つめをぬるひと:ぬいぐるみを可愛がる
ここ1年くらい、私はぬいぐるみを可愛がっている。
今まで家にぬいぐるみはあまり置かなかったし、そういうものを増やしたくないと思っていた。
しかし去年、えちがわのりゆきさんの描く「ほわころちゃん」というキャラクターのぬいぐるみを家に迎えたことをきっかけに、
夜は寝室にもっていって一緒に寝るようになったし、
朝起きたら「おはよう~今日もかわいいね~」と撫でながら挨拶をするようになった。
そのキャラクターには仲間がいて、なぜか夫が徐々にその仲間のぬいぐるみを家に迎え始めた。
迎えておきながら「全員毎日寝室にもっていくのは大変だから、当番制にしよう」と提案され、
(提案をする夫も、させる私も、どうかと思う)
今日はどの子を寝室にもっていくかを毎晩寝る前に決めるのが日課となり、
とても30過ぎとは思えないくらい、その時のわたしは子供と化す。
しょせん「物」だと言われればそれまでだけど、
ぬいぐるみを撫でるとその感触で心が柔らかくなるし、
不安なことがあっても、ぬいぐるみの顔を見ると眠りにつきやすくなる気がする。
顔をこねくりまわすようにくしゃくしゃと撫でると、
物にも動物にも人にも(もはやそういう垣根を超えて)愛をふりまきたいと思えるし、
そんな自分のことも悪くないな、と自己肯定感が上がるので、精神衛生的にも健全。
少し極論だけど、どちらかというと大人のほうが、ぬいぐるみが必要なのではと思っている。
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