、別に型にとらわれた結婚生活をなぞらなくていいし、機会があれば一回くらい結婚してもいいかなって思うようになりました。

よく「自分の子どもがAV女優になったら、認められますか?」と聞かれるんですけど、その立場に立っていないので、まだ自分のなかではよくわからなくて。原作を書いた『最低。』の映画を観て改めて、AVという職業を客観的に見られた部分もあります。まわりから見た自分や自分の職業を追体験できたというか。そういう経験を繰り返しながら、自分の将来はもうちょっと考えていきたいですね。

自分を傷つけない方法を知っている女性は魅力的。

─『最低。』における女性の描き方にしてもそうですが、紗倉さんはひとりの女性が選択する人生について、いろんな方向から考えられていますよね。『ミスiD』の審査員や雑誌のお悩み相談の連載も受け持たれていますが、さまざまな女性の内面を意識的に見ている紗倉さんにとって、魅力的な女性とはどのような方ですか?

紗倉:自分を傷つけない方法を知っている女性は魅力的だし、カッコイイなと思います。たとえば、私の周りにはネットに傷つけられまくっている人がとても多いんですよ。でもネットなら、情報の取捨選択で自分の傷つき具合を調整できますよね。なのに、周りを見ていると、特攻隊のようにわざわざ傷つく方向にドーンと進んでいく子がいるんですよね。私も、もともとそういうタイプなので気持ちはわかりますけど、いかに自分を傷つけないかに意識を向けられたら、とっても楽に、生きやすくなると思います。

─自分の心を守るためには、ときに逃げることも大事だという先ほどの言葉にも近しいですね。

紗倉:「逃げてもいいよ」って伝えたい気持ちが強いんでしょうね。傷つくことでしかわからないこともあるし、傷ついた経験が人の痛みの理解につながって、優しさに変わることもあります。でも傷つくことに慣れてしまうと、知らないうちにどんどん自らを痛めつけることになるんですよね。逃げかもしれないけれど、匿名でいろんなことを言われてしまう時代だから、自分で自分を守らなきゃいけないと思います。

私自身はエゴサーチもしないんですよ。ときどき、不慮の事故で心ない発言も目にしてしまいますけど、それは家のなかに出たゴキブリみたいなもの。見なかったことにして、そっと画面を閉じます。見ないようにすると、とてつもなく楽に生きられますよ。「傷ついていないのに、人のことなんてわかるか!」と言う人がいますけれど、全然そんなことないと思うんです。ハッピーな考えなら、ハッピーなままでいい。最終的に、最高の味方は自分しかいないわけですし、自分を肯定できるようになればすっと力がぬけて、楽になりますから。

PROFILE

紗倉まな
紗倉まな

1993年生まれ、千葉県出身。工業高等専門学校在学中の2012年にSODクリエイトの専属女優としてAVデビュー。2015年にはスカパー!アダルト放送大賞で史上初の三冠を達成する。テレビ出演や雑誌グラビアでも活躍し、『週刊プレイボーイ』(集英社)、『messy』(サイゾー)でコラム連載。著書に『最低。』『凹凸』(KADOKAWA)、エッセイ集『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)、スタイルブック『MANA』(サイゾー)がある。

INFORMATION

作品情報
作品情報
『最低。』

2017年11月25日(土)から角川シネマ新宿ほか全国公開

監督:瀬々敬久
脚本:小川智子、瀬々敬久
原作:紗倉まな『最低。』(KADOKAWA/メディアファクトリー)
主題歌:泉まくら“ふちどり”
出演:
森口彩乃
佐々木心音
山田愛奈
忍成修吾
森岡龍
斉藤陽一郎
江口のりこ
渡辺真起子
根岸季衣
高岡早紀
上映時間:121分
配給:KADOKAWA

映画『最低。』オフィシャルサイト

リリース情報
リリース情報
紗倉まな『最低。』

紗倉まな『最低。』(文庫)
2017年9月23日(土)発売
価格:605円(税込)
発行:KADOKAWA

Amazon

紗倉まな『凹凸』

2017年3月18日(土)発売
価格:1,296円(税込)
発行:KADOKAWA/メディアファクトリー

Amazon

紗倉まなが肯定する気持ちいい生き方「ときには逃げることも大事」

SHARE!

紗倉まなが肯定する気持ちいい生き方
「ときには逃げることも大事」

She isの最新情報は
TwitterやFacebookをフォローして
チェック!

RECOMMENDED

LATEST

MORE

LIMITED ARTICLES

She isのMembersだけが読むことができる限定記事。ログイン後にお読みいただけます。

MEMBERSとは?