池田澄子・佐藤文香
作品に寄せて(池田澄子・佐藤文香)
私があなたの隣にいて、同じものを書こうとしているとしても。
それぞれが自分らしい書き方を突き詰めれば、ひとつの言葉の歴史に別々の新しい一枚を重ねることができます。
俳句では、季節の言葉を季語と呼び、とくに大切にしています。
季語をきっかけに過去の作品を受け取り、自分の作品をつくる。
するとまた誰かが、季語を媒介にして、私たちの作品を受け取ってくれる。
みんなが季語にアクセスしながら読み、書くことで、俳句の世界は深まってきました。
同時に、俳句が書き継がれることで、季語という日本語が育まれてきたのです。
私たちは一句書くたびに、日本語のありようを更新していきます。
たまたま今、日本に生きているからには。
【作品一覧を見る】池田澄子・佐藤文香、石田真澄、片岡メリヤス、最果タヒ、たなかみさき、はらだ有彩、和田彩花による「わたしと日本、再発見。」
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