誰かの生きる姿勢や活動を見て、思わず応援してしまいたくなってしまったことは、ありませんか。その相手は身近な人だったり、手の届かない距離で輝く存在だったり、さまざまだと思いますが、応援したり、されたりすることは、お互いに少なからず力を分け与えあって、日々の足取りを軽やかにしてくれる糧になるもの。
She isと“キットカット”によるコラボレーション企画<わたしが応援するあの人たち。そこから生まれる景色。>では、She isのGirlfriends8名が、応援したいと思う個人を紹介。それぞれが、同じ時代に、共に頑張りたいと思える人たちと対話を行なっていきます。
今回、登場してくれたGirlfriendsは、『ginzamag.com』はじめ雑誌などで活躍するファッションエディターの大平かりんさん。ファッションとそれにまつわるお買い物に並々ならぬ情熱を注ぐ大平さんが、ファッションやお買い物に対する考え方の面で「手を取りあえる二人だと思った」と紹介するのは、スタイリストの井田正明さんと、大阪のセレクトショップ「visit for」の買い付けのお手伝いなどを行うucoさんのお二人です。
ひと口にファッションが好きだといっても、人それぞれの熱量や愛の方法がありますが、つくり手に敬意を表し、ブランドの歴史や動向までをも徹底して追い続け、ファッションシーン全体を応援するような強い思いを寄せる部分で共鳴するこのメンバー。ファッションは自由なものだけど、あらゆるカルチャーがそうであるように、深く、濃密に知ることで、さらに自由になることができる。そんなファッションの楽しみ方を垣間見ることができる、熱気あふれる鼎談となりました。
*出演者並びに関係者の健康面の管理、撮影状況の衛生面の管理を徹底した上で撮影を実施しております。
Instagramにアップした「着ている服」で繋がった3人の共通点は、服をたくさん買うこと
ー今回「応援」というテーマで座談会をすることになったときに、大平さんから「たくさん買い物をする人と話したい」というお話をいただいて、井田さんとUCOさんを紹介してもらいました。まずはみなさんのつながりについて教えていただけますか?
大平:それぞれInstagramで出会ったんです。井田さんからはインスタでメッセージをもらって。
井田:かりんさんのことはもともと『GINZA』で知っていて好きだったんですけど、オバマ大統領のTシャツを着ている写真をかりんさんがアップしていたときに、僕も同じTシャツを持っていたので「ファンです!」的な感じでやり取りをさせてもらって。
大平:井田さんとUCOさんは今日が初めましてですよね。UCOさんとはいつかお会いしたいなと思っていたんですけど、私も今日初めて会えました。UCOさんは、私がほしいと思っていたNAMACHEKOというメンズブランドのニットをインスタにアップしていたのを見て、他の投稿も見てみたら「好きなブランドや持ってるものが一緒だ!」と思って。
UCO:私は『GINZA』でかりんさんの存在を知っていて。たまたまNAMACHEKOを着ていたことで、インスタでフォローしてもらって嬉しいなと。
大平:UCOさんは多分いま、世の中で一番ワードローブが近い人だと思う。
UCO:実際、かりんさんが今日着ていらっしゃるTシャツを私も持っています(笑)。
自分独自の男性性の表し方ってどういうものなのか、いつも考えるんです。(井田)
ーおお、それはすごいですね。今日の皆さんのコーディネイトについても教えていただけますか?
井田:今日は自分がいま気になっているブランドのシャツを選んできました。僕、全身コレクションブランドを着られるくらい洋服を持ってるんですけど……。
大平:自慢!
一同:(笑)。
ースタイリストさんですものね……!
井田:コレクションブランドとリーバイスをミックスするような着方が僕は好きで。男の人の洋服の着方って、様式美が重視される気がするんですけど、僕はそれが嫌なんですよ。それと合わせて、僕は洋服を選ぶときに、自分独自の男性性の表し方ってどういうものなのか、いつも考えるんです。
だから、「今日はちょっと攻めた服を着よう」とか「上品にいきたいな」とか「このアイテムを着たい」みたいなテーマを一つ決めたうえで、デニムとか、スウェットとか、革靴みたいに、僕にとって男性性を感じるベーシックなアイテムを合わせています。僕はそういう自分の決まりごとがあるなかで自由に洋服を着たいなと思っているんですけど、かりんさんのコーディネイトってすごく自由さがあるんですよ。
大平:おお、ありがとうございます。
井田:かりんさんのコーディネイトってすごくカルチャーを感じさせるんだけど、いい意味でキャッチーさがあって。もっと突き詰めすぎて真面目になっちゃう人も多いなと感じるのですが。
ーその「真面目さ」というのは先ほどおっしゃっていた、様式美を重んじるような感覚ですか?
井田:そうですね。例えばデニムにミリタリー、ジャケットにパンツといった「ワークスタイル」や、スーツのようにルールがあるものを着ることが「男らしさ」だという風潮もなかにはあって、そういう美学もあると思うんですけど、もし個人が「男性性」ということを表現したいとなったときに、もちろんそれだけが表し方じゃないと感じていて。
そういうふうに男の人のファッションってどこか決まりきってしまうところがあって、その様式美も個人的には好きなのですがもう少し自由で良いと思ってて。そんななかでかりんさんは自由に洋服を着ている感じが面白いなと思って、勝手に共感しています。自由な人を見ると、後押しされるような気持ちになりますよね。
何かのスタイルに偏った服装があんまり好きじゃない。(UCO)
ーUCOさんはいつもお洋服をどのように決められているのですか?
UCO:今日もパンツがそうなんですけど、メンズのアイテムが好きなので取り入れることが多くて。何かのスタイルに偏った服装があんまり好きじゃないんですよね。だからミックスしたくて、ヴィンテージも着るし、男の子の服のお店にも行くんです。今日はかりんさんが事前にリクエストしてくれたので、Chopova Lowenaのトップスを着てきました。
大平:前にインスタに載せていたのを見ていたので、手を回しました(笑)。私もすごく好きなブランドだから、ぜひ着てきてほしいなって。
UCO:着ると気分がめちゃくちゃあがりますよね。
大平:あがります! 見たことないフォルムで、「着てやるぞ!」みたいな気持ちになるし、Chopovaみたいに新しいブランドは、買うことでそのブランドを応援する感覚も強いです。
K-POPって、よくアイドルにハイブランドの服を着せてブランディングするんですけど、IZONEの新しいMVでは全員Chopovaのスカートを履いていたんですよ。ファッションっていろんなカルチャーと紐づいているので、K-POPみたいに大きなムーブメントがリンクしていたりするのも面白いところです。
ちなみにUCOさんはChopovaの服、何着くらい持ってるんですか?
UCO:うーん……5着くらい?
大平:日本に入ってきてまだ3シーズン目なのに、5着持ってるってすごくないですか……。
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