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言葉にできない思いを代弁するキャラクターを描く、あけたらしろめ

シロとメロという双子のキャラクターに思いを託す

2019年7・8月 特集:やすみやすみ、やろう
テキスト:ときとう藤花 イラスト:あけたらしろめ 編集:竹中万季
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慌ただしく過ぎゆく日々に夏の暑さもあいまって、体力も気力も、どうしたってすこしずつ消耗してしまいます。そんな中でリズムと勘をとりもどすためには、なんといっても休息が不可欠。気後れせずにじょうずにやすむ方法を身に付けることができたら、より人間らしい日々を送ることができるはずです。「やすみたい」から「やすみます」へ、羽をどこまでものばして眩しい季節へ。

今回は「憩い」を感じさせる絵を描く作家と、その作品をご紹介します。長いながいおやすみや、頭のなかだけのショートトリップなど、休息の方法は様々。あなたに合ったやり方で自身に宿る野生のきらめきを見つめ、澄みわたったきもちで暮らすためのヒントとなれば幸いです。

「シロ」と「メロ」という双子のオリジナルキャラクターをはじめとしたモノクロイラストを描く、あけたらしろめさん。アルバムアートワークやwebサイト・グッズ・ロゴデザイン制作、ライブペイントなど幅広く活動を行なっています。また、イラストをフォント化して配布する『シロメグリフ』、エコー写真をイラスト化するサービス『エコー画』、共有スペース併設の『あけたらしろめのアトリエ』運営など、ユニークなプロジェクトを多数発信しています。

彼の描く絵のテイストは、見ていると思わず脱力してしまうような愛らしいものから、細部まで緻密に描き込みが行われたダイナミックなものまで様々です。そしてそのどちらもが共通して親しみやすく、心に残るインパクトを秘めています。取るに足らない些細な場面も、冒険的な場面も、等しくかけがえのない瞬間としてそこに光っているのです。

今回は、部屋で休息をとっている人物の絵を三枚ピックアップしてご紹介します。絵を描く中で意識していることを尋ねてみると、こんなコメントが返ってきました。

シロとメロという双子のキャラクターを描き始めたことで、僕の制作の毎日がスタートしました。彼らは僕の頭の中で生きていて、生活したり、会話したり、なにかを探して冒険しています。僕はシャッターを切るように、彼らの世界を覗き込み、見えたものをイラストにしています。

僕にとって絵を描くことは、シロとメロをこちらの世界に具現化すると同時に、彼らの姿を通じて、観察者である自分の視点、そこに込められたメッセージを発信することに他なりません。言葉にすることができない思いを、彼らに代弁してもらうのです。

要するに悲しいとき、寂しいとき、僕は無意識に、穏やかで健やかなシロとメロの姿を描き、救われたような気持ちになるのです。

言葉にすることができない思いに向き合う時間を設けることは、ときにはとても重要です。「やすむ」というのは単に体の疲れを癒し娯楽に耽るだけでなく、脳の中で保留にしている疑問や懸念をほぐし、精神的に羽を伸ばすことでもあります。何かに行き詰まり浮かない気分になったときには、あなたにとっての「シロ」と「メロ」に思いを馳せてみてはいかがでしょう。素直な声や、思い掛けないヒントを囁いてくれるかもしれません。

PROFILE

あけたらしろめ
あけたらしろめ

モノクロ画家。2011年多摩美大卒。シロとメロという双子のキャラクターをモチーフにした作品で作家活動を展開。2018年に「あけたらしろめのアトリエ」をオープン。夢はこどもに愛される絵本を作ることと、美術館を作ることです。

10月にはじめての個展を開催します。遊びにきてね!
10/9 ~ 10/27
平日12:00~20:00 土曜日11:00~20:00 日曜祝日11:00~19:00 月曜休
東京都杉並区西荻南3-21-7 ヨロコビto Gallery Cafe ArtCard
ACCESS – ヨロコビto Gallery / Cafe / ArtCard

ときとう藤花

町歩きと買い物が趣味の編集アシスタント

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