女性特有の悩みを、ファッションの力で自分と向き合う楽しみに変えていく
生理やPMSなど女性特有の悩みは、女性が毎月向き合わなければいけない課題。なのに、何かと話しづらいトピックなので、情報交換できる機会はなかなかありません。心や体の不調があっても相談できず、我慢するのが当たり前になってしまっていませんか?
ジャーナルスタンダードなどを扱うベイクルーズで働く一人の女性が中心になって立ち上げた「EMILY WEEK(エミリーウィーク)」は、そんな女性特有の悩みをファッションの力で自分と向き合う楽しみに変えていく、女性のバイオリズムに寄り添ったライフスタイルをデザインする新ブランド。デリケートパッド(布ナプキン)のほか、リラックスできるアロマグッズやハーブティーなどを取り扱っています。写真をSNSにアップしたくなるほど素敵なプロダクトが並んでいて、洋服やコスメのように選ぶ楽しさがあるのが新鮮です。
「もっと気軽に女性特有の悩みについて話す場があれば」という思いから、EMILY WEEKとShe isのコラボレーションイベント『女性のバイオリズム相談室』が10月5日(木)に開催されました。EMILY WEEKを立ち上げた柿沼あき子さんのほか、女性の体に詳しい美容ジャーナリストの柏谷麻夕子さん、価値観をアップデートするさまざまなプロダクトに精通されているファッションコンサルタントの市川渚さんの三名でトークセッションを実施。モデレーターはShe is編集長の野村由芽がつとめました。
ファッションの力で憂鬱な期間も前向きになれることを伝えたかった
イベントは、9月15日(金)から11月18日(土)までオープンしている期間限定のコンセプトショップ「EMILY WEEK青山店」で開催。トークはEMILY WEEKが生まれたきっかけの話から始まりました。
野村:柿沼さんは、ベイクルーズに転職して2年目にEMILY WEEKを提案したんですよね。She isも、女性二人で自主提案した場所なので、共感するところが大きくて。
柿沼:はい。ファッションの力で憂鬱な期間も前向きになれることを伝えたくて、会社の「スタートアップキャンプ」という新規事業提案コンテストで提案しました。ベイクルーズの前はIT企業で働いていたんですが、夜遅くまで働いていたせいか、PMS(月経前症候群)が重くなってしまったんです。生理中は、仕事を頑張りたいけど頑張れない。そんな期間をどうやって乗り切ろうかと、いろんなアイテムを探して使うようになったところ、ほんの少し意識を変えるだけで、毎月楽しく過ごせることを実感したんです。
市川:EMILY WEEKのアイテムは、初めて見るようなデザインのものばかり。わたしも、「sisiFIILE」のオーガニックコットンのナプキンとEMILY WEEKオリジナルのデリケートパッドを購入したのですが、レースがあしらわれていたりして、とっても素敵で。まさか生理用品をInstagramにアップする日がくるなんて思いませんでしたね(笑)。
市川渚さんはInstagramで買った商品を紹介
柿沼:生理用品って、ドラッグストアで買うと紙袋で厳重に隠されちゃいますよね。EMILY WEEKでは、それを絶対にしたくなかったんです。見えても恥ずかしくないアイテムにしたかったので、ファッション性やデザインにはこだわりました。
時代に合わせて進化していく生理用品。電気刺激で生理痛の痛みを軽くするアイテムも
生理用品にファッション性を加え、これまでのイメージを変えていくことにチャレンジするEMILY WEEK。これまで、生理用品はどのように変化してきたのでしょうか? 少し振り返ってみましょう。
明治大正時代の女性は、「月経帯」や「丁字帯」と呼ばれる布をサニタリーショーツのように使い、脱脂綿で経血を吸収させながら生理期間を過ごしていました。現在主に使われている紙ナプキンの礎となった「アンネナプキン」が日本に誕生したのは、1961年。衛生的で、手軽に使えるという革命的な商品は、女性の社会進出の後押しをしてくれました。
紙ナプキンのほか、タンポンや布ナプキン、さらに今ではシリコン製の「月経カップ」といった新しいプロダクトも登場したことで、現在は生理期間中のスタイルを自分で選べるようになってきています。
野村:生理用品も時代に合わせて進化しているんじゃないかと思います。海外でも、面白いアイテムがあったりするんでしょうか?
市川:わたしは、貪欲に新しいものを使っていくタイプ。昨年クラウドファンディングで購入していた「Livia」が、ようやくこの春届いて。お腹に装着するタイプのガジェットで、電気刺激で生理痛の痛みを軽くしてくれるんです。とても人気で、製造が追いついていないらしいです。
柏谷:美容業界でも、デリケートゾーンのケア製品が増えていますね。海外に比べ、日本では性器まわりのケアってあんまり触れられてこなかった。でも、そこをなんとかしないと女性のQOL(生活の質)が上がらないことを、伝える人や気づく人が増えてきたんじゃないかなと思います。メインとなるのはウォッシュですね。皮膚科の先生に取材をすると「石鹸で大丈夫です」とおっしゃるんですが、デリケートゾーン専用のものを使うことで、自分自身をもっと大事にする意識が芽生えるんじゃないかなと思います。
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