占いは好きだけど、地図をもらったような感覚。結果は自分次第で変わるだろうなって思う。
ー験担ぎはされますか?
松井:決まった神社でおみくじを必ず引きます。あとは……思い当たらないですね。
ー占いはどうですか?
松井:占いは好きですけど、地図をもらったような感覚で、結果は自分次第で変わるだろうなって思います。おみくじの方が信じますね。ただ、子どもの頃から運がいい方だと思っているので、占いでも悪いことは言われないんです(笑)。
ー素敵な考え方ですね。運がいいと思っていることでいいことが舞い込んできたり、個々の性格によりますが、そういう考え方が運命の舵をいい方向に取る気がします。
松井:そうなんですかね。内面的にはネガティブで打たれ弱いのですが、起こったことに関してはわりとあっけらかんとしていて。そこでバランスを取っているんだろうなと思います。
ー学生時代にしてもお仕事の話にしても、自分自身で掴みたい「運命」を掴もうとしながら、運に身を任せるような「あっけらかん」とするところもあるのですね。「運命」と向き合うには、自分を知ることからはじまるのかなと思いました。
松井:私は「好きなものは好き!」と真っ直ぐに突っ走ってしまうタイプなんです。たとえばお芝居がやりたいとか、文章を書きたいとか、挑戦したいトピックがボンッと立つので、そこに向かってベクトルが真っ直ぐにのびていく。
目標に向かってひとつひとつ、コツコツと頑張るタイプの人もいれば、私のように「これだ!」と夢中になれるものを見つけたら真っ直ぐに勢いで走り出して、周りをまきこむタイプの人もいます。やり方はそれぞれですよね。
ーやりたいことはいくつも湧き出るのですか?
松井:いつもやりたい放題できるわけではもちろんないですけど、やりたいと思ったらそこに対して自分ができることを全部しようとしますね。
簡単なことよりは大変なことを選んで、一歩前に進むことを好みます。
ー人生は選択の連続で、「あのときどうするべきだったのか」という過去を振り返って、次の選択を決めることも多いと思います。運命は自分でコントロールできないようにも思えるし、自ら選んだ結果が運命をもたらすようにも感じられる中で、松井さんはどちらだと思われますか?
松井:どちらもあると思いますが、結局は自分で選んでいると感じます。いろんな選択肢がある中で、どこに進むかは、たとえ無意識だとしてもなにかしらのその人の選択が働いていると思います。
ー松井さんはどのような基準で選択をされていますか?
松井:大変なことが好きなので、簡単なことよりは大変なことを選びますね。絶対に無理なことや人に迷惑がかかることは選びませんが、すこし難しい方が新しい切り抜け方や方法を身につけられますし、失敗したとしても笑い話に昇華できるし、大変なことを選んで一歩前に進むことを好みます。「いばらの道大好きー!」みたいな(笑)。
ーそんなポップに(笑)。内省的な部分とあっけらかんと前を向かれている部分のバランスが、本当に絶妙ですね。
松井:初めてのことをやるのは楽しいですし、今まで知らなかった自分を知れたり、「ここまではできない」と自分の限界がわかることもある。誰かに頼むことを覚えたり、怒りの感情が生まれたとしても、次からは気をつけることができたり。ひとつひとつ経験することで、学んでいるのだと思います。
ー自分だけでなく、他人との関わりも運命を選択する上では大事ですよね。
松井:アイドル時代は決められた枠の中で、自分で覚えて自分で動いて、全部自分ひとりでやっている感覚がありました。でもお芝居はひとりじゃ作品をつくれないので、頼ることや人に気持ちを開く感覚は強くなりましたね。自分で決めて動くことと人に頼ること、その両方のバランスをうまくとっていくのが、大切なのかもしれません。
- 3
- 3