西加奈子らが選んだ本と、眠る前の気分に寄り添う香りのアドバイス

藤原麻里菜、前田エマ、MICO、たなかみさき、西加奈子選

2019年3・4月 特集:夢の時間
SPONSORED:アロマリッチ
インタビュー・テキスト:飯嶋藍子 編集:竹中万季
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眠りにつくとき、どんな気分だったら心地よくいられるでしょう?

頭を空っぽにしてリラックスしたい、答えのない大きなことをぼんやりと考えたい……。今日を終え、明日を迎える自分のために大切にしたい眠りにつく前の時間。She isでは、藤原麻里菜さん、前田エマさん、MICOさん、たなかみさきさん、西加奈子さんの5人に、「眠る前に読みたい本」をそれぞれ1冊ずつ選んでいただきました。

そして、忙しい毎日を過ごす女性たちに自分自身を見つめ直す時間として「香りにつつまれる心地よい眠り」を届けたい、という思いから生まれた柔軟剤のアロマリッチのキャンペーン「SLEEP WITH MY AROMA」と連動し、アロマリッチの香りの開発を行っているライオン株式会社 香料科学研究所の高橋典子さんに、Girlfriendsが選んだ本から見えてきた眠る前のさまざまな時間の過ごし方に合わせた香りのアドバイスもいただきました。

豊かな睡眠を誘う、心地よい時間を過ごすためのヒントにしてみてください。

深沢七郎『言わなければよかったのに日記』/「アーと思っている自分自身を少しだけ笑えるようになる気もします」(藤原麻里菜)

『言わなければよかったのに日記』(著:深沢七郎、発行:中央公論新社)(Amazonで見る

ふとんを被りながら「アー」と唸るときがあります。
眠る前の数分間、何と何が繋がったのかは分からないけれど、急に恥ずかしかった出来事を思い出してしまうときがあります。あそこでなぜ、あんなことを言ったのだろう。私はなぜ、こんなにも恥が多い人間なのだろう。頭の中は、そのことでいっぱいになり、それを「アー」という唸り声でかき消そうとするのです。

深沢七郎の『言わなければよかったのに日記』は、そんなアーがつまった本です。尊敬する文壇の大御所たちにしてしまった粗相や、いろいろ考えた末の変な行動。そんな自分を省みて、アーと思う自身の心境が書かれています。作家の正宗白鳥に対して、「お酒の菊正宗とご関係が?」と、恐る恐る聞いて「関係ないよ」とピシャリと言われてしまったり。「なぜこんなことを言ってしまうのだ!」と、思うエピソードばかりですが、飄々とした書き口に、ふとんの中でクスクスしてしまいます。

人のアーを知ることはあまりないですが、この本を読んでいるかぎり、人のアーこそ笑えるものはないなと思います。そして、アーと思っている自分自身を少しだけ笑えるようになる気もします。アー。(藤原麻里菜

村田沙耶香『きれいなシワの作り方~淑女の思春期病』/「今日の私を肯定してくれ、明日の私を励ましてくれる」(前田エマ)

『きれいなシワの作り方~淑女の思春期病』(著:村田沙耶香)(Amazonで見る

この本は『コンビニ人間』が話題となった村田沙耶香さんのエッセイをまとめたもの。

大人になっても、誰もが心のどこかで大人に対して反抗心を持っている。それは大人という漠然としたイメージに対しての、染まれなさや、疑問でもある。「大人であることがしっくりこない」という気持ちを隠すことなく、一生懸命に考えることは、かけがえのない「大人の青春の1ページ」になる。

他人と違うかもしれない性癖や、理解を得難い結婚観が私にだってある。そういった愛おしくて面倒くさい私を、イケイケドンドンしてくれるエッセイの数々が、今日の私を肯定してくれ、明日の私を励ましてくれる。

私は村田さんの『しろいろの街の、その骨の体温の』という小説を、もう20回くらい読み返している。この小説はなぜか「変わってるね」とよく言われてしまう私の色んな価値観を「それで全然オッケーだよ! むしろ万々歳だよ!」と私を守ってくれるような小説だ。あの頃よりも大人になった私を、今度はこの本が守ってくれるような気がして、眠りにつく前にページを開いて勇気をもらうのだ。(前田エマ

鶴谷香央理『メタモルフォーゼの縁側』/「いつかお婆さんになった私のことなどをあてもなくぼんやり考えたりする」(MICO)

『メタモルフォーゼの縁側』(著:鶴谷香央理)(Amazonで見る

夜、眠りにつく前を意識できる日というのは、時間がゆっくり流れた日だけで、毎晩訪れるわけではない。少し貴重で、少し特別な夜だ。けれど、少し意識するだけで自分で作り出すこともできる。
そんな夜に私は、幼い頃の私のことや、もっと大人になった私のこと、そしていつかお婆さんになった私のことなどをあてもなくぼんやり考えたりするのが好きだ。

『メタモルフォーゼの縁側』は75歳の老婦人がたまたま書店でBL漫画を手に取ったことがきっかけで、書店員の女子高生と友達になるという、なんとも今風だけれどもほんわかするストーリーなのですが、学生の頃の私なら、きっと書店員の女子高生に感情移入して物語を読み進めたはずが、ちょうど今の年齢では女子高生と老婦人のどちらの気持ちにも感情移入できて、そのギャップに時の流れの儚さや美しさを感じずにはいられませんでした。優しい絵柄と共に、自分の未来を想像する旅路へと橋をかけてくれるようなストーリーが、いい夢を見させてくれそうな暖かい心地にさせてくれます。(MICO(SHE IS SUMMER)

小島功『ヒゲとボイン Forever』/「あなたが居ないそんな夜は笑っちゃうくらい明かりを小さくして布団に入りながらヒゲとボインを読ませてよ」(たなかみさき)

『ヒゲとボイン』(著:小島功)(Amazonで見る

いきなりですが、淫夢を見たい! と強く思っていた時期があって、眠りにつく前にセクシャルなモチーフの読み物をちらほらと読んでいる時期がありました。

『ヒゲとボイン』はエロをモチーフにしながらも、ピューっと爽快な風を感じさせるような漫画で、登場キャラクター達がなんとも愛らしく、女っていいな、男っていいな、女ってどうしようもない、男ってどうしようもないな、となんだか微笑んでしまいます。

そうそう、エロスってユーモアだなって思い出させてくれるような作品。
これを読んだら、なんだか風通しの良い淫夢が見られそうな予感がするのです、あなたが居ないそんな夜は笑っちゃうくらい明かりを小さくして布団に入りながらヒゲとボインを読ませてよ。(たなかみさき

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』/「せめて暗くなってからは、世界のことに思いを馳せたい」(西加奈子)

『戦争は女の顔をしていない』(著:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ、訳:三浦みどり、発行:岩波書店)(Amazonで見る

明るいうちは利己的だ。忙しさや情報量の多さにてんやわんやして、自分の手の届く範囲のことばかり考えている。だからせめて暗くなってからは、世界のことに思いを馳せたい。自分の想像の及ばない範囲にも手を伸ばしたい。

『戦争は女の顔をしていない』は、著者であるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチが聞き取りを行った500人以上の従軍女性の語りからなる。本だからもちろん活字ではあるけれど、文字を追ってゆくと、いつしかそれが声になる。彼女たちの声はもちろん一人一人違う。可憐であったり、勇敢であったり、絶望していたり、怒っていたり、悲しんでいたり。死の匂いが充満していた世界で、彼女たちはそれぞれの生を間違いなく生きていた。

例えばこんな声が、耳から離れない。
「どうして私は生き残ってしまったんだろう。誰のご加護なのか? 何のためなのか? こういうことを語り伝えるためかしら……」
読むのが苦しくても、その苦しみごと抱えて眠ろうと思う。恐ろしい夢を見ても、それが現実に起こったことなのだと知っていたい。そしてその現実は、もしかしたら私たちのものだったかもしれないのだ。(西加奈子

おなじ眠る前という時間でも、どんな時間として過ごしたいかは十人十色。Girlfriendsが選んだ本に寄せた言葉からも、その時間に大切にしたいことは一人ひとり違うということがわかりました。さまざまな言葉、さまざまな思考で、今日と明日をつなぐ夜の時間。今回、そんな時間をより豊かにするための香りのアドバイスをいただきました。

PROFILE

藤原麻里菜
藤原麻里菜

1993年生まれ。メイカー、文筆家、映像作家。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。
頭の中に浮かんだ不必要な物を何とか作り上げる「無駄づくり」を主な活動とし、YouTubeを中心にコンテンツを展開している。代表作に「インスタ映えを台無しにするマシーン」などがある。YouTubeNextUp2016年入賞。

前田エマ
前田エマ

1992年神奈川県うまれ。2015年春、東京造形大学を卒業。オーストリア ウィーン芸術アカデミーに留学経験を持ち、在学中から、モデル、エッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、その分野にとらわれない活動が注目を集める。芸術祭やファッションショーなどでモデルとして、朗読者として参加、また自身の個展を開くなど幅広く活動。現在はエッセイの連載を雑誌にて毎号執筆中。

MICO
MICO

エレクトロポップユニット“ふぇのたす”のボーカル“みこ”としてメジャーデビュー。
2016年4月より“MICO”のソロプロジェクト“SHE IS SUMMER”として始動。
同年8月1st E.P「LOVELY FRUSTRATION E.P.」をリリース、リード曲「とびきりのおしゃれして別れ話を」は、YouTubeの再生回数が210万回を突破するなど、
リアルなガールズマインドと独特の世界観が支持され、高感度な音楽ファンから熱い視線を浴びている。
同年6月には、待望の2nd E.P.「Swimming in the Love E.P.」をリリース、タワレコバイヤーによる名物企画6月度邦楽”タワレコメン”にも選出。

2017年11月に発売された1st ALBUM「WATER」は、オリコンウイークリーインディーズチャート3位、i-tunesエレクトロチャート1位を記録。
2018年3月から初の東名阪ワンマンライブ「WATER TOUR」が全公演SOLD OUTを記録。
今春”ユニクロ”の2018SS ブラトップのWEB CMに歌唱、出演するなど多岐に渡る活動が注目を集めている。

たなかみさき
たなかみさき

1992年11月14日生まれ。埼玉県出身日本大学芸術学部を卒業後、熊本に移り住みフリーランスのイラストレーターとして活動。2017年春からは東京に拠点を移し主にグッズ制作、出版物に関わりながら活動中。お酒、歌謡、哀愁をこよなく愛し、それらは作品の中で色気を匂わせている、誰もが感じた事のある、あの青春を追い求めて。

西加奈子
西加奈子

1977年、テヘラン生まれ。2004年、『あおい』でデビュー。07年、『通天閣』で織田作之助賞を、13年、『ふくわらい』で河合隼雄賞を、15年、『サラバ!』で直木賞をそれぞれ受賞。18年、最新短編集『おまじない』を刊行。その他の作品に『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』など多数。

INFORMATION

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SLEEP WITH MY AROMA BY AROMA RICH

世界にひとつだけのオリジナルデザイン、ルームウェア&ランドリーボトルをプレゼントするキャンペーン。このキャンペーンに参加した方に、She isが編集した「夢」をテーマにした小冊子もプレゼントすることになりました。ここでしか読むことができない、吉澤嘉代子さんに特別に書き下ろしていただいた「よい夢を見るための詩」のほか、彼女が選んだ「よい夢を見るために読みたい3冊」も紹介。

<当選ギフト>
オリジナルルームウェア&ランドリーボトル:200名様
ランドリーボトル:1000名様

<応募期間>
2019年2月1日(金)~3月31日(日)
SLEEP WITH MY AROMA|アロマリッチ
吉澤嘉代子さんの詩をプレゼント。「夢」をテーマにした小冊子 - She is [シーイズ]

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アロマリッチは、天然アロマオイル配合の奥深い香りが心まで届くアロマ柔軟剤です。奥深く上質な香りとの相性を追求した新・アロマカプセルを配合。動きにあわせてカプセルがはじけ、1日中やさしく香り続けます。
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柔軟剤のソフラン公式アカウント (@Soflan_Official) | Twitter

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