生き方が多様になってきた現代。だけどそのぶん、担う役割や責任が増えて、頑張りすぎてしまう女性も少なくありません。身体の負担で見過ごせないのは、月1回のブルーデイ。生理中の女性に、少しでも自分らしく、ポジティブに過ごしてほしい――「ソフィ ORGANIC® オーガニックコットン」シリーズは、そんな思いから生まれました。ナプキン、ライナー、タンポン、サニタリーショーツが揃っており、デリケートゾーンに当たる部分やタンポンの表面材に、やさしい肌ざわりのオーガニックコットンを使用しています。
生理でなくても、生きづらかったり、窮屈さを感じたりする場面はどんな人にもあるものです。これからはもっと、自分をうまくいたわりながら生きていく術を身につけていきたい。そこで、「#じぶんにいいこと」というハッシュタグでひとりひとりの声を集め、世界を少しでもやさしく、自分たちにとって愛すべきものにするために私たちには何ができるのかを考える企画を実施。同時に、個人が生きやすい世界をつくっていくための活動に幅広く取り組む犬山紙子さんと、オーガニックコットンシリーズの開発に携わったユニ・チャームの長井千香子さんに、お話を聞きました。
イライラや落ち込みはPMSのせいであって、自分の性格のせいではないということもよくわかりました。(長井)
―まずは、これまでご自身の生理とどんなふうに付き合ってきたか、聞かせてください。犬山さんはいかがでしょうか?
犬山:私は生理前になると、イライラして、眠くなって、吹き出物が出ます。生理痛そのものは、横になったり、薬を飲んだりすればなんとかなる程度。だから眠いときが一番つらいですね……。朝のテレビ番組でコメンテーターをしているとき、眠そうにするわけにはいかないので、そのときにPMS(月経前症候群)だと本当にしんどいです。
―自分がPMSだと気づいたのは、何がきっかけだったんですか?
犬山:友人が「私はPMSがひどいからピルを飲んでいる」と言っていたことですね。生理前や生理中の症状って、個人差が大きいでしょう? だから薬を飲まないと緩和できないほどつらい人がいるんだ! と知って、しばらくは「じゃあ、そこまでつらくない私はPMSじゃないはず」と思っていたんだけど……やっぱりイライラも落ち込みもあったから、他の人の体験談も聞いてるうちに、あ、私もPMSなんだなって思えて。原因がわかったことで対処ができるようになったので、知識を得られてよかったなと思いますね。
―PMSだと自覚してからは、具体的にどんな対処をされているんでしょう。
犬山:まずは、生理だということを夫に伝えています。それまでは原因がわからなかったから、イライラしたタイミングで、つい夫にぶつけてしまっていたんです。もちろんそんな自分も嫌で、自己嫌悪してしまう悪循環。でもPMSだとわかってからは「そろそろ生理が来るからイライラしたり言葉が過ぎちゃうかもしれないけど、それは本心じゃないから! ごめんね!」と先に謝っています。そうやって保険をかけておいて、夫の気持ちを整えておいてもらうんです。
―長井さんはいかがでしょうか。生理との付き合い方、なにか工夫されていますか?
長井:15年前にユニ・チャームへ入社してから、私にとって生理は仕事として向き合っているものなんです。入社してすぐのころは、業務の一環として、日々の心身を記録していたこともありますよ。
今日は×、今日は○みたいにマークを選ぶだけの簡単なデータなんだけど、2年分くらい記録が溜まると「あ、私ってこういうバイオリズムがあったんだ」って見えてきて。心身の状態にそれぞれの波があるのは当たり前だし、イライラや落ち込みはPMSのせいであって、自分の性格のせいではないということもよくわかりました。
―「性格のせいではない」というのは大事ですよね。
犬山:昔から「女はヒステリーだ」みたいなことを言われてきているぶん、イライラするのは自分の感情の欠陥なのかなって思い込まされちゃうんですよね……。
長井:わかります! でも、PMSという用語の浸透などによって、本当はそうではないという理解が少しずつ進んできているのは、うれしいことですね。私自身も、長い間悩まされてきましたもん。子どもに授乳をしているときは生理がないため、私の場合はPMSもなかったんです。その期間はすごく心が安定してパワー全開だったのに、授乳をやめて1か月後、久しぶりに生理がくるとき、すぐ察知しましたからね。あの懐かしい「しんどい奴」が来る! って(笑)。
生理って自然な身体の現象。タブーにする理由がわからないし、生理に伴う不調を話すことだって全然恥ずかしくないはず。(犬山)
―まずは、自身の生理について自分がちゃんと理解することが大切なんでしょうね。傾向がつかめていれば、対策を考えられる。長井さんみたいに、一定期間だけでも自分のことを記録してみるのはすごくよさそうです。
犬山:メモが一番いいですよね。「私はこういうときに怒っちゃうんだ」「こういうトリガーで落ち込むんだ」とか、時間帯や天気、誰と一緒のときに多いとか、すべてのことって日々の記録で紐解かれる。でも、記録しようと思ってもなかなか続かないから、最近はTwitterやInstagramをメモ代わりに見返したりしています。
―SNSは確かによさそう。そうやって自分を把握したあとに、周囲にも理解してもらえるようなコミュニケーションができたら、ずいぶんしなやかに生きていけそうですね。
犬山:そうですね。でも10~20代のころは、生理の話を男性にすることすら抵抗がありました。恥ずかしくて、彼氏にも言えなかった。デート中に替えたナプキンの捨て場所が見つからなくて、持ち帰ったこともありますもん(笑)。
―昔は、どうして恥ずかしかったんでしょう。
犬山:昔の世の中には、女の子が自分のつらさを主張すると「面倒くさい女」「メンヘラ」って思われる空気があったと思うんです。いまは私、メンヘラって言葉も嫌いなんですけど。だから、彼氏に面倒くさいと思われたくなかったし、生理の話をするのははしたないみたいな印象もありました。だけど、それなりに自立をしたいま改めて考えてみたら、生理って自然な身体の現象なんですよね。タブーにする理由がわからないし、生理に伴う不調を話すことだって全然恥ずかしくないはずなんです。だからこの恥ずかしさは、女の子にかかっている「小さな呪い」のひとつだなっていまは思います。
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