日本で生きることを8名の女性が作品に「わたしと日本、再発見。」

日本で生きることを8名の女性が作品に
「わたしと日本、再発見。」

ひとりひとりが日本で生きることに向き合った作品たち

テキスト:野村由芽 展示企画・進行:竹中万季、野村由芽、柏木良介
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最果タヒの詩「母国語」

話し声のために、ぼくは黙る、きみが話す、
きみの家族が話す、きみの友達が話す、
きみの敵が話す、きみの恋人が話す、
ぼくは黙る、
血の中にあるのは血が海だった頃の記憶、
海が川だった頃の記憶、
流れていた小川に、詩を書く人が立っていて、
秋の小川について詩を書いた、
ぼくのなかにある花束を、
ぼくは差し出したいだけだった、
身体に触れてほしいわけでもなかった、
声を聞いてほしいわけでもなかった、
声を届けてほしいわけでもなかった、
ぼくはぼくの体の中に
ずっと入れている花束を差し出したかった、
それを守るためにどれだけ、
気をつけて生きているのかあなたは知らない、
苛立たないで、と言われる、
何に怒っているの?と問われて、
ぼくは、全人類が怒り狂っていると感じた、
きみはぼくを嫌いなんだろう、
そうわかっても、傷つかない部分があって、
そこには花が密集している。
愛という言葉の意味を知らないが、
使い続け使われ続けていつの間にか、
手を伸ばせばそこにある言葉になった。
あなたはそれを詭弁と言うが、
ぼくは神様がこの世界を作るとき、
同じ感覚だったに違いないと、
思っているんだよ。
海と言っていたらいつのまにか、
海に触れていた、
花と言っていたらいつのまにか、
花に触れていた、
ぼくはぼくの命を宝物だと言いながら、
生き続けている。

話し声のために、ぼくは黙る、きみが話す、
きみの家族が話す、きみの友達が話す、
きみの敵が話す、きみの恋人が話す、
ぼくは黙る、
きみの花束を見せてもらいたくて。

【作品一覧を見る】池田澄子・佐藤文香、石田真澄、片岡メリヤス、最果タヒ、たなかみさき、はらだ有彩、和田彩花による「わたしと日本、再発見。」

PROFILE

池田澄子
池田澄子

1936年3月25日鎌倉市生まれ。戦時中、父の故郷の村上へ転居。1944年、父が戦病死。のち結婚まで新潟市で暮らす。言葉を書くことが好きだったが俳句には全く関心がなかった。1975年頃、偶然に目にした阿部完市の俳句に驚き俳句に関心を持ち、俳句を作り始め堀井鶏の「群島」に入会、堀井鶏逝去。三橋敏雄の俳句を知り私淑、のち師事。2001年、三橋敏雄逝去。
句集・『空の庭』『いつしか人に生まれて』『現代俳句文庫29・池田澄子句集』『ゆく船』『たましいの話』『拝復』『思ってます』。
評論集・『休むに似たり』。エッセー集・『あさがや草紙』『自句自解Ⅰ ベスト100・池田澄子』。対談集『金子兜太×池田澄子 兜太百句を読む』。

石田真澄
石田真澄

1998年生まれ。
2017年5月自身初の個展「GINGER ALE」を開催。2018年2月、初作品集「light years -光年-」をTISSUE PAPERSより刊行。雑誌や広告などでも活躍の幅を広げる。

片岡メリヤス
片岡メリヤス

東京出身。2011年から片岡メリヤスとして活動を開始。
主にぬいぐるみ•動くおもちゃ•光るおもちゃ•などを制作。
飾るだけではなく、遊べて愛のあるぬいぐるみを作る。
オリジナルの人形劇を各地で上演。
全国の個人商店を応援する漫画「片岡おへんろ」執筆。

最果タヒ
最果タヒ

詩人。中原中也賞・現代詩花椿賞。
最新詩集『愛の縫い目はここ』がリトルモアより発売中。その他、詩集に『死んでしまう系のぼくらに』『空が分裂する』『グッドモーニング』などがあり、2017年5月に詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』が映画化された。また、小説に『十代に共感する奴はみんな嘘つき』『少女ABCDEFGHIJKLMN』、エッセイ集に『きみの言い訳は最高の芸術』、対談集に『ことばの恐竜』などがある。この秋に、食べ物エッセイ集『もぐ∞』が刊行予定。

佐藤文香
佐藤文香

1985年兵庫県生まれ。中学1年生のとき、夏井いつきの俳句の授業に衝撃を受け、俳句を始める。第2回芝不器男俳句新人賞にて対馬康子奨励賞受賞。池田澄子に師事。
句集『海藻標本』(宗左近俳句大賞)、『君に目があり見開かれ』。俳句甲子園の漫画『ぼくらの17-ON!』①〜④(アキヤマ香著)の俳句協力。共著『新撰21』、編著『俳句を遊べ!』、『大人になるまでに読みたい15歳の短歌・俳句・川柳②生と夢』、『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』。2018年12月、恋愛掌編小説集『そんなことよりキスだった』(左右社)刊行。

たなかみさき
たなかみさき

1992年11月14日生まれ。埼玉県出身日本大学芸術学部を卒業後、熊本に移り住みフリーランスのイラストレーターとして活動。2017年春からは東京に拠点を移し主にグッズ制作、出版物に関わりながら活動中。お酒、歌謡、哀愁をこよなく愛し、それらは作品の中で色気を匂わせている、誰もが感じた事のある、あの青春を追い求めて。

はらだ有彩
はらだ有彩

テキストレーター(テキスト/テキスタイル/イラストレーション)。2014年 テキストとイラストレーションをテキスタイルにして身につけるブランド《mon.you.moyo》を開始。強い女の子をモチーフに、自分も一緒に強くなるためのイラストレーションを展開しています。monはフランス語で「私の」、youは英語で「あなた」、moyoはスワヒリ語で「たましい」。私のあなた、そのたましいを必ず手に入れる。

和田彩花
和田彩花

アイドル。群馬県出身。2019年6月アンジュルム・Hello! Projectを卒業。アイドル活動と平行し大学院で美術を学ぶ。特技は美術について話すこと。好きな画家:エドゥアール・マネ/作品:菫の花束をつけたベルト・モリゾ/好きな(得意な)分野は西洋近代絵画、現代美術、仏像。趣味は美術に触れること。

INFORMATION

イベント情報
イベント情報
『渋谷ヒカリエ 8th Anniversary シブピカ博2020「わたしと日本、再発見。」』

昔から今に至るまで、受け継がれたり再解釈されたりしながら根づいているさまざまな「日本の美意識」。それらを一人一人が考えるきっかけになるインスタレーションやイベントを本来であれば、2020年4月23日から5月6日まで渋谷ヒカリエで展開する予定でした。新型コロナウイルスの影響を鑑みて、渋谷ヒカリエの館内でのイベントは中止、それにかわってShe isとコラボレーションしたオンラインでの展示を開催。「わたしと日本、再発見。」をテーマに日本で生きる姿勢を語る、10名の女性が登場する映像も公開中。
渋谷ヒカリエ8周年×She is「あなたは、ここでどうやって生きる?」オンライン展示
今生きている日本という場所を見つめた記録。スペシャルムービー上映

イベント情報
イベント情報
「渋谷ヒカリエ8周年 オリジナル線香花火」プレゼント

渋谷ヒカリエにてお食事いただいた方へ、夏を楽しんでいただける「渋谷ヒカリエ8周年 オリジナル線香花火」のプレゼントも行います。約90年の歴史を誇る、筒井時正玩具花火製造所の線香花火、ぜひ楽しみください。

期間:7月20日(月)~8月31日(月)
条件:期間中カフェ&レストラン(6・7・8・11階)にて3,000円(税込・合算不可)以上お食事されたお客様。
※なくなり次第、終了となります。

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