山崎まどかが語る「ロマンティックであることは生きる力であり希望」

山崎まどかが語る「ロマンティックであることは生きる力であり希望」

86歳の米最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグの魅力

2020年1・2月 特集:これからのルール
インタビュー・テキスト:飯嶋藍子 撮影:佐藤麻美 編集:野村由芽
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アメリカに、86歳の今も活躍するルース・ベイダー・ギンズバーグさんという最高判事がいます。女性やマイノリティの権利のために寄与し続け、若き弁護士時代から現在に至るまでアメリカの法を変えてきた彼女は、ドキュメンタリー映画『RBG最強の85歳』(2018年)が制作されることからもわかるように、アメリカの国民的なアイコンです。

She isでは1・2月の特集「これからのルール」のギフトでお送りするオリジナルプロダクトとして、文筆家の山崎まどかさんと一緒に、通称“RBG”が法衣にまとっているつけ襟から着想した「胸に掲げる勇気みたいなつけ襟」をつくりました。

このつけ襟を糸口に、これまで女性の文化を見つめ続けてきた山崎さんが考える「これからのルール」を紡いでいくために必要な精神性、そして山崎さんが肯定する「ロマンティック」なもののパワーについてもお伺いしました。“RBG”が法廷に自分のColor/Collar(カラー)を持ち込んだように、ひとりひとりが自分自信のルールを決めていけるように。

つけ襟が入っている2月のギフト「これからのルール」のページはこちら(お申込みは2/29まで)

「私が生きている間にせめて4人は女性の最高判事が生まれてほしいし、その女性たちも多様なバックグラウンドであってほしい」と語るアメリカの最高判事の存在

つけ襟をつくることになり山崎さんが最初に思い浮かべたのが、今回のつけ襟のアイデアの元となった、アメリカ最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグさんのことでした。

山崎:ギンズバーグさんはいつも法衣に素敵なつけ襟をつけているんです。フランスのアンティークものだとか、世界中のつけ襟をコレクションしていて、専用のクローゼットまで持っている。それがすごく素敵だなと思っていて。「これからのルール」という特集でつけ襟をつくることになったときに、ギンズバーグさんは最高判事ですからやっぱりいちばんルールを変える人だし、ぴったりだなって。

ルース・ベイダー・ギンズバーグさん/山崎さんが「つけ襟の歴史を調べてみたら17・18世紀のヨーロッパで貴族の男の人がつけていた胸飾りに『ジャボ』というものがあり、それをのちに女性もつけるようになった背景を知った」ということから、今回はジャボをモチーフにつけ襟を制作。

最高裁判事という権威ある立場にありながら、その象徴である法衣にファッションアイテムをプラスして楽しむギンズバーグさんの姿勢は、山崎さんの目にどううつっているのでしょう?

山崎:彼女はアメリカで最高裁判事になった2人目の女性で、女性やマイノリティの権利のために活動してきた人。彼女は「私が生きている間にせめて4人は女性の最高判事が生まれてほしいし、その女性たちも多様なバックグラウンドであってほしい」と言っていでもます。今はトランプ大統領の時代なので、もしも彼女が辞めてしまったら、保守派の最高判事が代わりに任命されてしまう可能性も低くない。だから彼女は86歳の今もなお、何度もがんにかかりながらも、トレーニング健康を維持しでながら現役を続けているんです。

ギンズバーグさんは、ファッションで意思表明・自己主張をしているそうなんですよ。審議に対しての賛成・反対っていうステートメントによって、その日のつけ襟が違う。法衣というのはユニフォームだけど、彼女はジャボをはじめとしたさまざまなタイプのつけ襟をつけて、自分らしさをオフィシャルの場で打ち出しているのがすごくいいですよね。だから今回はギンズバーグさんのエッセンスを取り入れながら、彼女のオマージュになるようなつけ襟をつくりたかったんです。

She is2月特集「これからのルール」のギフトボックスに入れてお届けするギンズバーグさんオマージュの「胸に掲げる勇気みたいなつけ襟」。彼女のつけ襟のなかで、最も象徴的なデザインのものから着想。

既存のものに自分の考え方とかオリジナルなものをひとつつけ加えることはとても大事。

なにかを制限されたり、縛られたりするようなネガティブなイメージもまとっている「ルール」という言葉。しかし山崎さんは、既存のルールは「自由」という段階にステップアップするために大切なものだと捉えています。

山崎:たとえば「人を傷つけちゃいけない」というのもひとつのルールだし、全てのルールが悪いわけじゃないですよね。でも「法律で決まってるから」「前例がある/ないから」「ルールだから」……みたいに決まり切ったことをやり続ける口実にされたり、言い訳にされたりマイナスになるような側面もある。でも法律の歴史を見ると、法律って社会に合わせてどんどん変わっていってるんですよ。だから「ルールがないのがいい」っていうより、「ルールは変えていけるものだ、ルールは絶対じゃない」という考え方が私はしっくりきます。

2月特集「これからのルール」でお送りするopnnerのタトゥーシールとあわせてつけてもすてき

今回のつけ襟も、「ひとつのイメージに縛られないものにできた」と語ります。

山崎:一見ロマンティックな雰囲気のつけ襟なのですが、着脱することで気分が変わるし、カジュアルな服ともすごく相性がいいと思います。オーガンジーの袋がついてくるので、カバンに入れておいて、1日のなかでつけたり外したりして楽しんでほしいですね。外的要因と関係なく、自分自身で自分をロマンティックにすることも、そうじゃなくすることもできるのがいいかなと思っています。

ギンズバーグさんが法衣につけ襟を足しているように、既存のものに自分の考え方とかオリジナルなものをひとつつけ加えることはとても大事です。ファッションだけではなく、たとえば文章もそう。最近、海外の記事をただ翻訳して丸写しにしたような記事を目にすることがあります。私は書き手が自分でなにも調べていない、引用元の記事に対して独自の新しい視点がないものをそのまま発表することには疑問があって。私自身も海外の記事や書籍を引用したり参考にしたりするので気を付けているのですが、、なにを引用するにしても、そこに自分だけの感性やオリジナリティが入っていないと自分の仕事にはなりえないんじゃないかなと個人的には思うんです。

PROFILE

山崎まどか
山崎まどか

15歳の時に帰国子女としての経験を綴った『ビバ! 私はメキシコの転校生』で文筆家としてデビュー。女子文化全般/アメリカのユース・カルチャーをテーマに様々な分野についてのコラムを執筆。著書に『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)『女子とニューヨーク』(メディア総合研究所)『イノセント・ガールズ』(アスペクト)共著に『ヤングアダルトU.S.A.』(DUブックス)翻訳書にレナ・ダナム『ありがちな女じゃない』(河出書房新社)等。

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