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自主隔離中の自分の姿を記録する。異なる国々から集まったセルフポートレート

自主隔離中の自分の姿を記録する。異なる国々から集まったセルフポートレート

SNSの呼びかけで集まった約4000のモノクロ写真

テキスト:後藤美波
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オリヴィア・ガトウッドはアメリカ・ニューメキシコ州アルバカーキ出身の詩人で作家、アクティビスト。これまでにHBOやBBCなどでパフォーマンスが取り上げられ、スポークンワード公演はオンライン上で累計300万回再生を記録しています。国内外でパフォーマンスを行なう彼女は新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンが始まってから、カリフォルニアの自宅で『Girls Of Isolation』と題したプロジェクトを立ち上げました。

それは、自主隔離のさなかにある女の子たちからセルフポートレートを募るというもの。専用のInstagramアカウントで世界中から集まった白黒のセルフポートレートをコラージュにして公開しています。現在までに150近いコラージュが掲載され、フォロワー数は1万6000を超えています。またオリヴィアはプロジェクトのスタート後しばらくしてから、『Girls Of Isolation』は「girl」という言葉に親近感を感じるすべての人を歓迎するインクルーシブな空間であり、その言葉はどのように解釈しても構わない、とするメッセージを公開しました。

世界の異なる場所でそれぞれに自主隔離の時を過ごす人々。本プロジェクトはその貴重な記録であると同時に、プロジェクトの参加者やフォロワーにとっては世界のどこかで自分と同じ孤独や不安を抱えている人がいることを感じられる、心の拠り所のような場所にもなっているようです。She isでは『Girls Of Isolation』のプロジェクトについて、オリヴィア・ガトウッドにメールでお話を伺いました。

キッチンで下着姿のまま買ってきた食料品を出していて、深い悲しみを感じたんです

『Girls Of Isolation』を始めるきっかけは、オリヴィアが自主隔離の期間になってから初めて、食料品の大がかりな買い出しに行って戻ってきたときのこと。元救急隊員である近所の人に、二次汚染のリスクを増やさないよう玄関で服を脱いでおくことをアドバイスされ、それに従ったのだそうです。

「キッチンで下着姿のまま買ってきた食料品を出していて、現実離れした本当に深い悲しみを感じたんです。そこで私はそれをセルフポートレートによって捉えることにしました」

彼女はその写真に『Self-Portrait of a Lady in Quarantine(隔離中の淑女の自画像)』というキャプションをつけ、自分のInstagramに投稿しました。

「そうしたらフォロワーの女の子たち数人が、自分のバージョンを作って投稿し始めたんです。それで、もっと多くの女の子たちに呼びかけて、自主隔離中の自分のポートレートを送ってもらおうと思いました」

『Girls Of Isolation』より

はじめは集まっても50件くらいだろうと思い、送られてきたものをコラージュにして一度に投稿しようと考えていたそう。ところが予想に反して呼びかけてから24時間足らずで、数百もの写真が集まりました。

「どれもすごく美しくて、どれかを省くなんて考えられなかった。そこで、集まった写真をキュレーションして載せるために、専用のInstagramのページを作りました」

『Girls Of Isolation』より

『Girls Of Isolation』に参加するには、白黒のセルフポートレートを送ることが条件になっています。ランダムにコラージュされた白黒のセルフポートレートは、画面のなかの時間や場所の感覚を曖昧にします。

「私は一人ぼっちだったので、セルフポートレートが唯一の選択肢でした。白黒にしたのは、憂鬱や恐怖の感覚に包まれていた私の気分を反映しているんです」

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