誰かの生きる姿勢や活動を見て、思わず応援してしまいたくなったことは、ありませんか。その相手は身近な人だったり、手の届かない距離で輝く存在だったり、さまざまだと思いますが、応援したり、されたりすることは、お互いに少なからず力を分け与えあって、日々の足取りを軽やかにしてくれる糧になるもの。
She isと“キットカット”によるコラボレーション企画<わたしが応援するあの人たち。そこから生まれる景色。>では、She isのGirlfriends8名が、応援したいと思う個人を紹介。それぞれが、同じ時代に、共に頑張りたいと思える人たちと対話を行なっていきます。
タトゥー文化を広める活動をする、opnnerのKaho Iwayaさんが声をかけたのは、GLIM SPANKYのボーカル・ギターの松尾レミさんと、墨田区で観葉植物店、Green thanks supplyを営む小川武さん。タトゥー、音楽、植物というそれぞれの方法で、生活を豊かに彩るものをつくることや、ものづくりにおける予期せぬこと、想像を越えることの魅力について、たくさんのあたたかな共感が飛び交う時間となりました。
また、心の拠りどころになるようなものを求める気持ちが高まるタイミングでもある、この状況。日々の暮らしを照らす作品や場をつくってきた三名は、どのようにいまを過ごしているのでしょうか。
opnnerのタトゥーシールは自分を彩ってくれる、お守りみたいな存在なんです。(松尾)
ーIwayaさんから「応援したい人」ということで紹介いただいた松尾さんと小川さんですが、お二人のどのような部分に共鳴されているのでしょうか。
Iwaya:レミさんとの出会いは、私がつくったタトゥーシールをつけてくれていたことがきっかけなんですよね。
松尾:タトゥーシールをつけた写真をインスタにアップしたら、その写真をIwayaさんがコラージュしてくださったんです。とにかくデザインがめちゃくちゃかわいくて、opnnerのタトゥーシールは自分を彩ってくれる、お守りみたいな存在なんです。そんなとき、ちょうど武道館のライブが控えていたので、Iwayaさんとコラボしてグッズをつくりたいなと思ってお声がけして。
Iwaya:そのときは嬉しくて泣きました。最近、ずっと家にいてしんどくなったときに、GLIM SPANKYさんの“大人になったら”をお風呂で歌っていて。心の支えにさせてもらっているんです。GLIMさんの曲は、怒っていたり、悲しんでいるタイミングで聴いたときに頑張ろうと思える曲が多いなと思います。あと、私は音楽を聴くときに、その場の景色との組み合わせを重んじているところがあって。それがぴったり合っていると「いま私、映画の主人公みたい!」っていう感覚になるんですけど、GLIM SPANKYさんの“美しい棘”はどこかからの帰り道に聴いてすごく「これだ!」ってなりました。そんな風にいつも聴かせてもらっていて、「応援する」というとおこがましいですけど、それで今回レミさんをお誘いさせてもらいました。
お店に行って選ぶときに、「この子は持って帰ります!」って、思わず言いたくなるような何かが小川さんのところの植物にはあるんです。(iwaya)
ー小川さんとIwayaさんはもともとお友達だそうですね。
Iwaya:友達の家に行くたびに、植物が増えているなと思っていたら、Green thanks supplyさんで買ったと聞いてお店の存在を知って。その後、『RAW TOKYO』というイベントに自分が出店したときに、小川さんも出店していて、知り合ったんです。そこからお店にも行くようになりました。お店に行くたびに「なんでこんなに買っちゃうんだろう」と思うんですけど、植物一つ一つに愛でたくなるような、いきいきした感じがあるんですよね。だから友達でありつつ応援していて。
松尾:インスタで写真を見たんですけど、こんなに素敵なお店があるんだって思いました。この状況が落ち着いたらぜひお店に行きたいです。ちょうどいま部屋に置く植物を探していて。
Iwaya:ディスプレイとか装飾のお仕事もされているんですけど、それもめっちゃかっこいいんですよ。
小川:とんでもないです、本当に……!
Iwaya:植物に優劣はないけど、お店に行って選ぶときに、「この子は持って帰ります!」って、思わず言いたくなるような何かが小川さんのところの植物にはあるんです。私は買い物をするとき、人からおすすめされて買うことが多くて。だから、友達からGreen thanks supplyさんをすすめてもらって、小川さんとも喋ったすえに買ったことによって、思い入れがすごく付加されているところもあって、なんの変哲もない植物だったとしても、大切に育てたくなるんです。小川さんはいつもこうやってほめたりすると「やめてくださいよ」って照れるんですけど(笑)。
小川:嬉しいかぎりです(笑)。もともと、自分の親が観葉植物の仕事をしていたんです。ほかの場所から仕入れている植物もあるんですけど、基本的には父と母が千葉の方で何十年も育ててきた植物たちを見てもらう機会をつくるためにオープンしたお店で。築年数もよくわからないような長屋を借りて、工事中の現場でほこりまみれになって寝ながら、設計からなにから、自分で手がけて空間をつくったんです。僕のお店は希少植物を集めて売っているわけではないですし、なんならホームセンターにあるような植物です。でも、生活の中に植物が一つあるだけで豊かになると思ってやってます。
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