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図鑑のような迫力の私服絵日記を描き続ける、ニシイズミユカ

四季がある日本は最高のランウェイなのかもしれない

2019年9・10月 特集:よそおうわたし
テキスト:ときとう藤花 イラスト:ニシイズミユカ 編集:竹中万季
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わたしたちは、日々よそおいながら生きています。季節にあわせて、気分にあわせて、ときには役割や職業にあわせて。人間はまとうものを着脱できて、なりたいものになれるし、やり直すことができる。すきなものを身につけて、その瞬間の自分の存在を証明しよう、わたしがわたしでいることを、心ゆくまで謳歌しよう。

今回は「よそおい」にまつわる絵を描くイラストレーターと、その作品をご紹介します。どんな理由から、どれを選んで着てもいい。社会と個人のあわいにある「よそおう」という行為について、それぞれの思考や実践、表現を見ながら共に考えてみましょう。

服と生地のデザイナーを経て、現在はイラストレーターとして活躍するニシイズミユカさん。今回はそんな彼女の作品から、定期的に掲載されている私服日記にフォーカスを当ててご紹介します。

お出掛けのシチュエーションやコーディネートのポイント、それぞれのアイテムの微細な魅力が書き込まれた記録の数々は、絵日記を通り越し、まるで図鑑のような迫力です。そして中には「ZARA」や「H&M」など、取り入れやすい価格帯のブランドの品物も多数。気軽に参考にできそうな点も、惹かれる要素の一つです。

Instagramに掲載されているイラストには「大好きな神保町で古書店を回るため動きやすさを重視したメンズライクなコーディネート」や「富士登山の際に購入したゴアテックスの薄手ブルゾンをタウンユースしたコーディネート」など、実用的で計算されたスタイルが並んでいます。四季があり、表情の異なる街がせめぎ合う日本は、思えば最高のランウェイなのかもしれません。気分・気温・街並みなどあらゆる情報を指針として、日頃から有意義によそおって歩けたら素敵ですね。

「思わず描き留めたくなるよそおいとはどういうものか、そしてよそおうことの醍醐味とは何か」という質問をニシイズミさんにしたところ、こんなコメントが返ってきました。

私が考えるよそおうことの醍醐味は、いまの自分を肯定し、新たな可能性を見出してくれることだと思います。よそおうことは単純に自身を美しく彩るだけでなく、時に悩みやコンプレックスに寄り添い、今まで気づけなかった自身の引き出しを開けてくれます。お気に入りの服を身につけた時、よそおうという行為を通してほんの少し前向きな気持ちになれるような気がします。私は街ゆく人々からよそおうことの楽しさや可能性を感じた時、思わずペンをとるのかもしれません。

よそおいとは単純な娯楽ではなく、個人の陰にも寄り添うものだからこそ奥が深いのかもしれません。服が持つ可能性や、それらがもたらす希望は、日々広がり続けています。なりたい自分に近付ける日や、まだ見ぬ新しい自分に出会う瞬間が、きっとこれから訪れるはず。明るい予感や実感を噛み締めながら、よそおうことを楽しみたいものです。また、彼女のInstagramには、私服日記だけでなく街ゆく魅力的な人々をスケッチした投稿も数多く掲載されています。ぜひ合わせてご覧になってくださいね。

PROFILE

ニシイズミユカ
ニシイズミユカ

静岡県浜松市出身。東京都内在住。ファッション・テキスタイルデザイナーを経てファッションイラストレーターとして活動中。女性ファッション誌のイラスト、企業の商品パッケージまで手がける。Instagramにて日々の服装日記などのイラストを更新中。

ときとう藤花

町歩きと買い物が趣味の編集アシスタント

図鑑のような迫力の私服絵日記を描き続ける、ニシイズミユカ

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