2020年6月5日(金)
ナカコ 6月5日(金) 7:30
今朝は、東京都写真美術館の学芸員、伊藤貴弘さんからの連絡で目が覚めた。展覧会の来場者数が、好調だとの連絡。私が監修したこの展覧会の当初の目的は、若い世代を中心に、より多くの人に美術館に来てもらうことだった。結果は予想通り、あるいは予想以上のものになったようで、とても嬉しい。
あたらしい批評の形について、最近よく考える。その分野の成長を期待しての、愛にもとづいた批評。言葉での批評は、その効果に限界があるかもしれない。けれども展覧会を通すことで、未来への種となれたら。かつて、水戸芸術館の『拡張するファッション』展で、ジャングルジム市場での体験を写真に撮って送ってくれた若者がPUGMENTを結成し、6年ぶりに私がつくった展覧会『写真とファッション』に参加してくれた。2014年の種が芽生えて、今めきめきと成長しているのを感じる。本展の種は今後、どのように育っていくのだろうか。
エレン 6月5日(金)22:00
今夜、私は世界の災害の多さに圧倒されている。ロシア北部では、約21,000トンのディーゼル燃料が川や土に流れ込んだという生態学的な災害が起きた。アンバルナヤ川のことは聞いたことがなかったけれど、ディーゼル燃料で赤く染まり、血の川であることがわかった。川はその後、湖へと流れていく……。
確かに私が生まれて(1968年)以来、最も問題の多い時代である。ほとんどの国ですべての活動を停止させ、私たちの生活の多くの側面を変えてしまったウイルス。アメリカでの暴動(うまくいけばアメリカの黒人にとって前向きな変化をもたらすことになるので、これは良いニュースかもしれないが)、そして今回の新たなエコロジカルな災害。けれども、これらすべてよりもずっと心配なのは、世界のほとんどの政府が、私たちの生き方を疑問視するように起こっているこれらのことには何も反応しようとせず、私たちの自由を減らし、何事もなかったかのようにし続けようとしている、そのことのほうかもしれない。