自分の感情を単純に感情として説明するのではなく、なにが自分の感情を動かしているのかをちゃんと調べるのは大事。
さまざまな制限や障壁があるなかで、希望を抱き続けるのはタフなことでもありますが、山崎さんは『雨に唄えば』などで知られる映画監督、スタンリー・ドーネンの死をきっかけに、自分の生き方の姿勢を改めて強く思い出したのだそう。
山崎:スタンリー・ドーネンが2019年に亡くなったときに、彼の作品のような明るくてかわいくて、「他愛のない」って言われるものーーロマンティックコメディやハッピーエンドで終わる映画を何よりも愛していて、そういうものに大きな価値を見出すのが私のスタンスだったと、強く思い出したんです。明るくてロマンティックなものを基盤として生きたい、そういうものを追求して推薦していきたいと改めて思いました。
直接的に政治的な行動をするだけじゃなくて、明るいものやかわいらしいものを信じることも、社会をよくするために役に立っていると私は信じています。「イマイチだ」とか「よくなかった」と切り捨てられることが多い作品に関しても、そのなかに楽しめるディテールやポイントを見つけられるほうが、人生は得だと思うようにしていて。発見できる喜びは多い方がいい。自分が見つけて美しいと思えるもの、愛を抱けるものの良さをなるべく上手に伝えていきたいですね。
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