富士山、どうぶつ、元祖・線香花火。日本の伝統美を洒脱にリデザイン
・「花富士」
まるで本物の活火山のように、富士山の先端から炎が激しく吹き上がる「花富士」。頂上から山腹にかけて描かれた銀色の線に炎が反射することで、斜面をマグマが滑り落ちていく迫力まで再現しており、噴火が終わり周囲に煙がたなびく様子には荘厳さすら感じられます。噴火の前半で見られる青い火花は、通常の花火よりも高温を出さなければ表現できない色なのだとか。首尾一貫した美しさに息を飲む傑作。パッケージは青と赤の二種類、お好きなほうを選んでも、二色を比べてみるのも粋です。
・「動く龍花火」
日本各地に古くから伝わる郷土玩具には、動物の体型や動きの特徴を捉え、紙・土など様々な素材を用い巧妙に表現がされたものが数多存在します。そんな郷土玩具をテーマに、これまでにない動きや表情のある花火を提案している「どうぶつはなびシリーズ」の商品のひとつが「動く龍花火」。
炎を吹きながら、体を左右にくねらせて空を舞う龍を花火で表現。なんと業界初の可動式で、左右に約60度動きながら1メートルほどの火花を吹き出すそう! 迫力に満ちた商品ですが、水色と赤で施された龍の顔や鱗、また背中にいる子供は見入ってしまうほど丹念に描かれており、火をつけることに躊躇してしまうほどです。
・「吹き上げる 鯨花火」
こちらも「どうぶつはなびシリーズ」。大きな体から豪快に潮を吹き上げる鯨の様子が、見事に表現されています。パッケージに描かれた鯨の表情がなんとも誇らしげで、眺めているうちに愛着が湧き、いつまでも飾っておきたくなるような秀逸なデザイン。この商品は今年、アジアを対象とした優れたパッケージやデザインに贈られる賞、『Topawards Asia』を受賞しました。
・「西の線香花火 スボ手牡丹」
「東の線香花火 長手牡丹」と東西セットで販売されている線香花火の中から、「西の線香花火 スボ手牡丹」をチョイス。今では色鮮やかな紙縒りのものが主流ですが、稲藁の芯(スボ)の先に火薬をつけてつくられるこのタイプが線香花火の原型で、約300年形を変えずに残っています。米づくりが盛んな関西地方には藁が豊富にあったため、このスボ手牡丹は関西地方を中心に親しまれてきたのだとか。現在国内でこの花火を製造しているのは「筒井時正玩具花火製造所」のみとなり、原料も今では貴重なものとなってしまいましたや、歴史を守ろうという熱い思いから、原料集めや職人の育成に至るまで力を注いでいるそうです。
「斜め上に向けて使用する」といったわたしたちの常識を覆す西の花火は、芸術品のような美しい花火であるだけでなく、多くの人の手によって現存している日本の財産です。