生活や文化など、幅広い領域で「美」を考え続けてきた資生堂が国や業界をこえ、最先端の技術を融合させながら美のひらめきを追求していく場所として横浜・みなとみらいにオープンした、資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)。そのS/PARKを会場に、音楽や映画、トークなどのカルチャーなどを楽しむイベント『She is BEAUTY DAY』が2019年11月30日(土)に開催されました。
「美しい」とはどういうことなんだろう。価値観が急速に、そして多様に変化していく今だからこそ、様々な切り口から自分なりの「美しさ」を見つけたい。そんな風に思っている方も多いのでは?
当日は、ミランダ・ジュライが監督をした映像作品『アマチュア』『HAYSHA ROYKO』の上映からスタート。さらにShe isのGirlfriendsである長田杏奈さんがオーナーとなり、ゲストとともに美について語らう『She is BEAUTY TALK』に加え、シンガーソングライター永原真夏さんのミニライブ&トークも行われました。
今回はそんなスペシャルな1日の様子をレポート。さまざまなジャンルのカルチャーに触れることは、きっと美のひらめきを得るきっかけになるはずです。
まずは、Girlfriendsの長田杏奈さん、ヘア&メイクアップアーティストの小田切ヒロさんにご登場いただいた『She is BEAUTY TALK』からお届け。ビューティー界の第一線で活躍するお二人が考える「美」とは? 2020年の春新色の話まで、盛りだくさんです。
「華やかさ=美」と考えがちな中、メイクアップアーティストが捉える本当の「美しさ」
野村(She is):お二人はプライベートでも仲がよく、お互いがリスペクトし合っているとうかがいました。その理由をお伺いできますか?
小田切:杏奈先生とは美に対する価値観が似ているんですよね。僕が伝えたい「美」や「美容」が何かということを、説明しなくても汲み取って下さるから、一緒にお仕事をする上で心から信頼できるんです。
長田:小田切さんは美に対して、ご自身もストイックに取り組んでいて。ちょっといい加減なところがある私とは、一見違うタイプに思われるかもしれないのですが(笑)、心の中でピュアなものをよく見ているというのは共通しているような気がします。フェイクなものが嫌だとかね。
小田切:美容ってどうしてもパッと見て華やかで綺麗なところにばかり目がいくけれど、本当の美はそういうことじゃないんだよね。パーソナリティや生き様を、いかに外見の部分で表現しているかだと思う。僕はメイクテクニックよりもむしろそういう部分ばかり見ちゃうな。もちろんメイクやお顔立ちが綺麗だなと思う方もいるんですけれど、そうじゃなくてもなぜか惹きつけられる人っているんですよね。
長田:そういう見方をすると、美って年齢が上がると減っていくものじゃなくって、すごくフェアで希望のあるものになるよね。小田切さんは大人の女性の美しさというものに対しては一家言あると思うんだけれど、パーソナリティや生き様って例えばどういう部分に出るんだろう?
小田切:意識でいいんですよ。座り方ひとつ、鞄の使い方ひとつでもそう。あと僕が思うのは、コスメポーチ。
野村:コスメポーチですか?
長田:そうそう。ポーチを小田切さんに見せたら、その人のことが占えちゃうんだよね!
小田切:美容の仕事をしているからなのか、コスメポーチを見せてもらうと、ポーチの状態やコスメの使い方、ブランドのセレクトなどから、この人ってこういうタイプで、恋愛観はこうでって、全部わかっちゃうんですよ。逆を言えば、コスメポーチってそのぐらい人が出るんです。だから、そういう部分からちょっと意識を変えてみるというのはすごくいいと思います。
長田:他にも大人の女性に対して小田切さんがよく見ているところってある?
小田切:「余裕」かな。余裕がその人の雰囲気を作っているんだなとすごく感じますね。これはお金の余裕のような話ではなく、キャリアの余裕。20代まではがむしゃらに生きていいんですね。むしろその一生懸命さが可愛かったりするけれど、30歳を超え、経験やキャリアを積んで下に若い子たちがいる状況で必死感が出ていると、他人を疲れさせてしまうこともあると思うんです。余裕がある人ってまわりの人を心地よくさせるんですよね。そうなれば、仕事だけじゃなく恋愛や結婚関係も好転するよね。
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